【約80円】ラオスの『10000キープ均』がカオスだった

ロケットニュース24

ラオスの人気都市・ルアンパバーンを訪れた人たちはみな「何も無いところがイイ」と言ったが、実際に訪れてみると想像したより何も無くてビビった。だからといって別に困るというほどでもなく、そのうちに「それがイイ」って境地に達するのだろう……たぶん。

そんなことを考えながら何も無い道を歩いていたところ、突如『10000キープ』と書かれたド派手な建物が出現した。キープはラオスの通貨で、1万キープは約80円。つまりコレは100均ならぬ「1万キープ均」なのであった。何も無いと思ったら1万キープ均があったかァ〜!

・いざ1万キープ均へ

ラオ語(ラオスの公共語)が分からないため店名など詳細は不明なのだが、店の外壁には英語で大きく「Cheap(安い)」と書いてある。

なおルアンパバーン周辺では、1万キープあればラーメンやバインミーが食べられる。よって日本人にとっての「80円」とラオス人にとっての「1万キープ」は、必ずしも同等の価値ではないかもしれない。「安い」かどうかは商品を見て判断する必要がある。

店内はこんな様子。日本の100均と非常に似ている。

ヘアアクセサリーコーナーのセンスも日本と同じ。微塵もラオスらしさを感じさせてくれない。

あら、『ふたえテープ』がこんなにたくさん! 「東南アジアの人は彫りが深い」という印象だったけど、まぶたの悩みは万国共通なんだな〜。

修正液が大量に売られているのも意外だ。ラオスの人はよく字を間違えるのだろうか?


ってか、だんだん見えてきたけど……



ここ……完全に中華の店だな?


商品ほぼ全てが中国仕様なばかりか、店員も全員中国人だったラオスの1万キープ均。ラオスは産業に強い国でないため、中国からの輸入に頼るのはもちろん仕方のないことだ。それを言い出したら「日本の100均一だって中国製品だらけ」ってことになってしまう。

ではあるのだが……ラオス人が買うとは考えにくい商品もあり、単に「中国から輸入してます」では済まない部分があるようにも見受けられるラオスの1万キープ均。気になる商品をいくつか購入したのでご紹介しよう。



・超中華ラインナップ

まず、お相撲好きとして絶対にスルーできなかったこの商品。


『大力士』


しかもメーカーは「花王(huā wáng)」と、やたら日本っぽさを感じさせるネーミングである。ちなみに大力士の正体は “あかすり” だ。とっても力強そう! 続いては……


『十八代蚊蝿香王』


完全な中国語にもかかわらず1秒で “蚊取り線香” と理解できるのだから、漢字の国に生まれた身の上に感謝するほかない。自然豊かなラオスでは蚊に悩まされる場面が多く、まさに「渡りに1万キープ均」といったところだ。そして……


『ピ◯チュウ爪切り』


近年のメイドインチャイナはクオリティが上がってきたため、このような「古き良き中華」を目にする機会も少なくなった。『ドラ◯もん』や『◯ティちゃん』バージョンもあり、おみやげとして大量購入もアリだ。もちろん性能バッチリ! からの……


『毛沢東チャーム』


いくらなんでも、さすがにラオス人はコレ買わんだろ……? と思うのだが、しかしラオスと中国はお隣同士。最近では国境をまたぐ鉄道も開通し、ここルアンパバーンでも街のあちこちで中国語の会話を耳にする。

観光なのか移住なのかは不明だが、とにかくラオスと中国の関係性は、我々日本人に想像もつかぬほどディープなものがありそうだ。そういえば日本でも外国人が多いエリア(新大久保など)の100均には「何、コレ?」って商品が売られているし……色々あるよね!

とっても中華なラオスの1万キープ均。ちなみに私は洗剤やら綿棒やらを求めて計4回もこの店を訪れたのだが、回を重ねるごとに中国人店員たちが、ほんの少しづつだけど心を開いていくように感じられたのが印象的だった。またいつか……ここへ来れたらいいな!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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