「JUSCO」の跡がうっすら見えるんです
大きな建物にくっついている大きなロゴや看板、あれを間近で見てみたい。
屋上を開放していて、そこに塔屋看板が建っている施設であれば見ることができるのだ。
行って見て、でかさに圧倒されてきました。
ラウンドワンのボウリングのピンとかイトーヨーカドーの白い鳩とか
大きな建物にくっついている大きなロゴや看板、間近で見たらどんな感じなんだろうと思うことがある。
地上からの見た目通りツルッとしているのだろうか。それとも意外と荒い部分があったりするんだろうか。そもそも自分の何倍もの大きさのイトーヨーカドーの鳩ってどんな迫力なんだろう。
今まで数えきれないくらい視界に入ってきている看板なのに、近くで見たことはない。芸能人と同じだ。実際に対面したらどんな感じなんだろうと考えながら毎日テレビを見ている。
ビルメンテナンスの仕事でもしないとダメかと思っていたが、稀に転職せずに見られる場合があった。
屋上だ
屋上である。屋上を開放している施設で、その場所に塔屋看板などが建っている場合、看板が間近で見られる。
以上の条件でショッピングモールや百貨店を調べて周り、結局7カ所の施設を巡って4つの看板を近くで見た。まずはその4つを順に紹介します。
南砂町のトピレックプラザ
東京、南砂町のトピレックプラザというショッピングセンター。
服やご飯だけじゃなくて、病院とかバレエ教室、学習塾まで何でもある。
しかし今日は看板である。賑わうエリアを抜けて屋上に出る。屋上には駐車場とバーベキュー場とテニススクールがある。
あった…! 塔屋看板である。大きい。そして地上から見た印象と違う。
正直な感想を言わせていただくと、くすんでいて哀愁を感じる。しかしそこから看板の歴史と親しみを感じた。
内に秘めた静かな迫力がある。屋久杉を見た感想と似ている。
ウィキペディアによるとトピレックプラザの開業は2000年。当時のジャスコ館がイオン館に名称を変えたのは2011年だそうだ。
グーグルマップのタイムマシン機能でジャスコ館時代のトピレックプラザが見られた。
ジャスコ時代から20年以上、人知れず役目を全うし続けていたのだなとしみじみした。
こうして比べると文字一つ一つが僕より余裕で大きい。イオンの「O」で大玉転がしができる。
大きいものはそれだけですごい。自分の無力さを感じさせてくれる。これが20年以上働いているだなんて。
ただ「大きい!」とはしゃぐだけのつもりだったのに、ジャスコとイオンの歴史について考えてしまった。
南砂町のニトリ
同じく南砂町のニトリ。
シンプルに「ニトリ」と書いてある。線が6本、横横縦横縦縦、で「ニトリ」だ。
ここは屋上が駐車場になっている。交通の妨げにならないよう、注意しながら看板を拝見しました。
ツヤツヤしていてきれいな看板だった。そしてシンプルなロゴがでかいというのは、見る者の脳を混乱させるのに相性がいい。
「ニ」「ト」「リ」全ての画が自分より大きい。どの一画にもなれない自分。清々しい無力感があった。
銀座三越
次は百貨店に来た。銀座三越。
こちらは塔屋看板ではなかったのだけど、大きなロゴが近くで見えたので紹介します。
最上階ではないが、9階にテラスガーデンという外で休憩できる場所がある。
真下までは行けないが、ずいぶん近い。
複雑な形をすごく苦労して再現しているのが分かる。
妻に見せたら「鳥が巣を作りそう」と言っていた。確かにそうだ。でも作られていないということは、小まめに清掃をしている方がいるのかもしれない。
赤羽のイトーヨーカドー
最後に看板が見られたのは赤羽のイトーヨーカドー。
ここも屋上が駐車場になっている。賑わうエリアを抜けて屋上に上がる。
鳩がいると思っていた塔屋看板、裏側はセブン&アイ・ホールディングスのロゴになっていた。
グループ会社なのでおかしなことではないのだけど、地上で表と同じ裏側を想像していた僕は、嬉しいやらがっかりするやら複雑な感情になった。
今回、というか生まれてから今日まで見てきたロゴ史上最大だと思う。もう口を半開きにして見上げるしかない。
僕はこの時、大いなるものへの畏れ&敬い・ホールディングスだった。
これは大仏だ
以上が今回間近で見られた塔屋看板たちである。屋上は空が広く、この時期はよく晴れていて、大きなロゴがよく映えていた。
意志のこもった大きなものを肌で感じてポカーンとするという点では大仏とかに近いのかもしれない。間近で見る塔屋看板。