カルピスの生みの親は……三島海雲だ。カルピスの誕生日は7月7日。あの独特の香りと味わいは2度の発酵によって生まれている。最初の発酵で「上質な酸味」と「カラダにうれしい成分(カルピス酸乳)」ができ、2度目の発酵で「芳醇でさわやかな香り」が生まれる。
なぜ私がそんなにカルピスについて詳しいのかというと、カルピスの聖地「アサヒ飲料 群馬工場 カルピス みらいのミュージアム」で歴史あるカルピスの世界を体感しまくったからだ。無料で楽しめるうえに試飲もできて最高。せっかくなので皆さんにも紹介したい。
・カルピスミュージアム
カルピス誕生100周年を記念して2019年にオープンした「カルピス みらいのミュージアム」。見学ツアー(所要時間約90分)は事前予約制で、定員は最大20名。かなり人気があるため予約を取るのは大変なのだが、その分かなり内容の濃いツアーとなっている。
東北自動車道の館林ICから車で25分ほどの場所にある工場。エントランスには高さ約4メートルの巨大なカルピスボトルが立っていた。このオブジェに近づいてみると……
のぞき穴を発見。気になったので中をのぞいてみると……
…………
星空に初代カルピスが現れた。一体どういう意味なのだろう。
・カルピスの世界へ
謎を残したまま見学ツアーはスタート。まずはアニメーション作品の上映。カルピスの生みの親・三島海雲が内モンゴルで遊牧民の飲み物「酸乳」と出合い、それをヒントにカルピスを開発したことが紹介される。ざっくり流れを説明すると……
三島海雲は遊牧民にすすめられた酸っぱい乳を飲み続けたところ、長旅で弱っていた胃腸の調子が整い、体も頭もすっきりしたという。しかも美味しいってマジかよ……ってことで帰国後に乳酸菌の研究を続け、日本初の乳酸菌飲料「カルピス」を完成させたそうだ。
つづいて歴代のパッケージや広告を展示するギャラリーを見学。紙に包まれているボトルも初代カルピスウォーターも懐かしい。ってか、今のカルピスは包装紙に包まれていないのか。
そのままカルピスの製造工程の解説を聞いた後、発酵の過程を映像と “香り” で体験することになる。おそらく誰でも、ひと通り見学を終えた頃にはカルピスマスターになっていることだろう。
最後に製造ラインを見学(撮影不可)してから「カルピスラボ」で試飲をしてツアーは終了。学びまくってから飲む1杯のカルピスはマジで激ウマ。まさに究極のカルピスだった。機会があれば、ぜひ三島海雲を思いながら飲んでみてほしい。
・お土産
ちなみにギフトショップを利用できるのは、見学ツアーに参加した方だけ。知る人ぞ知る激レアドリンク「カルピス北海道」も買えるのでファンなら確実にゲットすべし。北海道の生乳だけを使った贅沢なカルピスだ。ギフト限定だからなかなか手に入れることはできない。
ちなみに見学ツアーに参加して感覚を研ぎ澄ませた状態で飲んでも……ノーマルカルピスとほとんど味の違いが分からなかったが、北海道カルピスはやや甘くまろやかな気がした。
とにかく大人も子供も楽しめる大人気見学ツアーなので、興味があれば早めに予約をした方がいいだろう。思い返してみても、カルピスの原液レベルで濃厚なツアー内容だった。この夏の思い出にぜひ!
・今回ご紹介した施設の詳細データ
名称:カルピス みらいのミュージアム
住所:群馬県館林市大新田町166
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.