「経験ゼロから美容ブランドをローンチ。成長の鍵は資金調達方法とセフォラ協働」:チークボーンビューティ J・ハーパー氏

DIGIDAY

この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy」の記事です。 創業者のジェン・ハーパー氏にとって、2016年のチークボーンビューティ(Cheekb […]

創業者のジェン・ハーパー氏にとって、2016年のチークボーンビューティ(Cheekbone Beauty)のローンチのきっかけは、ちょっとした偶然の瞬間からだった。すべては、2015年1月に「リップグロスをつけた、褐色の肌とバラ色の頬の先住民の少女」の夢を見たときに始まった。同氏が当時禁酒を始めていたこと、自分の家系とオジブワ族文化について深く知るようになったことと共に、この夢が美容ブランドローンチのインスピレーションとなった。

美容ブランド創業の道のりはハーパー氏にとって容易なことではなかった。2016年以前、同氏の職歴は食品業界、特にシーフードを中心に関わっていた。美容業界では正式な経験はなかったが、ブランドを立ち上げ、成功させて、自分の先住民文化を讃えるという決意が最大のモチベーションだった。徹底的な調査と調達を通じて、ハーパー氏は2016年11月にD2Cブランドのチークボーンビューティをローンチした。

「思い返すと、もちろん違う方法で行いたかったと思う」と、ハーパー氏はGlossyビューティポッドキャストの最新エピソードで語っている。「だが、ブランド構築について固い決心を持ち、(物事を進めながらリアルタイムでビジネスのローンチ)方法を学ぶというやりかたで、本当に多くを学ぶことができた」。

2019年、チークボーンビューティのローンチ後、ハーパーは『シャークタンク(原題:Shark Tank)』に似た資金調達番組『ドラゴンズデン(原題:Dragon’s Den)』に出演した。オファーは受けなかったが、この出演はチークボーンビューティのブランド認知度を高めるのに役立った。 また、出演経験に加えて、ハーパー氏は世界初の先住民投資ファンドであるレイブンキャピタル(Raven Capital)とつながることができた。レイブンキャピタルは当初、ハーパー氏に35万ドル(約4714万円)を提供、チークボーンをプライベートホワイトレーベルから自社製品・パッケージの作成へと移行させた。この資金調達のおかげで、2020年3月、チークボーンビューティは最初の自社製品であるサステイン・リップスティック(Sustain Lipstick)をローンチした。

ハーパー氏はチークボーンビューティの今後の方向性に胸を躍らせているという。2021年にはセフォラカナダでローンチし、最近ではサーティーンルーン(Thirteen Lune)とのパートナーシップを確保した。このマーケットプレイスのサイトとJ.C.ペニー(J.C. Penney)の600店舗で取り扱われるようになる。チークボーンビューティは、小売の拡大のほかに、パッケージとクリーンな成分を通じて持続可能性のイノベーションにも取り組んでいる。

以下に、読みやすさのために若干編集して、ポッドキャストから追加のハイライトを紹介する。

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新規美容ブランドの資金調達方法

「(セフォラ)カナダのマーチャンダイジング担当バイスプレジデントとコンタクトを続けられたことはありがたかった。タイミングに恵まれた。当社の投資家は世界初の先住民投資ファンドのレイブンキャピタルだ。当社と同じ時期に起業しており、我々がカナダのメディアから注目されているのを見て連絡してきた。(レイブンキャピタルの創業者と私は)偶然オタワで同じイベントに参加していて、私がパネルで話していたところ、創業者のひとりから「我が社もスタートしたばかりだ。資金調達の支援ができると思うので、連絡を取り合おう」と言われた。(それと同時に)私は『ドラゴンズデン』に応募してオーディションを受け、タームシートを受け取った。最初にサステイン・リップスティックという名の口紅を作ることを計画して、実現した。製品は2020年3月にローンチした。(レイブンキャピタルから投資資金のオファーがあり)、レイブンキャピタルと協働し始めた頃、彼らは当社が行っていることを信じてくれ、転換社債として35万ドル(約4714万円)を提供してくれた。これは、基本的には株式に転換できるのを期待してのローンなのだが。転換社債のことはまったく知らなかった。(レイヴンキャピタルも)我々と共に成長してきた。いまでは、彼らは当社を全力で支援してくれる投資パートナーであり、現在約200万ドル(約2.7億円)を調達してくれている」。

セフォラでのローンチのインパクト

「2021年9月にセフォラとオンラインでローンチした。2021年11月にはカナダの旗艦店をはじめ5店舗で、1本のリップスティックを使った「Write the Story」というキャンペーンを行った。全国的なコマーシャルを作っただけではなく、先住民族が95%主導したこのキャンペーンにも取り組めたのは実に素晴らしい経験だった。(セフォラとの協働による)この成長を考えると、信じられないほどだ。私が多くを学んでいること、当社がビジネスとして、またセフォラと協働するスタートアップとして多くを学んでいることはセフォラに理解してもらっている。セフォラは当社を指導して、支援し続けてくれている。当社を始めた『理由』を振り返るとき、この経験を思い出す」。

[原文:Cheekbone Beauty’s Jenn Harper on launching a beauty brand with no experience

TATIANA PILE(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)


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