クラシエフーズ(東京都港区)の板ガム「歯みがきガム」が2021年3月末に終売していた。同社の担当者は取材に、ガムの需要縮小などが理由だとしている。
同社では「スーパーソーダガム」などガム3製品も22年3月末に販売終了し、現在はガム事業から撤退している。
チューインガム販売額はピークから6割減
「歯みがきガム」は1995年に前身のカネボウフーズが発売。天然甘味料「キシリトール」を配合したシュガーレスのミント味の板ガムで、硬めの食感と「歯につきにくさ」を売りにしていた。
商品の特設サイトによると、外出先や多忙時など「歯を磨きたいのに磨けない、というシーンで『ガムで、歯をみがいた気分になれないか?』との開発者の想い」から商品が生まれたとしている。19年8月にはリニューアルしていた。
クラシエフーズの公式ツイッターは21年3月に、同商品を同月末で終売すると発表。同社の広報担当者は23年1月19日、J-CASTニュースの取材に「品質に合うガムベース(編注:チューインガムの素となる物質)の調達が困難になったこと」「ガムの需要縮小などが原因」と終売理由を説明している。
同社は炭酸飲料をイメージしたガム「スーパーソーダガム」「スーパーコーラガム」「ライフガードガム」も販売していたが、22年3月末でいずれも終売。現在、同社公式サイトの「ガム」のページに掲載されている商品はない。担当者は「弊社の全ガム製品撤退の中で、本製品(歯みがきガム)も終売をせざるを得ない判断となりました」としている。
ネット上の一部では「歯みがきガム」の復活を求める声もある。担当者は「現在も弊社お客様相談室へご要望の問い合わせがある」と根強いファンがいる「稀有な商品」だと説明。一方で、「ガムに関しては、自社の製造面、環境面で残念ながら復活の予定はありません。ご理解の程、宜しくお願いします」と伝えた。
ガムメーカー17社で構成する日本チューインガム協会の統計データによると、チューインガムの販売額はピーク時の04年に1881億円だったものの、21年には755億円と4割程度に減少。消費者の「ガム離れ」が進んでいる。