NFL トム・ブレイディ 氏の名を冠したアパレルブランド「ブレイディ」での1年を語る:クリエイティブ・ディレクターのダオ=イー・チャウ氏

DIGIDAY

ファッション業界、特にメンズウェアにおけるダオ=イー・チャウ氏の影響力は否定できない。現在、彼は、NFLのクォーターバックのトム・ブレイディ氏、そしてフレイムとスキムスの創業者イェンス・グリード氏とともに、ブレイディ氏の名を冠したアパレルブランドを手がけている。

ファッション業界、特にメンズウェアにおけるダオ=イー・チャウ氏の影響力は否定できない。チャウ氏はショーン・ジョン(Sean John)やダナ・キャラン(Donna Karen)と仕事をし、CFDA賞を受賞したブランド、パブリック・スクール(Public School)を共同で創業した。

現在、彼は、NFLのクォーターバックのトム・ブレイディ氏、そしてフレイム(Frame)とスキムス(Skims)の創業者イェンス・グリード氏とともに、ブレイディ氏の名を冠したアパレルブランドを手がけている。2022年1月にローンチしたそのブランド、ブレイディ(Brady)は、クリエイティブ・ディレクターであるチャウ氏によって形作られ、志向性と機能性を重要な特質としている。

「(純粋なパフォーマンスウェアをデザインするのは)これが初めてだが、本当に楽しいジャーニーだった。ブレイディでのデザインに対するアプローチの仕方は、これまでの自分の仕事にくらべるとかなり意図的だ。エンドユーザーのことを意図的に考え、(製品の)シルエットでも、生地のテキスタイルでも、開発に対しては非常に明確な方法でアプローチしている」とチャウ氏はGlossyポッドキャストの最新エピソードで語っている。「今までは明確な方法でデザインしていなかったということではないが、以前はもっと主観的だった。(ブレイディでの)デザインプロセスは、クールなものを作ろうとすることは控えめにして、機能的なものを作る、自分たちが伝えていることを実際に行ってくれるものを作る、という点を重視している」。

クリエイティブ・ディレクターとして、チャウ氏はパフォーマンスとライフスタイルを融合させるという、ブランドの中核的な目標を表現するコレクションを複数デザインしてきた。そのなかには、夏に発売されたスイムコレクションなどがある。ブランドでは1月12日の創業1周年を祝うために、人気のあるコアとなるアパレルアイテムをさらに充実させ、流通の拡大を最優先している。

以下ではポッドキャストのハイライトを、読みやすさのために若干編集して紹介する。

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創業者とは別のブランドアイデンティティを構築する

「(ブレイディは)完全な共同プロジェクトだった。(このプロジェクトに)これだけの(ファッションにおける)有名人が関与していれば、長年の専門知識や経験、ノウハウに頼るのは当然のことだ。これはトム(ブレイディ氏)が関与する共同プロセスだった。アメフトでは、特に彼はG.O.A.T.(greatest of all time、史上最高の人物)だ。彼のように自分の成功や功績を語ることができるような選手はそれほど多くない。スポーツの枠を超えて共感してもらえるような、彼の偉大さに関する何かを探し、ブランドと結びつけなくてはならなかった。それから、ブランドとその人物とのバランスを取ること、あるいはブランドからその人物を切り離すことを慎重に行う必要もあった。これらのことをすべて総合して彼をブランディングし、ブランドをブランディングすること、そのふたつをどのように分けて取り組むかについて、全員でかなりの提案を行っている。必要なときに彼が飛び込んできてくれること、そしてまた製品や美学を自立させることができることのバランスを求めていた」。

ビジネス精神とクリエイティブ精神を両立させる

「キャリアの初期には、よくも悪くも、(ブランドの)ビジネス面にはあまり関わってこなかった。そんなに考えるようなことではなかったのだ。だが、起業家となって自分のレーベルを始めると、クリエイティブだけでなく、ビジネスについても新たな方法で考えなければならなくなる。ブレイディの場合は特に、指標と分析から得られる有益な情報がたくさんある。ブレイディのビジネスは消費者への直接販売なので、自分たちですぐに入手できる情報を大量に収集している。それを考慮に入れず、どのように、どんな種類の製品を作るのかに反映させないというのはバカげている」。

リスクを負って新しいデザインに挑戦する

「いまでは、あらゆるもの、あらゆるカテゴリーにおそらくデータが存在する。しかしデザイナーとして、あるアイデアのために業者を相手にビジネス面で戦う場面は確かにある。それはただそのアイデアを本能的に信じているからだ。(デザイナーは)真空状態やバブルの中でデザインしているのではないし、願わくは、ミクロレベルかマクロレベルかを問わず、外の世界や現実で起こっていることとつながってほしい。それが自分の直感となり、何かにおける信条の糧となる。本当によいデザイナーになるためには、時にはよいセールスマンになって、そのアイデアを売り込まなければならない。もし私たちが純粋にデータドリブンだったなら、確かに一部の企業は実際そうなのだが、私たちが作るものの多くから魂が失われることになるだろう。魂とは、人々が共鳴し、感じるものなのだ」。

[原文:Creative director Dao-Yi Chow on the first year of Brady]

TATIANA PILE(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)


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