クマった。
日本ではリラックマが人気ですが、アメリカではラリったクマが大きな話題になっています。
というのも、来年2月にコカインでハイになって暴れまくるブラックベアの映画『コカインベア(原題)』が公開されるんです。
しかも、実話ベース。もう、話題にならないはずがない。
というわけで、今日は日本にも来てほしいという願いを込めて、クマ好きの筆者が『コカインベア』の元になった事件をお伝えしますね。
空から降ってきたコカイン
VICEによると、事件が起こったのは1985年のある日のこと。ジョージア州のとある森に、空から大量のコカインが降ってきました。
映画のトレイラーでは「クマが・コカインを・キメやがった! 」と言われていますが、リアルでもクマはコカインを食べてしまったらしいのです。
元麻薬捜査官が麻薬を密輸していて落とした
そもそも何でコカインが降ってきたのか、という問題ですが、当時のニューヨークタイムズの記事によると、元麻薬捜査官だったアンドリュー・ソーントンは麻薬密売人に転職してコカインを空輸していたらしいのです。
ソーントンは、暗視ゴーグルをつけて、35キロのコカインを腰にブラさげてパラシュートで降下。予定ではコカインのパックを回収するつもりだったみたいなんです。ところが着地に失敗したのか、死亡。ノックスビルで発見された遺体の周りには、コカインや拳銃、現金4,500ドルが落ちていたそう。
3ヶ月後にクマとコカインが見つかる
ソーントンの死から3ヶ月が経過し、ジョージア州のチャタフーチー国立森林で130キロのコカインが入ったダッフルバッグとクマの死体が発見されました。
体重約80キロのそのクマを解剖すると、体内から約3〜4グラムのコカインが見つかったそう。ただ、おそらくそれ以上食べていたのではないかと考えられています。
果たして、そのクマは映画のように暴れ回ったのか、中毒患者のようにコカインを欲していたのでしょうか。それはわかりませんが、「コカインで胃が満たされていて、さらに報告された通りの濃度で検出されていたとしたら即死に近かったのでは」とクリーブランド医療センターのメディカル・毒物学者のライアン・マリノ氏は話しました。
ラリックマは剥製に
その後、コカインを食べて死亡したクマは剥製となり、「パブロ・エスコベア」と名付けられました。今は、ケンタッキー州レキシントンにあるショッピングモールにてサンタの帽子をかぶって来場客をお迎えしているみたい。
それにしても、人間のせいで野生動物が犠牲になるなんて、37年後にB級アニマルパニック映画にしている場合じゃないシリアスな大問題ですよ。
というか、サラッとスルーしちゃいましたが、元麻薬捜査官が麻薬の密売人に転職とか、この事件はどこから突っ込んだらいいのやら……。
『コカインベア(原題)』は2023年2月24日全米公開。日本にも早くきてほしいですね。