【CEOに聞く】 フルビューティーブランズ 、プラスサイズのエロクイ買収:手薄の若年層市場開拓

DIGIDAY

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フルビューティーブランズ(FullBeauty Brands)は4月21日金曜日、プラスサイズのオンラインアパレルブランドのエロクイ(Eloquii)を、非公開の金額でウォルマート(Walmart)から買い取ることに合意した。

フルビューティーブランズは、スイムスーツフォーオール(Swimsuits For All)、キングサイズ(King Size)、キャサリンズ(Catherines)などのサイズインクルーシブなブランドを抱えており、エロクイを獲得したことで、プラスサイズカテゴリーにおける同社のポジションがさらに強化されると語る。エロクイの共同創業者でブランドリーダーのジュリー・カーネベール氏は今の職位を維持する。同社の最先端の品揃えにより、若い買い物客のあいだで自社のプレゼンスが成長することを、フルビューティーは期待している。

エロクイは、ウォルマートが自社のD2Cポートフォリオから手放した最新のブランドだ。ウォルマートは4月、男性向けファッションブランドのボノボスをエクスプレス(Express)とWHPグローバル(WHP Global)に合計7500万ドル(約102億円)で売り渡し、2月にはアウトドアブランドのムースジョー(Moosejaw)をディックススポーティンググッズ(Dick’s Sporting Goods)に売却した。ウォルマートはエロクイを2018年に1億ドル(約136億円)で購入したと報じられている。

1901年に創業したフルビューティーは、年間10億ドル(約1360億円)の収益を得ている。同社は5月中旬に契約を締結できることを期待している。その1カ月後には新しい「デジタルモール」の開設を計画しており、エロクイはそのアンカーテナントとなる。このデジタルモールでは、買い物客がひとつのショッピングカートでブランドを横断して買い物することがができ、決済の体験がよりシームレスになる。

エロクイはソーシャルメディア、およびセレブリティやインフルエンサーとのコラボレーションを通じて独自のフォロワーを獲得しており、フルビューティーはそれを活用する計画だ。たとえば、3月には、インフルエンサーであるガビ・グレッグ氏(@GabiFresh)と提携して、水着コレクションを発表した。

フルビューティーブランズのCEOを務めるジム・フォガティ氏は、エロクイについての計画と、この買収がどのように成長を促進するかについて、米モダンリテールに語った。以下の対談内容は、簡素化と明瞭化のため編集が加えられている。

フルビューティーブランズがエロクイを獲得した理由は何か?

どこの企業にも、もし機会があれば、買収を検討したいブランドや企業のリストが少なくとも存在するはずだ。エロクイは常にそのリストに入っていた。我々はこのブランドと、顧客を大切にする姿勢について、多くの敬意を抱いてきた。

もちろんエロクイと当社は、インクルーシブサイズについて基本的な使命を共有している。しかしそれだけでなく、同社は顧客からの声に非常によく耳を傾けていた。つまり、同社はとてもデータドリブンだった。

同社は非常に直接的に顧客をフォローできる。同社の顧客層は若いため、これは絶対に必要なことだ。その点、同社はそれを非常にうまく行っている。

買収後、エロクイの運営はどのように変化するのか?

同社のチームは消費者を本当に理解しているため、我々は謙虚な態度でこのブランドに接する。特に、同社の商品、マーケティング、クリエイティブ、デザインのチームは本当に消費者に寄り添っている。

当社は、彼らが消費者に対して現在行っているサポートだけは確実に続けていきたい。そのため、サポートは可能な限りシームレスなものにしたい。エロクイの顧客は、この買収がニュースになったということを除いて、買収が起きたことさえ気づいていないだろう。

エロクイは、若い層の消費者にリーチするというフルビューティーの総合的な目標の一部のようだ。これらの層に対して、どのような機会があると考えているか?

当社はベビーブーマー世代とX世代を中心にしている。そのため、当社が望んでいたことのひとつは、若い層に対してより優れたサービスを提供し、この層の顧客を増やすことだ。既存のブランドは、従来のターゲットである消費者にサービスを行うように作られており、その部分では優れた働きを見せているため、若い層にサービスしようとしても意味がなかった。

エロクイによって、X世代やミレニアル世代の顧客に対する、より優れた取り組みが可能になる。そして、当社のブランドの多くと同様、多様性のあるブランドでもある。

エロクイがフルビューティーに加わった後、最初の年に優先して取り組むのは何か?

全体的に、このブランドには、消費者の要望に応え続け、それによって長期的に成長していってほしい。彼らの商品の品揃えには空白部分があり、その点で我々が支援できると考えている。当社は、フットウェア、水着、肌着のプラットフォームを構築してきた。

当社は、エロクイの消費者が必要とするような、隣接するアパレル分野での活動を加速させることができると考えている。当社はエロクイよりも幅広い調達基盤を保有している。それがエロクイの役に立つことを期待している。

彼らはアプリを保有しているが、若い消費者向けに作られており、彼らの事業に役立ってきた。我々はそこから学び、我々のほかのブランドにも取り入れるべきものかを見極めたいと考えている。我々はエロクイから学びたいと考えており、エロクイも我々から学んでくれたらうれしい。

エロクイは、ブランドのコラボレーションを見つけることに特に長けている。ソーシャルメディアで顧客とつながるのが非常に上手い。彼らはそれによって、市場で話題を呼び、自社ブランドへの関心を引き寄せることができる。

[原文: FullBeauty Brands CEO Jim Fogarty on acquiring Eloquii from Walmart]

Maria Monteros(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via FullBeauty Brands

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