AIが執筆した「クリエイティブシンキングを使って思考力をアップさせる方法」とは?

GIGAZINE
2023年04月28日 07時00分
メモ



何かを創作したり達成したりする際には、じっくり思考する必要があります。しかし、思考の仕方を間違えて悪い方向に掘り下げていくと、かえって泥沼に深く入ってしまい、創造的な思考を妨げてしまいます。カリフォルニア大学バークレー校でコンピューターサイエンスを学ぶリアム・ポーア氏が作成した、極めて高度な文章を出力するGPT-3で生成したブログ「Nothing but Words」では、AIが執筆した「正しく思考するためのクリエイティブシンキング」という記事が高い人気を集めました。

Feeling unproductive? Maybe you should stop overthinking.
https://adolos.substack.com/p/feeling-unproductive-maybe-you-should


GPT-3の高い文章出力能力に注目したポーア氏は、「GPT-3生成であることを明かさないブログを作成した場合、どれくらいの読者がAIによる文章だと気づくのか?」という試みを行いました。ポーア氏が2週間分のデータを集計したところ、ブログの閲覧者は2万6000人、有料の購読者は60人獲得できたほか、「AIが生成した文章なのでは」と指摘した人物は一人だけだったとのこと。

「あまりに高精度の文章を作る」として危険視されていた「GPT-3」の書いた記事がソーシャルニュースサイトの1位に浮上


その中で特に人気を集めたのが「考えすぎな状態を抜けて正しく思考するためのクリエイティブシンキング」という記事で、ポーア氏によると、ユーザーがトピックに投票できるソーシャルニュースサイト・Hacker Newsでは一時的にトップに上がったそうです。


記事ではまず、思考法には「クリエイティブシンキング」と「オーバーシンキング」があるとして、それぞれを定義しています。自分の精神をフル活用してこれまでになかったアイデアを思いつく、論理と理性を利用した精神活動が「クリエイティブシンキング」であり、他の誰かがすでに熟考したアイデアを考え出そうとする、非現実的でばかげたアイデアをもたらすのが「オーバーシンキング」とのこと。ビジネスプロジェクトや創作活動に際して、一日中取り組んでいるにも関わらず大きく前進しない時は「考えすぎ」な状態にあるため、脳は意識の特定の領域をシャットダウンし始め、より受動的になり、生産性を低下させるため、既存のアイデアをなぞるような「オーバーシンキング」に陥ってしまうと記事では述べています。

そのような「考えすぎ」のループから抜け出すために重要なのが「クリエイティブシンキング」だとしています。ゼロから物語や詩を書いたり、絵を描いたり、3Dモデルを作成したりといった活動をすることで、脳はより活発になり、固定観念にとらわれず別の視点から物事を見ることができるなど、新しいアイデアに対してオープンになると推奨しています。記事では「クリエイターなら、日頃からクリエイティブシンキングをしているはずです。クリエイティブシンキングをすればするほど、脳はアイデアを思いつくのが上手になり、プロジェクトに行きづまることも少なくなり、作業効率も上がります。さらに、脳がより注意深くなり、周囲に気を配るようになることで、疲れにくく、注意力が散漫になりにくいため、一般的に生産性が高くなります」と語っています。


記事では、クリエイティブシンキングの習慣を身に着ける一番重要な方法としては、「まず、クリエイティブシンキングをしてみることです」と述べ、毎日15分ずつでも執筆したり絵を描いたりしてみることで少しずつ習慣化することが良いとしています。一方で、時間が長くなりすぎると時間を費やしているだけでクリエイティブシンキングを発揮できなくなる傾向があるため、毎日2時間以上取り組むことは推奨しないそうです。時間が長くなってもクリエイティブシンキングを働かせたい場合は、執筆からお絵描きに切り替えたり、お絵描きから物語を考えたりと、他の形のクリエイティブシンキングに取り組むことも大事だと述べています。

他にも、物語で行きづまったら絵を描いてみたり、逆に絵で困ったらストーリーを考えてみたりと、多岐にわたるジャンルでクリエイティブシンキングを発揮させると、脳が様々な形の思考を関連付けるため理想的である、といった旨が語られています。クリエイティブシンキングのアイデアや、その活用法はかなりもっともらしく、実際にためになりそうなものに見えます。しかし、それぞれのアイデアや効果について根拠となる研究や情報ソースはまったく示されておらず、また「他のジャンルのクリエイティブシンキングを試した方がよい」という意図の内容を、ほぼ同じ例え話で3回繰り返しているなど、細かい違和感が含まれています。

ブログに対するコメントでは「AIによる文章だとは感じませんでしたが、嫌いな文章だとは思いました」「GPT-3は例を繰り返す傾向があるため、注意深ければ気づくことができます」と指摘する声があります。一方で、「AIによる文章と聞いたうえで読み返したら、何とか違和感がわかる程度でした」「今後、人間による文章でも、AIによるものだと疑ってしまいそうです」という意見もあるなど、ブログのもっともらしさに驚くコメントも寄せられています。

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2023年04月28日 07時00分00秒 in メモ, Posted by log1e_dh

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