オール白和え定食

デイリーポータルZ

ふだん家であまり作る習慣のない料理「白和え」。ところがこれが、めちゃくちゃお手軽で美味しい料理だということに最近気づきました。

そうだ、今日のお昼は、お盆の上、すべてが白和えの「オール白和え定食」を作って食べよう!

1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。

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初めての白和え作り

和食の世界に、「白和え」っていう料理があるじゃないですか。ほうれん草の白和えとか。

その白和えを、ふだんから頻繁に作っているという方っています? そりゃまぁ、いるはいるでしょう。けど、そんなに多くはないんじゃないかな?

どちらかと言うと、ちょっと小粋な和食屋とか、旅館の料理のなかの1品として、小鉢で出てくるものっていうイメージがありません?

ところが先日、わけあって白和えを、生まれて初めて作ってみたんですよ。そうしたら、簡単でものすごく美味しいんですよね! それもそのはずで、よく考えると白和えの「白」要素って、ずばり「豆腐」。豆腐大好きっ子の僕が嫌いなわけがない。

調べてみるともちろん、いろいろなレシピが見つかるんですが、その最大公約数的な部分を抽出し、超ざっくりと作りかたを説明すると、こうなります。

「水切りして潰した豆腐に、練りごま、塩、醤油などを加えて味を整え、好きな食材とあえるだけ」

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こられを混ぜるだけで
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白和えのもとが完成

というわけで今回は、今まで自分の人生における密度が極端に薄めだった“白和え要素”を一気に取り戻すべく、お昼ごはん1食丸々白和えの「オール白和え定食」を作って食べてみたいと思います。

どこまでも白い世界

それじゃあいきますよ、せーの……

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どん!

せっかくなので、より白和え感を強調するため、すべて白い食材で作ってみました。どうです? いい白さでしょう。

ひとつひとつ解説しますね。

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メイン「豚ばら焼肉の白和え」

軽く塩をふった薄切りの豚ばら肉を焼いて白和えにいたしました。焦げ目がついてしまうとせっかくの白さが弱まりますので、メイラード手前で調理を止めてございます。

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副菜「豆腐の白和え」

角切りの豆腐を白和えにいたしました。一度は別れたふたりが数分後に再会した、ドラマチックな1皿でございます。

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お漬物「らっきょうの白和え」

市販の甘酢ピリ辛らっきょうを白和えにいたしました。私の好みは塩らっきょうですが、シンプルな調理法ゆえ、味にメリハリをつけるべく。

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汁「みそ汁の白和え」

別名「崩し豆腐のみそ汁」でございます。

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主食「ごはんの白和え」

せっかくなので、炊きたてのごはんも白和えでどうぞ。

という感じ。ほんじゃあ、

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いただきま~す!

……と、実際にオール白和え定食を食べてみた感想ですが、大前提としてどれもちゃんと美味しかったです! その上で、各感想としては、

・豚ばら焼肉の白和え
これはいい! 肉の表面をコーティングした豆腐が、肉のクセを上品にマスキングし、さらに、肉自体がとろっと柔らかく感じる。もっと攻めた味つけ(スパイス系など)と合わせて、掘ってみてもいい世界かもしれない。肉の白和え。

・豆腐の白和え
冷奴でもないし、けど味は完全に豆腐だし、新しい豆腐料理という感じがする。もう少し味を濃くするなり、なんらかの薬味か珍味などを加えると、ものすごい日本酒のつまみに化けそう。

・らっきょうの白和え
らっきょうの味が強く、あまり融合感はない。そのぶん、とろりとした豆腐のなかかららっきょうが登場する瞬間に、いつもよりくっきりとしたらっきょうの味、香りを感じる。ぜんぜんあり。

・みそ汁の白和え
もう一歩物足りないか。もちろんうまいけど、豆腐をみそ汁に入れるならば、素直に角切りがいいかも。ただ、二日酔いの朝とかにはめちゃくちゃ沁みそう。

・ごはんの白和え
そもそも豆腐をおかずにごはんを食べるのが好きなので、味は大好き。なので、単体ではうまいんだけど、その他のおかずの受け皿として考えるならば、やっぱりふつうのご飯に軍配が上がる。

といった感じでした~。

肉の白和え、豆腐の白和えあたりに、まだまだ鉱脈が眠っている気がします。

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