プライバシー重視のVPNサービス「Mullvad VPN」が捜査令状を持った警察から顧客データを守り通せたことを報告

GIGAZINE



スウェーデンのVPNサービスであるMullvad VPNが2023年4月20日に、警察当局による捜査を受けたものの、サーバーを押収されず顧客データも守秘したと発表しました。

Mullvad VPN was subject to a search warrant. Customer data not compromised – Blog | Mullvad VPN
https://mullvad.net/en/blog/2023/4/20/mullvad-vpn-was-subject-to-a-search-warrant-customer-data-not-compromised/


Mullvad VPNによると、4月18日にスウェーデン警察のナショナル・オペレーション・デパートメント(NOA)の職員6人が、捜査令状を携えてヨーテボリの事務所を訪れたとのこと。職員らは、顧客データが保管された機器を押収することを目的としていました。

しかし、Mullvad VPNはポリシーでユーザーデータを収集しないことを規定しています。そのため、Mullvad VPNは職員らに「目的のものが見つかると期待できる理由はないので、押収すればスウェーデンの法律違反となります」と主張しました。


その結果、職員らは顧客情報を含め、何も押収することなくMullvad VPNの事務所から立ち去りました。Mullvad VPNは、捜査当局が仮に何らかの機器を押収したとしても、顧客情報にアクセスすることはできなかっただろうとしています。

VPNは、その匿名性から犯罪に利用されることがある一方、セキュリティやインターネット上での自由な言論を守る技術という側面もあるため、利用者のデータは厳重に保管されることが期待されます。しかし、一度法執行機関の捜査の対象になってしまった場合、データやサーバーを守り切ることができないこともあります。

例えば、2020年には防弾ホスティングを提供していた3つのVPNサービスがユーロポールにより押収されています。

サイバー犯罪者御用達のVPNがユーロポールの「オペレーション・ノヴァ」により一挙に遮断される – GIGAZINE


また2022年1月には、同じくサイバー犯罪者に重宝されていたVPNサービスの「VPNLab」が、ユーロポールによって閉鎖に追い込まれました。

Unhappy New Year for cybercriminals as VPNLab.net goes offline | Europol
https://www.europol.europa.eu/media-press/newsroom/news/unhappy-new-year-for-cybercriminals-vpnlabnet-goes-offline


VPNサービスではありませんが、プライバシー重視をうたうメールサービスのProtonMailが、スイス警察の要請に応じてユーザーのIPアドレスを開示していたことが取り沙汰されたこともあります。

プライバシー重視メールサービス「ProtonMail」がユーザーのIPアドレスを当局に開示していたことが話題に、誇大広告との非難も – GIGAZINE


Mullvad VPNによると、捜査令状を持った法執行機関の職員による訪問を受けたのは、VPNサービスの運営を開始してからの14年間で初めてとのことです。

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