中国にあるAppleの「iPhone」を製造する最大規模の工場で、現地時間11月22日夜から23日にかけて、従業員が警察および警備員と衝突した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を抑制するための制限措置をめぐって高まっていた緊張が、鄭州市の工場における騒動につながった。
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目撃者からrBloombergに送られた動画には、100人を超える鴻海科技集団(Foxconn)の従業員が社員寮を抜け出して、数で劣る警備員を押しのけている様子が写っていた。ある映像では、白い防護服を着ているらしい複数の人々が、地面に倒れた1人の男性を棒でたたいており、別の映像では、見物人らが「戦え、戦え!」とはやし立てる中で人々がバリケードを突破する様子が映っていた。
この抗議活動が勃発したのは、未払いの賃金と、同工場で感染が急拡大していることへの懸念が理由だと、ある目撃者は述べた。Associated Pressによると、23日午前までに、数千人の従業員が社員寮の外に集まって、同工場の警備員らと対峙したという。警察によって鎮圧されるまでに、複数の従業員がこの騒動で負傷した。動画は、ショート動画プラットフォーム「快手」でライブ配信されたが、米CNETはそれらの動画を直ちに確認できなかった。
約20万人の従業員を擁するFoxconnは、Apple最大のiPhone生産受託業者で、iPhoneの世界出荷台数のうち約70%を生産している。
今回の暴動は、新たなロックダウン措置が10月に開始してから鄭州市の工場で高まっていた緊張を物語っている。コロナへの対処と不十分な食料配給に不満を募らせ、この数週間で多くの従業員が同工場を脱出した。
Foxconnは同社ウェブサイトで、コロナの陽性反応が出た従業員が敷地内の社員寮に住んでいることを否定した。また、従業員との支払い契約について、「支払いは常に履行してきた」と主張した。米CNETはAppleとFoxconnの関係者らにコメントを求めたが、直ちに回答は得られなかった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。