セフォラ（Sephora）とTikTokは、マーケティングエージェンシーのディジタス（Digitas）とのパートナーシップにより、セフォラ x TikTokインキュベータープログラム（Sephora x TikTok Incubator Program）という新たな取り組みを3月13日に発表した。このプログラムは、若いブランドがTikTokでさらに成功し、インフルエンサーとよりうまく提携できるようにすることを目的としている。パイロット版は、2021年にセフォラのアクセラレートプログラムを完了した次のBIPOC創業ブランドでスタートする。イーデム（Eadem）、トピカルズ（Topicals）、ハイパースキン（Hyper Skin）の3ブランドだ。
プログラムは3つのセッションにわかれており、2回はZoomで、1回はTikTokのニューヨークのオフィスで行われる。セフォラとTikTokは、プログラム全体でブランドのメンターを務めるための実績あるクリエイターを3名起用した。エイミー・チャン氏（TikTokでは@bondenavant、フォロワー数160万人）、ロチョ・ロペズ＝ヒメネス氏（フォロワー数150万人）、ナイマ・タン氏（TikTokのフォロワー数、16万4000人）である。
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「クリエイターがアナリティクスモジュールを教えていると知ると、みな驚く。だがこのレベルの優秀なクリエイターは、多くの社内のソーシャルメディアチームよりもデータを理解している」と、セフォラのマーケティング・ソーシャル・インフルエンサー・バイスプレジデント、ブレント・ミッチェル氏は述べている。
イーデム、トピカルズ、ハイパースキンは現在TikTokではアクティブで、イーデムのフォロワー数は4万9000人、トピカルズのフォロワー数は3万5000人、ハイパースキンには1500人のフォロワーがいる。
TikTokは美容に関する検索エンジンのなかでもトップ
TikTok、ディジタス、セフォラのスタッフとともに、インフルエンサーのメンターは、ブランドに対して効果的なコンテンツ制作やコンテンツクリエイターとの提携についてアドバイスを行う。「セッション1では、TikTokでの戦略を立てるための教育に注力し、クリエイターメンターとのグループセッションやTikTokチームによるトレーニングを行う予定だ」とミッチェル氏は述べた。第2セッションは、「より大きなTikTokプランの構築」が中心となる。
「これは、TikTokとディジタスのチームが、全体的なマーケティングプランの開発と、一度にそのひとつの投稿だけでなく、TikTokを全体的なプランに投入するために活用することについて話す場となるだろう」とミッチェル氏は説明した。
「TikTokは、私のような年配のミレニアル世代には脅威に感じられるかもしれない。私は多くのコンテンツを消費しているが、ぜひとも仲間入りしたい」とイーデムの共同創業者であるマリー・クアディオ・アモウザメ氏は語っている。
トピカルズの創業者オラミデ・オロウェ氏は「TikTokは、美容に関するインターネット上の検索エンジンの中でもトップに位置するひとつで、教育とエンターテインメントが混在している。トピカルズは、成功する戦略を構築するための深い学びを得ているため、このプログラムから利益を得ることができる」と話した。
多様性における少数の声を高めるために
チャン氏、ロペズ＝ヒメネス氏、タン氏の3人は、ブランドのためのコンテンツを作成する予定はない。そのため、インキュベーターの主催者は「コミュニティクリエイター」を起用した。小規模で主にBIPOCのインフルエンサーから成るこのグループは、3つのブランドのためにコンテンツを制作し、プログラムから学んだことを実行できるようにする。
その役割は、プログラムの第3回目の最終モジュールで行われる。各ブランドは、6つのコンテンツを持ってプログラムを終了する。セフォラは、このパートナーシップに報酬が支払われるかどうかについては肯定も否定もしなかったが、「このプログラムは、アクセラレートブランドの創業者とコンテンツクリエイターにとって相互に有益だ」と述べた。
「これに参加したいというコミュニティクリエイター（の数）は圧倒的だった。何百人もの人々が、ブランドと一緒にこのような形で参加したいと思ったのだ。TikTokのクリエイターマネジメントチームがこのような支援や露出機会を提供し、またセフォラへの露出をも促すことができるのはエキサイティングな機会だ」と、ミッチェル氏は語る。
セフォラはこのプログラムについて、一般向けのフィードで伝える予定はないが、その結果得られたコンテンツをソーシャルアカウントに投稿することを計画している。
ミッチェル氏によれば、このプログラムは1回限りではない。セフォラにローンチした3つの新しいアクセラレートブランドで、四半期ごとに繰り返す予定である。
セフォラにとってその目的は、ブランドのコンテンツのレベルアップを支援するとともに、BIPOCが創業したブランドとBIPOCのクリエイターに光を当てることだとミッチェル氏は言う。
「これは、セフォラのソーシャルとTikTokの日々の目標である、美容やあらゆる種類の多様性における少数の声を高めることに直結している」とミッチェル氏。「TikTokは業界のビジネス成果を促進するための絶対的な現象であり、だからこそ我々は#BeautyTokコミュニティに影響を与えることに興奮している」。
[原文：Exclusive: Sephora and TikTok team up on new content program for emerging brands]
SARA SPRUCH-FEINER（翻訳：Maya Kishida 編集：山岸祐加子）
