「郊外型SCテナントの定番」 ベッド・バス&ビヨンド が破産申請

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家庭用品小売のベッド・バス&ビヨンド(Bed Bath & Beyond)は、長年にわたる純損失と消費者習慣の変化を受け、数カ月の憶測を経て、破産を申請した

同社は4月23日日曜日、ニュージャージー州の連邦破産裁判所に連邦破産法第11条の適用を申請したと発表した。もし土壇場で買い手が見つからなければ、ベッド・バス&ビヨンドは清算され、破産手続き後に全360店舗は閉店することになる。

現在、ベッド・バス&ビヨンドのウェブサイトのトップにあるバナーには、「Thank you to all of our loyal customers,(すべてのお客様に感謝します)」と書かれており、「私たちは、事業縮小を開始するという難しい決断を下しました」と続いている。

そして、社長兼CEOのスー・ガブ氏は声明の中で、「我々の仲間、お客様、パートナー、そして私たちが奉仕する地域社会に深く感謝し、このプロセスを通じて奉仕することを固く決意し続ける。我々は、すべてのステークホルダーの利益のために価値を最大化するため、引き続き真摯に取り組んでいく」と述べている。

ベッド・バス&ビヨンド社は、乳幼児用品商品のバイバイ・ベイビー(buybuy Baby)もチェーン展開しており、メインブランドよりも好調な業績を維持している。同社は、小売事業を売却できない限り、バイバイ・ベイビーの120店舗もすべて閉鎖すると述べている。

郊外型SCの定番だった

ベッド・バス&ビヨンドは、2022年半ばの時点で全国に1000店舗近くを持ち、かつては郊外型ショッピングセンターの定番と言われていた。しかし、近年は買い物客の習慣が変化し、その足場を失いはじめていた。eコマースによって売上が減少し、また、顧客の行動の変化に敏感なD2C家庭用品ビジネスが急増したためである。

ベッド・バス&ビヨンドの第4四半期決算報告では、売上高は前年同期比22%減の20億5000万ドル(約2750億円)、純利益は前年同期比33%減の1億5900万ドル(約210億円)となった。第3四半期は、売上高が33%減少し、4億5000万ドル(約600億円)の営業損失を計上した。昨年1月には、1年前の4億500万ドル(約544億円)から、今年度9カ月間で11億ドル(約1480億円)の純損失を計上した。

しかし、財務上の問題は、売上や損失だけにとどまらない。直近の決算では、負債総額が21億ドル(約2820億円)、長期借入金が12億ドル(約1600億円)に達していた。2月1日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙は、同社が社債の利払いを怠っていると報じた。

盤石な収益源を確保できず

待望の破産申請は、ここ数カ月で全国のベッド・バス&ビヨンドの店舗が差し迫っているのに続くものだ。同社は1月30日、ベッド・バス&ビヨンドの87店舗、バイバイ・ベイビーの5店舗、さらにヘルスケア商品のハーモン(Harmon)の49店舗すべての閉鎖を行った。同社はメディア向けの声明で、「今回の店舗数削減は、現在進めている約15店舗の不採算のベッド・バス&ビヨンドの旗艦店の閉鎖プログラムを拡大するものだ」と述べている。

同社は2月、緊急株式売却で2億2500万ドル(約302億円)を調達し、今年中にさらに8億ドル(約1070億円)を調達できる可能性があると述べた。そのわずか2カ月後に、今回の倒産に踏み切ったということは、それは明らかに失敗だったということだ。

今回の発表は、数年にわたる純損失、新たな商品戦略、事業縮小を経て行われたものだ。ベッド・バス&ビヨンドは、経営陣の刷新や、さまざまなプライベートブランド戦略に加え、eコマースの改善、店舗改修、会員制プログラムの開始などの措置を講じた。しかし、その成果は、経営を好転させるのに十分な速度と規模ではなかったため、同社は収益性の高い収益源を持たないまま、負債を抱えることになった。

同社は声明のなかで、「投資会社シックスストリートスペシャルティーレンディング社(Sixth Street Specialty Lending, Inc.)から約2億4000万ドル(約322億円)のDIP(債務者占有ファイナンス)の約束を得た」と述べた。

法律事務所マックール・スミス(McKool Smith)のリストラクチャリング部門の代表で、この件とは無関係のジョン・スパラチーノ氏は、今回の申請に先立ち、同社が事態を好転させるためにできることはほとんどなかったといい、「特に債務の支払いが滞るようになってからは」と付け加えた。

さらに、「このような多額の負債を抱える企業にとって、本当のトリガーとなるのは、満期を迎えるか、多額の債券のクーポン(利札)支払い期限が到来しているか、多額の負債サービスの利子の支払い期限が到来しているかの、いずれかの時点だ。そのような事態が発生し始めたら、金融機関が破綻させる前に、破産しないようにする必要がある」と話した。

アドバイザーのチームを結成

ほかの選択肢を見つけるのは難しい。現在の財政環境では、新たな資本注入は難しいだろう。また、ブランドの至るところにクーポンがあるにもかかわらず、 「今すぐ問題を解決するために売ることはできないだろう」とスパラチーノ氏は言う。それでも、申請前の数カ月間、買い物客はテキストや電子メール、郵便でクーポンを受け取っていた。

しかし、連邦破産法第11条の適用を決定することは、軽々しくできることではない。今回のケースで、ベッド・バス&ビヨンドは、法律事務所のカークランド&エリス(Kirkland & Ellis)やコール・ショッツ(Cole Schotz P.C.)、コンサルティング企業アリックスパートナーズ(AlixPartners LLP)、金融グループのラザード・フレール&コーLLC(Lazard Frères & Co. LLC)とアドバイザーのチームを結成し、共同で計画を策定した。

スパラチーノ氏によると、この準備作業の一部には、債権者グループに働きかけて計画への賛同を得ることも含まれているという。ベッド・バス&ビヨンドの案件では、ベンダーや地主、在庫供給業者も主要なステークホルダーとなる可能性がある。

しかし、申請前に利害関係者と連絡を取ることで、同社は裁判官に提出するための確実な計画を保有ことができます。その計画の中には、店舗の閉鎖(破産によってリース契約を解除できる可能性があるため)や、負債を株式に転換して負債保有者を満足させるための資本構造の調整などが含まれるかもしれない。

スパラチーノ氏は、「既存の債務者の中には、第11条手続きの終了後、おそらくはるかにスリムな小売業を所有することになるだろう」と話した。

[原文:Bed Bath & Beyond files for bankruptcy]

Melissa Daniels and Cale Guthrie Weissman(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)

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