近所のローソンをフラついていたら、かなり気になる商品を発見した。それがカンロの『味のしない? 飴』。
お値段は税込み189円。10月25日より始まった、メーカー7社による「ありそうであまりなかった商品」の “テスト品総選挙” というキャンペーンの一環らしい。
テスト中の他の商品も気になるが、やはり最強はこの飴だろう。ネタ商品的な雰囲気もあるし。さっそく試してみた結果、わりと真面目に流行ってほしい一品だった。
・カンロ
まずは飴を見ていこう。パッケージはいかにも “テスト販売” 感のある銀色。表には鳥とも飴ともつかないキャラクターと共に「飴なのに味がしない…? 不思議なキャンディ」「ノンシュガー」と書かれている。
裏には「カンロ史上、最も味がしない飴!?」とのこと。
原材料はこんな感じ。ポリデキストロースとエリスリトールのみで構成されているようだ。前者は製造にグルコースを要し、後者は砂糖の代用品として使われることもある物質。
実質的に「味がしない」というのが売り文句的なものになっているが、最後に “!?” がついているあたり、味はあるのだろう。ぶっちゃけ原料的には、カロリーゼロなスポーツドリンクを水で薄めたような味なのではないか。
・7個
開封すると、中身は7個であることが判明。
アレルギー物質は該当なし。
飴本体は半透明の白。
食べてみると、おぉ……思っていた以上に味が稀薄。微妙に甘いのは間違いなく、それは推測していた通りにスポドリを水で薄めた系の甘さ。甘さランクでいうと、白米より甘いが、生卵よりは甘くないと思う。
食べる人やその日の体調によっては「味がしない」と認識し得るだろう。しばらく舐め回した後に嚙み砕いてみたところ、舌に触れる飴の表面積が増した結果か、甘さがより明確になった。
実はパッケージの表にはこの飴の存在意義というかターゲット層についての言及が。そこには「甘い物が苦手な方に」「糖類が気になる方に」「香りを気にせずお口を潤したい方に」とある。おおむねこの通りだと思う。
・満員電車で推奨したい
特に3番目は個人的に強いと思う。冬になるにつれて空気が乾燥してくると、口内の渇きに対処するために飴を食べる方も増えるだろう。屋外ならどんな飴でもいいと思うが、目の前の知らないヤツとキス3秒前な密着度を強いられる満員電車ではこの飴を推奨したい。
そういう時に香り付きの飴を食われると、降りるまでずっと身動きできないまま、知らない他人の口と鼻から漏れ出る飴フレーバーの空気を吸引不可避にされて不快感がヤバいからな。
たとえ飴そのもののフレーバーはフルーティでも、他人の口から出ているという認識が伴われると不快感がぶっちぎるというもの。『味のしない? 飴』がほのかに甘いことは確かだが、匂いに関しては皆無と言っていい。
私はこの通り、他人と密着状態を逃れられない密室でにおいのするものを食べた場合の周囲の不快感をよく認識しているので、自身が口内の渇きに見舞われても、においのするものを口にすることは絶対にない。
従来は気合で耐える1択だった。が、この飴があるなら選択肢が広がる。確かに「味がしない」の方がキャッチーだが、こいつのガチに実用的な側面は「無臭」ではなかろうか。いやー、この飴は総選挙の結果がどうあれ恒常化してほしいっす。