テストや発表会の前日、日曜日の夜など、次の日の朝を迎えるのが嫌で嫌で仕方ない思いをしたことがある人は決して少なくないはず。夜になると不安が募り眠れなくなってしまう理由について、健康と福祉を専門とするライターのルイーズ・ボンド氏が解説しました。
Can’t sleep? An expert reveals why anxiety may be worse at night | Live Science
https://www.livescience.com/anxiety-at-night
不安が夜に悪化する理由の1つとしてあげられるのは、単純に夜は「何もしない」からです。多くの人は日中に活動してエネルギーを発散していますが、夜になると活動が低下し、気が散る要因が少なくなるため、不安が増大してしまうのです。
当たり前のように感じられる理由ですが、不安と睡眠障害を専門とするニューヨークの臨床心理学者、カリッサ・チャモロ氏によると、その原因はあまりよく分かっていないそうです。
2015年に発表されたある研究では、不安障害を持たない人に日中と夜間に恐怖の刺激を与えると、夜間に恐怖反応が増加することが分かっています。人は夜間になると情報の処理方法が変わり、不安になりやすくなることが示唆されていますが、この研究においてその理由は明らかになりませんでした。
人間はストレスや脅威を感じると体内でアドレナリンとコルチゾールというホルモンを生成し、脅威に立ち向かうように体を変えていきます。脅威が去ればコルチゾールとアドレナリンの値が正常に戻るはずですが、慢性的なストレスや不安を経験すると、コルチゾール値が上昇したままになることがあるそうです。
コルチゾールなどのホルモンは睡眠に結びついており、一般にサーカディアンリズム(概日リズム)と呼ばれる24時間の周期で調節されています。通常、コルチゾール値は朝にピークを迎え、その後1日を通してゆっくりと低下し、深夜に最低値に達します。しかし、アドレナリンが日中から夕方にかけて分泌されるとコルチゾール値が高く保たれることになるため、他の睡眠ホルモンが分泌されるタイミングが乱れる可能性があるとのこと。このことが夜に眠れなくなる理由ではないかと研究者らは考えています。
また、夜に何度も不安を覚えることで睡眠に対してネガティブなイメージを抱くことになり、それがさらに不安をあおるという悪循環に陥ることもあります。チャモロ氏は「不安の原因を自分で直接コントロールできない場合もありますが、コントロールできるものもあります。カフェインなどの刺激物、電子機器、ストレスなどは避けてください」と述べました。
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