1995年に販売され、ドイツ年間ゲーム大賞やドイツゲーム大賞など、著名なボードゲームの賞を総なめにした人気ボードゲームが「カタンの開拓者たち(カタン)」のタイルやコマを立体的なものに置き換えた豪華版「カタン 3D版」が2021年9月17日に登場します。今回、この「カタン 3D版」を一足先にプレイする機会を得たので、実際に遊んでみました。
カタン 3D版
http://www.gp-inc.jp/boardgame_catan_3d.html
カタン 3D版の化粧箱はこんな感じ。サイズは幅465mm×高さ335mm×奥行き130㎜。
身長151cmの編集部員が抱えたところ。
重量は実測で3.65kgでした。
ルール自体は通常のカタンと同じ。対象年齢は10歳以上、プレイ人数は3~4人、プレイ時間は60分を想定。
箱を開けるとこんな感じ。
なお、内箱にはフタがついているので、普段保管する時はわざわざ化粧箱に戻さなくとも、このフタを閉めればOK。
3D地形タイルはこんな感じ。上段が森林・畑・牧草地で、下段が山地・丘陵・砂漠です。
かなり細かいところまで作り込まれている上に、すべて塗装済み。牧草地には羊の群れがありました。
畑は半分ほど刈り取られており、麦わらの束が置かれているのがわかります。
険しくそそり立つ山地と、ゆるやかな丘陵。
3D地形タイルの裏にはカタンのロゴが刻まれていました。立体デザインはカタンの生みの親であるクラウス・トイバー氏が自らの手で彫刻したものがもとになっています。
横から見ると、その立体感がよくわかります。
その3D地形タイルを取り囲む海フレーム。
港になる場所は入江になっていて、海沿いに木が生えていたり小島が浮かんでいたりしています。また、海の部分にも凹凸が作られており、波を表現するために青と白で細かく塗り分けられています。
そして、資源を交換できる港を示す船のコマ。上段は特定の資源を2:1のレートで交換できる専門港、下段は任意の資源を3:1のレートで交換できる一般港のコマ。
専門港のコマを見ると、船の上に羊や鉄、麦などの資源が2つずつ載っています
一般港のコマには、木箱が3つ載っていました。
プレイヤーが使うコマは白・赤・青・黄の4色。
左から街道、開拓地、都市のコマ。石畳の模様や屋根、窓枠など、非常に細かいところまで立体で忠実に再現しています。既にスミ入れもされている状態なので、何もしなくてもその立体感はかなりのもの。
そしてプレイ中にボードの上を動き回る盗賊のコマはこんな感じ。3人組で、一番背の低い盗賊が羊らしき動物を抱きかかえています。
プレイに使うサイコロは赤と黄の2色。サイコロの目はよく見るとカタンのタイルと同じ六角形になっており、1の目には「CATAN」と刻まれています。
数値トークンはこんな感じで、るプラスチックでできています。書かれている数字はサイコロの出目の和と対応しており、下に描かれているドットの数は確率の大きさを表わしています。例えば、最も出やすい6や8はドットが5個刻まれていますが、最も出にくい2はドットがたった1個しかありません。
数値トークンはおはじきのような形状で、周囲が映り込むほどツヤがあるので、どことなく高級感があります。
そして、ゲーム中に使うカード。資源カードと発展カードの2種類があります。
プラスチック製のカードトレイが2つ。カードトレイには以下のようにカードを載せることができます。
そして、厚紙製の建設コスト表と「最大騎士力」カードと「最長交易路」カード。
さっそく4人でプレイしてみます。本来は地形タイルや初期の開拓地と街道の設置を行いますが、今回は「最もバランスが取れている」という初期配置が説明書に掲載されていたので、その通りに並べてみました。
資源カード5種類と発展カードの山札をカードトレイに並べ、ボードの横に置いておきます。この山札を載せたカードトレイは、ゲーム中では「銀行」と呼ばれます。
最長交易路カードと最大騎士力カードをボードの横に配置。
そして各プレイヤーに街道・開拓地・都市コマと建設コスト表を配ったら準備完了。
ゲームの進め方は従来のカタンと同じで、非常にシンプル。プレイヤーは自分の手番に2つのサイコロを振り、得た資源を使って建設しながら、自分の街を広げていき、最終的に勝利点が10ポイントになったプレイヤーが勝利となります。
サイコロを振ると3と3だったので、出目は合計の6。
すると、ボード上の数値トークンで「6」のタイルから、対応する資源が生まれます。以下では、右下にある畑に6のトークンがあります。この畑には黄色の開拓地が隣接しているので、黄色プレイヤーが麦の資源カードを1枚ゲットできます。6はサイコロの出目の中でも特に出やすい目なので、黄色プレイヤーは麦を比較的多くゲットしやすい状態。
