スカジャンと呼ばれるジャンパーがある。背中や胸に大きな刺しゅうの施された、あれだ。実は僕もかつてスカジャンを着ていたことがあったのだが、なんだかみんなに見られているような気がして手放してしまったことがある(しかもそれを過去2度繰り返している)。
背中に刺しゅうを背負うっていうのはなかなか決意のいるものなのだ。そんな着たくてもなかなか敷居の高いスカジャン。もしかしたらスカジャンの聖地横須賀ではいとも普通に着られているんじゃないか。だとしたらそろそろ3度目、いってみてもいいかもしれないぞ。
※2008年5月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
聖地横須賀では
スカジャン発祥の地はここ神奈川県横須賀市といわれている。ヨコスカジャンパーを略してスカジャンなのだ。はたして発祥の地ではどれくらいの人たちがスカジャンを身にまとっているのだろうか。沖縄の公務員がかりゆしウェアーを着ていたように、もしかしたらヨコスカでの公式ウェアーはスカジャンだったりして。淡い期待を胸に見に行ってみた。が
着てない。
正直右も左もスカジャン着てる人だらけ、とはいかないまでも、道を歩いていれば何人かはスカジャンに出会えるかと思っていたのだ。しかし2時間くらいぶらぶら調査していてもただの一人もスカジャニストには出会えなかった。季節的にもちょうどスカジャン日よりなはずなのになぜだ、おかしい。
結局横須賀ではスカジャンを着た人に出会えなかった。なぜだ。僕が横須賀市長になったらまずスカジャンで登庁するのに。やはりスカジャンは一般市民には受け入れられにくいのだろうか、それともどこか一カ所に固まって生きているのか。
固まっているとしたらここしかあるまい。聖地の聖地、どぶ板通りと呼ばれる商店街だ。この通りにはまさにスカジャン発祥の店があるのだという。ビートルズファンがアビーロードを目指すように、スカジャンを着た人たちは全員どぶ板通りにいるんじゃないかという推理だ。
聖地どぶ板通りでは
どぶ板通りはその名の通りかつてどぶ川だったところに板をかけて通りにしたと言われている。もちろん今は板ではなくきちんと整理されており、どぶ川の匂いとかもちろんしない。
どぶ板通りに一歩足を踏み入れると、すぐにスカジャンをモチーフにした横須賀市のポスターが貼られていた。やった!やはり横須賀は市をあげてスカジャン推しなのだ。これは期待できそうだ。
さらに進むと100メートルに3軒くらいの頻度でスカジャン、もしくは刺しゅう屋さんがある。いよいよ、という熱気を肌にビンビン感じているのは僕だけか。
いよいよスカジャンの元祖と呼ばれるお店の前までやってきた。まぶしくて目が開けられない。
ヨコスカジャンパー専門店プリンス商会
どぶ板通り半ば付近、スカジャンの元祖とも呼ばれ神格化されているお店がある。その名もヨコスカジャンパー専門店、プリンス商会だ。創業1947年ということは戦後まもなく誕生したお店。店先には61年!と書かれたプレートが誇らしげに飾られている。スカジャン一筋61年。おぎゃあと生まれた赤ちゃんが赤いちゃんちゃんこ着る年になるまで休まずにスカジャン作っていたのだ、はんぱじゃない。