運転手が背後に霊がいると感じ車が不思議な力でカーブの外壁に衝突した自損事故を裁判官が「実体験に基づく」と認めた事例がある

GIGAZINE
2023年04月27日 08時35分
メモ



事件・事故の鑑定・解析を行う一般社団法人法科学解析研究所は、公式サイトで交通事故鑑定の具体的な事例の一部を公開しています。その例によると、運転手が霊の存在を感じ、その後、車が不思議な力でカーブの外壁に激突したというにわかには信じがたい話を裁判官が認め、保険会社に修理代金の支払いを命じた事例があるそうです。

交通事故の鑑定事例⑤後部座席に憑いた霊に驚愕し自損事故に至った事例|FAL
http://fal.ne.jp/example5.html


この事例は8月に発生したもの。事故の結果、車両の左側面が側壁に接触しましたが、保険会社が修理代金の支払いを拒否したため、裁判になったものです。

なぜこのような事故が発生したのか現地を調査すると、当該道路は昭和45年に道路構造令が定められる前に作られたものだったとのこと。

道路構造例第十六条「曲線部の片勾配」では、車道・中央帯・車道に接続する路肩の曲線部には適切な片勾配を設けることが定められています。曲線部を走行する自動車は遠心力によって外側に引っ張られますが、適宜、曲線部の外側を高く内側を低くする、いわゆるバンクを設けることで遠心力を抑制し、安定して走行できるようになります。


ところが、この定めができる前の道路だった当該道路は、曲線部の外側が低く内側が高い逆バンク構造でした。逆バンク構造は、水はけの問題で設けられることがありますが、走行していると遠心力が強まる構造でもあります。

当該事例では、逆バンク構造によって車がひとりでに曲線部外側の側壁に引きつけられたと考えられます。

一方で、これでは運転手が感じた霊に説明がつきませんが、鑑定人が現地を調査したところ側壁の温度が極めて高くなっていたことがわかったとのこと。つまりこの事例では、運転手がサンルーフを開けて運転していたところ、サンルーフからちょうど後頭部あたりに向けて熱い外気が流れ込み、運転手はこれを霊だと感じて判断を誤ったと考えられるというわけです。

これを裁判で証言すると、裁判官は「証言にウソはない」と判断して話は実体験に基づくものだと認め、保険会社に修理代金を支払うよう命じたとのことです。

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