4月 地球月間 に応援したい。地球を大切にする、最新ビューティブランド8:クリーンビューティは業界全体の主流に

DIGIDAY

美容業界では、クリーンでサステナブルな成分・パッケージ・流通が最優先事項となっており、4月のアースマンス(Earth Month)のスタートにふさわしく、このムーブメントの最前線に立っているいくつかのブランドをここで紹介したい。

クリーンビューティという言葉の起源は90年代初頭にさかのぼり、美容においてはかなり有名になっている。だが、この言葉は誕生して以来、ひとり歩きしている。2022年、世界のクリーンビューティ市場は72億2000万ドル(約9469億円)と評価された。また市場調査会社リサーチアンドマーケッツ(Research and Markets)によると、2028年までには市場規模は少なくとも2倍になり、金額にして143億6000万ドル(約1.9兆円)に達すると予想されている。

「(クリーンビューティは)もはやトレンドではなく、むしろ業界全体が向かっているものだ」と、美容ブランドの創業者タタ・ハーパー氏は今年「ニューヨークタイムズ(The New York Times)」とのインタビューで語っている。「(その言葉を広めることは)美容業界が環境に及ぼす有害な影響を減らすために必要なステップだ」。

この言葉はまだ正式には定義されていないが、業界の専門家は、「クリーン」とみなされる製品は毒性がなく、有害な成分を含まず、ラベルに記載された通りの成分が含まれていると説明する。このガイドラインを基準に、EUでは1300種以上の成分の化粧品への使用を禁止している。またカナダでは、約500種類の成分の使用が禁止された。現在、米国では11種類の成分しか化粧品への配合を禁止していない。

クリーンビューティ運動と考えられているものが始まって30年近くが経ち、創業者や小売業者は、透明性のある美容を求める消費者が増加している傾向に乗じている。2014年、アニー・ジャクソン氏は、クリーンビューティの代表的な小売業者とされるクレドビューティ(Credo Beauty)をローンチした。また、2010年にカリフォルニア州ベニスに創業したポップアップ、デトックスマーケット(Detox Market)は、その後、国際的な市場へと拡大している。消費者の関心が高まった結果、レガシーとなる新しいクリーンなブランドも規模を拡大している。

クリーンビューティの未来が進化し続けるなかで、多くのブランドはその変化に対応するために成分や製品を調整している。黒人が経営する注目のクリーンなヘアケアブランドから、最近B-Corp認証を受けたパーソナルケアブランドまで、以下では、地球環境に配慮したおすすめの美容ブランドを紹介する。

ブリオジオ(Briogeo)

2013年にナンシー・トゥワイン氏が創業したブリオジオ(Briogeo)は、ほとんどのヘアケア製品にみられる主要な有害化学物質を使用していないことを誇りとしている。このブランドはテクスチャーのある髪を対象としているが、製品はさまざまなヘアケアのニーズに対応している。2022年5月、ブリオジオは美容企業ウエラカンパニー(Wella Company)に非公開の金額で買収された。ウエラのもとで同社は「クリーン」な製品を引き続き開発し、国際市場にブランドの足跡を広げていく予定だ。

ヴィントナーズ・ドーター(Vintner’s Daughter)

2013年にヴィントナーズ・ドーター(Vintner’s Daughter)を創業した際、エイプリル・ガルジューロ氏はブランドのコアバリューである社会的および環境的責任をすべての製品に浸透させることを確約した。その結果、ヴィントナーズ・ドーターは、カーボンニュートラル、プラチナグリーン認証、リーピングバニープログラム(Leaping Bunny Program)で取得したクルーエルティフリー認証など、すばらしい認証のリストを維持することに成功している。また、最近では、社会的・環境的パフォーマンスを評価するB-Corp認証も取得した。同ブランドでは10周年記念の一環として、「カテゴリーを定義する」新製品、アクティブリニューアルクレンザー(Active Renewal Cleanser)を発表している。

グロウンアルケミスト(Grown Alchemist)

グロウンアルケミスト(Grown Alchemist)は、科学的に革新的な成分で成功したサステナブルなスキンケアとボディケアブランドだ。このオーストラリアのブランドは、2008年にケストンとジェレミーのムイス兄弟が創業した。4月上旬、同ブランドは、スキンリニューアルセラム(Skin Renewal Serum)、スキンリニューアルデイクリーム(Skin Renewal Day Cream)、スキンリニューアルマスク(Skin Renewal Mask)の3つの新製品からなるスキンリニューアルシリーズを発売する予定。

コレス(Korres)

ギリシャのスキンケアブランド、コレス(Korres)は、成分からパッケージにいたるまで徹底してサステナビリティを最優先することに情熱を注いでいる。1996年にレナ・フィリッポウ=コレス氏とギオルゴス・コレスの夫妻が創業したコレスは、ホメオパシー療法、古代科学、バイオカルチャーからインスピレーションを受けている。コレスでは革新的な事業を通じて、ギリシャのユニークな植物相と農業コミュニティの保護や維持にも取り組んでいる。

セルフメイド(Selfmade)

2020年にステファニー・リー氏が創業したセルフメイド(Selfmade)は、美容のナラティブを変化させた。製造から流通まで、クリーンビューティムーブメントのニュアンスに臆することなく挑戦し、感情面やメンタル面の健康を柱とする製品をベースにしている。またセルフメイドはリサイクルされたパッケージを使用、消費者に対しサステナビリティへの取り組みについて透明性を保っている。

キッチュ(Kitsch)

キッチュ(Kitsch)は熱を使わないカールセットで知られる美容ブランドで、煩雑になりがちなヘアケアを再定義している。2011年にカサンドラ・サーズウェル氏が創業したこのブランドは、リーピングバニー認証を受けたシンプルで高品質な製品と、サステナブルなパッケージングに力を入れている。さらに、キッチュのボトルレスシャンプーやコンディショナーはすべて米国製で、使い捨てプラスチックの削減という目標に取り組んでいる。

ヘアストーリー(Hairstory)

ヘアストーリー(Hairstory)は存在そのものが環境に与える影響を理解しながらも、よりクリーンでサステナブルなブランドとなるべく積極的に取り組んでいる。毒性の少ない原料や、100%天然香料やオーガニック原料を選ぶことで、同ブランドは目標に向けて大きく前進している。2015年にイーライ・ハリウェル氏が創業したこのブランドは、できる限りクリーンであることを目指すだけでなく、社会への還元も行っている。すべてのニューウォッシュ(New Wash)の売上の一部は、水関連の環境保護NPOに寄付されている。

ユニコーングロウ(Unicorn Glow)

多くの美容ブランドとは異なり、ユニコーングロウ(Unicorn Glow)はクルーエルティフリーであるだけでなく、PETAにも承認されている。2019年にジョン・リー氏が設立したKビューティのメイクアップブランドは、遊び心のある製品と自然由来の成分で知られている。

[原文:Earth-conscious beauty brands to support this Earth Month]

TATIANA PILE(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)

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