ここ数年、ゲーミングPCの需要が非常に高まっている。PlayStation 5の発売から2年以上が経過しても依然として入手しにくい状況から、ゲーマーがゲーミングPCに流れてきているのを始め、家庭用ゲーム機でのみ展開されていたビックタイトルが、PCでもリリースされることが多くなっているためだ。
しかし、いざゲーミングPCを買おうと思っても、どの程度のスペックが必要なのか知る必要があるし、デスクトップだと、モニターやキーボード、マウスなどの周辺機器も用意しなければならない。ゲーミングPCが初めて、という人にとってはいろいろと難しいことが多いのではないだろうか?
そこでオススメしたいのが、マウスコンピューターのゲーミングブランドとして人気を博している「G-Tune」ブランドから発売されている「ゲーミングスターターセット」だ。これは、ゲーミングPC、モニター、キーボード、マウス、ヘッドセットといった、ゲームのプレイに必要なものすべてがそろったセット商品。あれこれ悩まずとも、購入してすぐに快適なゲーミング環境が整うのが最大のメリットなのである。
今回はそのセットの中から「G-Tune HM-B-3060Ti-AL」を紹介する。人気FPSを滑らかに描画し、美しきグラフィックのAAA級タイトルを快適にプレイできるだけのパワーを持っているため、これからPCゲームの世界にどっぷりと浸かりたいと考えている人にピッタリだ。
ゲーミングスターターセットの構成
では、G-Tune HM-B-3060Ti-ALに含まれるデバイスをそれぞれ紹介していこう。まず主役と言えるPC本体だ。ゲーミングPCと言えばゴツいイメージがあるかもしれないが、サイズは約189×396×390mmとミニタワー型ということもあって比較的コンパクト。その一方で、側面は中の見えるガラス製サイドパネルを採用し、さらに前面と背面の冷却ファンには赤色LEDを内蔵。ゲーミングPCらしいライティングによる演出を楽しめるようになっている。
CPUには、6コア12スレッドの「Core i5-12400F」を採用。ゲームプレイに十分な性能を持つミドルレンジクラスのCPUとして大ヒットした製品だ。グラフィックスには、ミドルレンジのGPUとして同じく人気のGeForce RTX 3060 Tiを採用するビデオカードを搭載。性能は後半で詳しく紹介するが、フルHD(1,920×1,080ドット)の解像度なら、描画負荷の高い最新ゲームも快適に楽しめるパワーを持つ。非常に手堅い構成で、これからゲーミングPCを買おうという人にはピッタリだ。
メモリはDDR4-3200を16GB(8GB×2枚)搭載している。ほとんどのゲームの推奨環境を満たす容量だ。そして、ストレージは高速なPCI Express接続のM.2 SSDを採用しており、ゲームのロードも快適である。容量は512GBあるので、多数のゲームをインストールできる。
なお、本セットはパーツを変更してのカスタマイズ注文にも対応。CPUを12コア24スレッドのCore i7-12700Fに変更できるのを始め、メモリは最大64GBまで搭載できる。ストレージはM.2 SSD×2とHDD×1の合計3台を搭載でき、SSDは最大2TB、HDDは最大8TBの容量を選ぶことが可能だ。ビデオカードをワンランク上のGeForce RTX 3070に変更することもできる。
このほか、CPUクーラーやCPUグリスも複数用意しており、細部のパーツにこだわれるのもG-Tuneシリーズの大きな特徴だ。
ゲームはどれだけ快適に遊べる?
