【異次元】厚労省が「子供3歳まで在宅勤務」を企業の努力義務に → ちょうど2歳児を自宅保育中だけど、マジで何も分かってなくて絶望した…

ロケットニュース24

昨日、Twtterのトレンドをにぎわせた「在宅勤務」というワード。日本経済新聞が2023年5月16日に伝えたところによると、厚生労働省は3歳までの子供がいる社員がオンラインで在宅勤務できる仕組みの導入を、省令で企業の努力義務とするそうだ。

ちょうど我が家には2歳の娘がおり、夫婦ともに(ほぼ)在宅勤務である。まさに厚労省が目指す状態そのものと言っていいだろう。そんな私(あひるねこ)が今回のニュースを聞いて感じたのは、マジで何も分かってないんだなという、底なしの絶望だけだった。

・保育園に入れない

私事だが先日、東京都内で引っ越しをした。それまで子供は認可の保育園に通わせていたのだが、引っ越し先では認可はおろか、認可外の保育園まで完全に全滅でそのまま待機児童に。

この記事も、自宅のリビングで子供の面倒を見ながら何とか書いている。新宿にある編集部に行くのは週2回程度といったところか。一方、同じくフルタイム勤務の妻は、オフィスに出社にすることはほとんどなく、基本的にすべてテレワークだ(今は)。

私が家にいない日が週に数日あるとはいえ、子供がいるのにテレワークができない人からすれば、だいぶ恵まれた環境なんだろう。ただ、「これで仕事と育児が両立しやすくなるはず!」と本気で国が思っているのだとしたら、それは大きな間違いとしか言いようがない。

・S級クエスト

今回、自宅保育を余儀なくされてハッキリと分かった。3歳までの子供の世話をしながら仕事をするなんてのは、業種によって差はあれど、ほぼ無理ゲーに等しいのだ。想像してみてほしい。小学生ならまだしも、まだオムツも取れていないような幼児である。目を離せるワケがなかろう。



ご飯もおやつも遊びもウンチもお昼寝も、何をするにもサポートが必要で、もちろん「パパ、お仕事だから」は通用しないから一緒に遊びたがる。この日は朝からプラレールの組み立てを強制された。拒否権はない。拒んだ瞬間、号泣である。

我々夫婦としても、なるべく一人で遊んでもらうためにいろいろ環境は整えたつもりだが、やはりどうしても長く続かないのが現実だ。まあ子供からしたら、ママとパパが常に近くにいるのだから、一緒に遊んでもらいたいと思うのは当然だろう。

それは妻と私だって同じで、朝から晩まで子供のそばにいられるのは最高に幸せだ。しかし、そこに仕事が絡んでくると話が変わってくる。ハッキリ言おう。まったく仕事になんねぇ……! ほら、気付いたらもうこんな時間である。頼む、頼むから仕事をさせてくれ。

・一番大事なこと

改めて思う。子供を朝の8時台から夕方6時近くまで預かってくれる保育園の存在は、仕事をしながら育児をしていく上であまりに……あまりに大きかった。我が家の場合、両親や親戚のサポートがないのでなおさらである。

つまり何が言いたいのかというと、子育て支援において今、何よりも優先すべきは保育園の整備であって、在宅勤務の導入やら企業の努力義務云々なんてのは、今さら高らかに宣言するようなことじゃないだろってことだ。

そんなのこっちからしてみれば、「今後は蛇口をひねったら……水が出るようにします! 頑張って実現させます!!」と言われているようなものである。いや、もちろん大事なことだけど、え、そこから? まだそんなレベルの話をしてるの? 遅くね?



・衝撃の発言

日経新聞は今回のテレワーク推進について、「保育所の整備や育児休業といった従来の両立支援に対し、復帰後を支援する補強策といえる」としている。ここだけ読むと、 “3歳まで在宅勤務” とは別に、保育園の整備自体は着実に進んでいそうだが、個人的にはどうもそうは思えない。

これは先日、妻が役所の保育課に今後のことを相談しに行った時の話である。現在の八方塞がりな状況を伝えたところ、担当した職員からこのように言われたそうだ。


「役所で案内できることはない」

「保育園を新設する予定もない」

「受かることを祈るしかない」


まさかの「ない」3連発──。これが異次元の少子化対策なのだとしたら、たしかに異次元としか言いようが「ない」。特に2番目の回答には驚かされた。いや予定ないんかいと。動いてないんかいと。じゃあもう無理やないか!

・ほぼ詰み

役所の人のせいではないのだが、あまりにも悲惨な現状に私は自分たちだけでなく、これから子育てを始める人たちのことまで心配になってしまった。

在宅勤務は小学生くらいの子供がいる家庭にとってはメリットが大きいだろうが、3歳までの子供がいる家庭にとっては、実はそこまで重要というワケではない(もちろんできた方がいいけど)。保育園に入れないことの方が遥かに死活問題なのだ。



こういうことを書くと、「ウチは保育園に入れなかったし在宅勤務でもなかったけど、それでも頑張って育てました」みたいなことを言ってくる輩が必ず現れるが、そういった「今のままでも何とかなる」的な声は、若い世代、そして我々の子供たちの世代にとって、百害あって一利なしなので即滅却した方がいいだろう。

とまあ、いろいろ言ってきたが、とにかく保育園の整備だけは大きな危機感を持って進めていただきたいものだ。保育士さんの待遇をもっとよくしてくれ。先生たちの存在がいかに社会にとって必要不可欠であるかを、今すぐ再確認してくれ。どうなっても知らんぞォォォォオオオオ!

当の我が家はというと、すでにそろそろ限界であるが、少なくとも私はこの苦労を次の世代に味あわせたくはない。そのためにも、今は声を上げ続けるしかないのである。

参考リンク:日本経済新聞
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

Source

タイトルとURLをコピーしました