つい先日、姫路でご飯を食べようと店に入った。席に着くと近くに座っていた観光客らしき人が「おでんと……ちゃんぽん下さい。食べてみたかったんです」と、店員さんに伝えている。
姫路おでんは名物なのでわかるが、ちゃんぽんなんてどこで食べても大差ないのではないか。不思議に思いながらも、お腹が空きすぎて考えるのが面倒だった記者は便乗してちゃんぽんを注文。
ほどなくしてやって来たちゃんぽんの姿は、想像していたものではなかった。なんじゃこりゃあ……というか、よく知ってる “アレ” じゃないのかコレ……!!?
・ちゃんぽんはちゃんぽんでも、そっちのちゃんぽん
姫路のちゃんぽんは、店によっては「ちゃんぽん焼き」と表記されるらしい。むしろそちらの方が一般的であるようで、なによりしっくりくる。
何故かと言うと、姫路のちゃんぽんは焼いてあるからだ。どんな見た目かというと上に書いた通りで、みなさんよくよくご存じのアレ。
そう、ピンときた方もおられるだろうが、焼きそばにそっくりなのだ。というか、これは焼きそばと言い切ってしまっても良いレベル。全くちゃんぽんの要素がないのではと思い、しばらく見つめてみたところ……。
いや待てよ。ただの焼きそばではなさそうだ。どうやら麺に特徴があり、細麺と太麺の2種類が入っている。食べた感じでは、焼きそば麺とうどん麺だ。
なるほど。そうであるならば、この場合のちゃんぽんは「酒をチャンポンして気持ち悪い~」などの時に使う、ちゃんぽんなのだろう。異なる種類のものをごちゃ混ぜにした、という意味と推察する。
店員さんに聞いてみると「その通り!」とのことで「このあたりではメジャーな食べもの。人気です」と教えてくれた。
店によって具材は様ざまらしいが、記者がいただいたところでは野菜と牛スジ肉が入っていた。味はソースが主流だが、塩もあるのだとか。
同じ関西圏で暮らしていながら、こんなちゃんぽんが存在していたとは知らなかった。世界はまだまだ知らないことであふれているなあ。
・うどんの主張が強い
店と同じ味とはいかないまでも、これならば家でも作れそうだ。そう考えた記者はさっそく野菜と肉、そして焼きそば麺とうどん麺を用意。
油をひいたフライパンで具材を炒め、麺を投入。ソースをドバっとかければ完成だ。作って気が付いたが、袋麺を使った場合、どうしたって2人前できてしまう。
半分だけ取り分けておいても良かったが、賞味期限など気になるしで、2人分作り2人分食べることにした。量が気になる人は誰かとシェアする、または2回に分けて食べるようにするべし。
さて、肝心の味だが食べ慣れた味で美味しい。そして店で食べた際は新しいちゃんぽんとの出会いに動揺していて気が付かなかったが、麺が太い分うどんの主張が強めだ。
注意していないと焼きそば麺が、もやしのように感じられてくるから不思議である。当然ながらガッツリしていてボリュームたっぷりで、大満足だ。
よく食べる人が家庭内にいる場合、「姫路のちゃんぽん」はかなり重宝することを確信した次第。ものは試しに一度チャレンジの上、誰かとシェアしてみてはいかがだろう。その際には「これ、ちゃんぽんなんやで」とドヤることも忘れずにな!
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.