セッティングを紹介したところで、PCの性能を見ていこう。このスターターセットでポイントになるのは付属のモニターだ。フルHD(1,920×1,080ドット)解像度で165Hzのリフレッシュレートというスペック。
これをゲームプレイで生かすには、PC側でフルHD設定で165fps以上のフレームレートを出す必要がある。滑らかな画面描画を実現するには、PC側のパワーも重要というわけだ。
そこで、ここでは画面の動きの速いFPSやレースゲームで平均165fpsに達することができるかを中心にテストする。また、美麗なグラフィックの重量級ゲームに関しては、一般的に快適なゲームプレイの目安である平均60fpsを目指すこととする。
まずは、定番FPSの「レインボーシックス シージ」と「Apex Legends」を試そう。レインボーシックス シージはゲーム内のベンチマーク機能、Apex Legendsはトレーニングモードの一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測した。
レインボーシックス シージはフルHD解像度なら画質を最高設定にしても平均363fpsと余裕で165fpsをクリア。モニターの165Hzリフレッシュレートを生かし切れる。Apex Legendsも同様で、最高画質設定でも平均224.1fpsに到達している。最小(1%)も175.3fpsもあり、常に滑らかな描画が維持できると言ってよいだろう。
次は人気のヒーロー対戦FPS「オーバーウォッチ 2」を実行しよう。EichenwaldeのマップでBotマッチを実行した際のフレームレートをCapFrameXで計測した。
このゲームは画質プリセットで最上位のエピックに設定すると平均145.6fpsと若干165fpsに届かない。しかし、ワンランク下のウルトラ設定にすれば平均197fpsと余裕でクリアできるフレームレートに上昇。もちろん、平均145.6fpsでも十分滑らかな描画なわけで、画質優先かフレームレート優先か、好みで選択していいだろう。
大ヒットFPSであるCall of Dutyシリーズの最新作、「Call of Duty: Modern Warfare II」ではどうだろうか。美麗なグラフィックで描画負荷が高いだけに、どれだけフレームレートが出るのか気になるところ。ゲーム内のベンチマーク機能を利用してテストした。
このゲームはNVIDIAの描画負荷軽減技術「DLSS」に対応しているのがポイント。DLSSをパフォーマンスに設定することで、画質プリセットの最上位である極限に設定しても平均140fps、画質をバランス重視設定まで下げれば平均172fpsまで到達できる。美麗なグラフィックと滑らかな描画を両立できるのはうれしいところだ。
ここからは、リアルな光の反射を実現するレイトレーシングに対応するタイトルを試して見よう。まずは、人気レーシングゲームの最新作「F1 22」から。
このゲームもDLSSに対応し、パフォーマンスに設定することで、最高画質プリセットを超高、同じくレイトレーシングも超高に設定しても平均140fpsを出すことが可能。さらに、プリセットを1つ下のハイにすれば、レイトレーシングを使っても平均230fpsという高いフレームレートに到達できる。レースゲームも存分に楽しむことが可能だ。
続いて、描画負荷が非常に高い「サイバーパンク2077」と「Marvel’s Spider-Man: Miles Morales」を実行しよう。サイバーパンク2077はゲーム内のベンチマーク機能、Marvel’s Spider-Man: Miles Moralesはマップ内の一定コースを60秒ダッシュした際のフレームレートをCapFrameXで計測している。
サイバーパンク2077もDLSSをパフォーマンス設定することで、最高画質のプリセットであるレイトレーシング:ウルトラでも平均79.1fpsに到達しており、十分快適にプレイ可能。レイトレーシングを使わないウルトラ設定に変更すれば、平均121.1fpsまで上昇する。
Marvel’s Spider-Man: Miles Moralesは、DLSSを使ったとしても、画質とレイトレーシングを最上位の非常に高い設定すると平均48.4fpsしか出ない。レイトレーシングをオフにして、画質だけを非常に高い設定とすると平均81.6fpsまで上昇するので、綺麗な画面でも快適なプレイが可能だ。
最後に、システム全体の消費電力を測ってみよう。OS起動10分後をアイドル時、サイバーパンク2077実行時を最大値として測定した。電力計にはラトックシステムの「REX-BTWATTCH1」を使用している。サイバーパンク2077の設定は画質をレイトレーシング:ウルトラにし、解像度はフルHDとした。
ミドルレンジ構成ということで、CPUとビデオカードの両方に強烈な負荷がかかるサイバーパンク2077のプレイ時でも336Wに収まっている。Core i5-12400FとGeForce RTX 3060 Tiの組み合わせから考えると、ごくごく普通の消費電力と言ってよいだろう。ゲーミングPCながら電気代にも優しい。
G-Tuneのゲーミングスターターセットは、人気FPSでガチに戦えるだけのモニターとPCの性能があり、描画負荷が非常に高いゲームも画質をちょっと工夫するだけで快適にプレイできる。キーボードやマウス、ヘッドセットも鉄板のロジクール製で使いやすく、あれこれ悩まず一式揃えられるのは何より便利。
これからゲーミングPC環境を整えたいと考えている人にとってピッタリと言ってよいだろう。筆者としても、初心者に安心してオススメできるゲーミングセットであると断言できる出来だ。
[モデル: 奥村 茉実(浅井企画)]
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