サードパーティCookie廃止が間近に迫っていることが報じられているなか、バイサイドとセルサイドが一様に、Cookie終焉後の世界で広告のターゲティングと測定を行うための準備に追われていることは間違いないだろう。
DIGIDAYリサーチは、サードパーティCookie廃止後に向けた準備の進捗状況を明らかにするため、ブランドやエージェンシー、パブリッシャーの関係者200人超を対象に調査を行った。その調査の結果は、ある程度は準備が進んでいる――といったものだった。
一見するとほかのすべての者がそうであるように、セルサイドのパブリッシャーはサードパーティCookie終焉にある程度しか備えていない。正確に言えば、パブリッシャーの半数近く(46%)が、自社がCookie終焉後の世界にある程度備えていると回答している。
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パブリッシャー関係者のうち18%は、サードパーティCookie廃止後の動きにあまり備えていないと答えたのに対し、4分の1近く(23%)はかなり備えていると回答した。だが、全体的にみるとCookie廃止に完全に備えているとの回答は10%にとどまり、まったく備えていないとの回答は4%だけだった。したがって、少なくともほぼすべてのパブリッシャーが行動を起こしているようだ。
小規模パブリッシャーの4分の1は備えられていない
大手パブリッシャー(昨年の売上高が5000万ドル[約68億7000万円]超)と小規模パブリッシャー(同1000万ドル[約13億7000万円]未満)を比較すると、セルサイドのCookie終焉後への準備状況は違いが見えてくる。
Cookie終焉にある程度しか備えていないと回答した大手パブリッシャーと小規模パブリッシャーの割合はほぼ同じで、それぞれ40%と42%だった。また、両グループでは、ほぼすべての者が少なくとも準備はしており、Cookie終焉後の世界にまったく備えていないと回答したのは、大手パブリッシャーでは3%、小規模パブリッシャーでは6%にとどまる。
ただし、それ以上に大きな差がある。まず、大手パブリッシャーの3分の1近く(31%)は、サードパーティCookie終焉にかなり備えていると回答している一方で、小規模パブリッシャーでそう答えたのは18%に過ぎない。
一方、こうした変化にあまり備えていないと回答したのは、小規模パブリッシャーでは4分の1弱(24%)なのに対して、大手パブリッシャーでは9%にとどまる。(いささか疑わしく思われるが)サードパーティCookie終焉に完全に備えていると回答したのは、大手パブリッシャーでは17%で、小規模パブリッシャーではわずか9%だった。
一方バイサイドをみると、マーケターはサードパーティCookie終焉に対してかなり堅調に対処している。ブランドとエージェンシーの関係者のうち半数弱が、サードパーティCookie廃止後の動きにある程度備えているとDIGIDAYに語った。
これは、ブランドとエージェンシーの関係者が1年前に感じていた内容に沿っている。1年前には、71%がサードパーティCookieなしでの広告測定能力について、58%が広告のターゲティング能力について、懸念しているとそれぞれ回答していた。これが準備の大きな原動力になったと考えられる(ただし63%は、GoogleがサードパーティCookie廃止の延期を発表して安心したと回答している)。
また、準備状況が悪い方向に進んでいる可能性もある。ブランドとエージェンシーの関係者のうち4分の1近く(23%)が、サードパーティCookie終焉に対して自社が大いに備えているとDIGIDAYに回答している。そして13%は、Cookieなしでの測定やターゲティングに完全に備えているとまで述べている。
しかし、バイサイドの12%はまだ、サードパーティCookie廃止にあまり備えていないと述べ、7%はまったく備えていないと回答している。
[原文:Digiday+ Research: So how is that post-cookie prep going, anyway?]
Julia Tabisz(翻訳:矢倉美登里/ガリレオ、編集:島田涼平)