ただし、サイコロで7が出てしまうと……
中央の砂漠にいた盗賊が動き出してしまいます。7を出したプレイヤーは、盗賊を好きな位置に動かします。盗賊がいる場所は、サイコロで目が出ても資源を生み出すことができません。また、手持ちのカードが8枚以上のプレイヤーは半分を捨てなければならず、盗賊はゲームの流れを一気に乱す存在です。
さらに、7を出したプレイヤーは盗賊を置いたタイルに開拓地か都市を隣接しているプレイヤーの1人から、1枚だけランダムにカードを奪うことができます。今回盗賊の被害に遭った黄色プレイヤーは麦の資源を生むタイルが無効化された上に、手札の貴重な資源まで持っていかれるので、まさに泣きっ面に蜂といったところ。
そこで、麦の専用港に開拓地を建築していた黄色プレイヤーは、余った麦素材2枚を……
羊に交換します。不足する資源は他プレイヤーと交渉して交換してもらうことができるのがカタンの肝ですが、今回は誰も交渉のテーブルについてくれないので、自分でなんとかしなければなりません。麦を手に入れやすい黄色プレイヤーは「麦の専用港をゲットすればどうにかなる」と考えていましたが、盗賊によって麦が止められてしまうとお手上げ状態。
羊・鉄・麦を1枚ずつ支払うことで……
発展カードを1枚引くことができます。
そして引いてきたカードは「騎士」カード。この騎士カードは盗賊を移動させることができます。これで黄色プレイヤーはどうにか麦不足から解放されます。
騎士の効果で、盗賊を別の場所に移動させます。盗賊は出ると非常にやっかいですが、騎士カードを使うことで意図的に相手を妨害できるので、使いようによっては強力な味方となります。
以下の場面は、青色プレイヤーが「土」と「木」の資源を1枚ずつ支払うことで、街道を1つ設置したところ。
資源をゲットするためには開拓地を建設しなければならず、開拓地は自分の街道がつながっている場所にしか建設することができません。そのため、カタンにおいては街道をどのように延ばしていくかを考えることも戦略上非常に重要です。以下の場面は、赤色プレイヤーが街道を勢いよく延ばしているところ。最大で6つの街道がつながりました。
街道の長さが5本を超えたので、「最長交易路」カードをゲット。
さらに麦2つと鉄3つを支払い……
開拓地の1つを都市にアップグレードします。開拓地が都市にアップグレードすると、勝利点を1つにつき2ポイントもらえる上に、資源をもらえる量が倍になります。
赤色が一気に点を伸ばしたところを見て焦る他のプレイヤー。白色プレイヤーは木3つと土3つを支払い……
一気に街道を3つ建設し、街道を7本に延ばしました
「最長交易路」カードは、街道を最も長く延ばしているプレイヤーの手に渡ります。今回、白色プレイヤーは赤色プレイヤーよりも長く街道をつなげたので、勝利点2ポイントとなる「最長交易路」カードを奪うことに成功しました。
しかし、この時点で赤色プレイヤーは開拓地3つと都市2つを建設済み。勝利点に換算すると1ポイント×3+2ポイント×2=7ポイントを獲得している状態。
そこで、赤色プレイヤーは一度に発展カードを2回引くという作戦にでました。
発展カードの中には勝利点に直結するカードも存在します。一度に2枚の発展カードを引いた結果、もともと持っていた1ポイントの発展カードをあわせて3ポイントの勝利点を獲得し、見事勝利点が10ポイントに到達。赤色プレイヤーの勝利で終わりました。
カタン 3D版は通常のカタンと全く同じルールなのですが、やはり豪華に立体化した地形タイルやコマを使うので、テンションがめちゃくちゃ上がります。過去にカタンをプレイしたことがある編集部員からは「街道のコマが本当に街道のようなデザインになっているので、つなげていくとワクワクした」「ミニチュアがよくできているので、普通のカタンよりも建築する時に想像力がかき立てられる」という感想もありました。一方で、開拓地と都市のコマが一目だと見分けづらかったり、立体的になったことで座った状態だと街道や開拓地が見えにくくなったりすることもあり、どうしても視認性は下がる部分はあるというコメントも。プレイする時は座ったままプレイするよりも、イスから腰を上げて立つなどして、ボードを上からしっかりと見えるようにしてプレイするのがよさげです。
カタン 3D版は2021年9月17日に数量限定で発売されます。メーカー希望小売価格は税込4万700円です。また、Twitterでは2021年8月31日までの期間限定で、1名限定でカタン3Dがゲットできるキャンペーンも展開されているので、気になる人はチェックしてみてください。
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