ロッテの名作板チョコ「クランキー」シリーズに、2023年3月のおわり、「悪魔のクランキー」が出た。
贅沢にカカオを使用、おなじみのパフに加えクッキーを練り込んだのが特長だ。
で、よっしゃー、違いをくらべるっぺよ~! と両方買ってきたところ、どっちがどっちだか分かんなくなっちゃったのだった。
クランキーはクランキーでリニューアルしていた
新商品の「悪魔のクランキー」の前に、改めて「クランキー」、これだ。
買って眺めて気づいたが、「NEW! パフ増量で満足度UP」とある。
昨年2022年にパフを増やしてチョコを従来よりもぶ厚くするリニューアルが行われたそうだ。
ずっとあるなとは思っていたが、クランキーはなんと1974年うまれ。公式サイトを見ると基本的なパッケージのデザインは発売当初から変わっていない。
独特の背景のテクスチャは「ゴールドラッシュを連想させる麻袋をイメージ」しているんだそうだ。
どんなことでも知ることで世の中の解像度が上がるというものだ。
むしろかわいい「悪魔のクランキー」
いっぽう、新しく出た「悪魔のクランキー」がこちら。
通常のクランキーが「ゴールドラッシュを連想させる麻袋をイメージ」している=腕っぷしの強い採掘者が一攫千金を狙い集まってくるさまに比べると、悪魔のほうはうっすら麻袋は見えるもののむしろファンシーでかわいい。
どのへんが「悪魔」か
この「悪魔のクランキー」、商品の特徴は、カカオの量と北海道産の生クリームを使っていること、パフの他にブラッククッキーを練り込んでいることだそうだ。
「悪魔の〇〇」という商品がさまざまな食品につけられるようになって久しい。
悪魔的においしく、罪悪感をおぼえるほど食べ過ぎてしまう、そんなイメージの商品名だろう。
当サイトでもライター高瀬さんがかつて集めて食べ比べている。
上記の記事から、罪悪感を覚えさせる手法は食品によりかなり自由(しょっぱかったり、甘かったり、米だったり)だということがわかる。
「悪魔のクランキー」も、パッケージにはまさに「悪魔的にうまい!」とある。
おそらく、お菓子として止まらないうまさなんだろう。つい食べ過ぎてしまうという罪悪がここにはあるはずだ。
しかし、となると厳しいなとも思う。なにせ通常のクランキーですでにトップレベルでおいしいのだ。
食べるのを止められないおいしさがクランキー以上だとしたらすごいことた。チョコ菓子界をゆるがす事件と言って過言ではない。お手並み拝見しようじゃないか。
と、意気揚々と食べくらべようとして「あっ!」となった。
金型がおなじだ!
通ぶって「金型が」と言ったところで製造工程がわからないから言い方が合っているのかは不明なのだけど、両者は形が同じであった。
どっちかわかんなくなってしまった。
うわ~、これは改めて買ってこないと分からないかな……と慌てたところで、断面を見比べて、違いがあることに気づいた。
そうか、悪魔のクランキーは、クッキーが練り込んである。その分、パフが少ないのだ。
一方、クランキーは前述のとおり昨年パフの量を増やしたくらいだから、パフがみっちりしている。
つまり……パフの量が多い、こっちがクランキーだ!
どっちかわかんなくなっちゃうことがみんな多いと思うから、どうか参考にしてください。
悪魔の味はビター
おちついたところで遅ればせながら味である。「つい食べ過ぎてしまうという罪悪」、そのほどはいかに。
おごそかに口に含むと、悪魔のクランキーはパッケージのポップさに比べると思ったよりもビターに振った上品な苦みがおいしいチョコレート菓子だった。
食べる手の止まらなさはもちろんあるが、「世の中そんなに甘くない」という意味での悪魔っぽさも、コンセプトにあるのかもしれない。というか、たんに黒いクッキーを使っているから悪魔、なのかも。
クランキーのクランキーとしてのアイデンティティがあまりに確固たるものだから、クランキーシリーズの一員と言われて出されるとちょっと別物だなとは思った。
おいしいビター系チョコ菓子としておすすめであります。