【やじうまPC Watch】愛称は「アンビシャス・ゴー」。高校生による人工衛星「Clark sat‐1」が完成、2023年秋に打ち上げへ

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大志を乗せて宇宙へ 宇宙教育プロジェクト

クラーク記念国際高等学校 校長 吉田洋一氏

 記者会見の司会は、クラーク記念国際高等学校の本村百絵さんと和島優仁さんの2人らが行なった。はじめにクラーク記念国際高等学校 校長の吉田洋一氏が2022年4月からの取り組みを紹介。「思いを乗せて宇宙へ挑戦してほしい」と語った。

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人生の選択にも活かせる学習成果

宇宙飛行士 山崎直子氏

 宇宙教育プロジェクトアンバサダーの宇宙飛行士の山崎直子氏は「宇宙探究部の皆さんは、たくさんの学びがあったと思う。地道なことの積み重ねが大きな夢に到達するための道。クラーク記念国際高等学校が宇宙へ挑戦することは夢やチャレンジを重視する風土があるから。これから活動の幅も広がると思う。宇宙に限らず、挑戦したい人が増えると嬉しい。色々な方のご縁と連携でここまでやってこれた。全ての方に感謝し、高校生たちが前へ向けるよう応援したい」と語った。

 また「自分が高校生の時には高校生が人工衛星を作るなんて思いもよらなかった。純粋に羨ましいなと思っていた」と述べた。そして「世界的にも本当にアンビシャスな成果。学生のうちから、チームでやり遂げたことは大きな財産になると思う」とコメントした。

東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 教授 中須賀真一氏

 指導している東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 教授の中須賀真一氏は「アンビシャス・ゴー、良い名前ですよね」と話を始めた。「これから宇宙へ打ち上げ、衛星が動くことで新たな学びがある。開発や利用の話だけではなく、ミッションをどうやって決めていくか、運用なども講義した。大学生レベルの宿題も出したが生徒たちは解いていた。CanSat実験も楽しかった。問題解決の非常に良い鍛錬になったと思う」と述べた。

 東大の研究室見学そのほかも行なったという。中須賀氏は「成果をどのようにこれからの衛星、人生に活かしていくかは生徒さん次第。ぜひ東大に来てください。うちでさらに鍛えてあげます」と述べ、「社会には色んな課題がある。ここで学んだことを人生、進路の選択に最大限活かしてほしい」と呼びかけた。そして「僕らも最初に衛星のビーコンを聴いたときは涙が出るほど嬉しかった。ぜひクラークの皆さんにも味わってほしい」と祝福した。

 小型衛星開発のパイオニアである中須賀氏も「学生が衛星を作ることは思いもつかなかった」という。そして「あるものを実現するにはどう計画しなければならないのか、そのために何の勉強が必要なのか。宇宙は問題解決のためには非常にいい教材。『絶対に成功させたい』と思うから。これが良い鍛錬につながる。彼らはまさにそれを経験した。他の高校にもやってもらいたい」と述べた。

Space BD株式会社代表取締役社長 永崎将利氏

 宇宙ベンチャーの立場で手助けしたSpace BD株式会社代表取締役社長の永崎将利氏は「このプロジェクトをどう活かすか、3つのキーワードがある。先駆者、本物に触れたこと、そして実践的だったこと」と述べた。

 「高校生が主体者として衛星を開発して打ち上げるのは日本では初めての試みだった。宇宙開発はいま盛り上がっている。先駆者にしか見られないものを経験できたと思う。いつか実感できるところが来る。二つ目は本物に触れたこと。中須賀先生、山崎直子さん、アークエッジ・スペースさんなどに助力してもらった。この価値はいまは実感できないかもしれないけど、すごく貴重だったことを実感できる時が来る。最後に実践的だったこと。センサーの使いこなし、安全審査プロセスなどを学んだ」と振りかえり、「これからの経験はどういう人生を歩もうが素晴らしい経験になる」と祝福した。

運用も生徒主体で実施予定

お披露目された「Clark sat-1」とクラーク記念国際高等学校 宇宙探究部の甘露寺さくらさん(左)、山根充輝さん(右)

 人工衛星のアンベールはクラーク記念国際高等学校 宇宙探究部の甘露寺さくらさん、山根充輝さんが行なった。続けて、衛星の詳細設計を行なった株式会社アークエッジ・スペース ジェネラルマネージャー 辻正信氏が「高校でキューブサットを打ち上げるのは世界的にも珍しい」と触れて解説。辻氏は「運用を行なうのは生徒の皆さん。ぜひ頑張ってほしい」と激励した。

株式会社アークエッジ・スペース ジェネラルマネージャー 辻正信氏

会見では応援ソングとダンスのパフォーマンスも披露

学生たちと関係者による記念撮影

 会見の最後には、クラーク記念国際高校パフォーマンスコースの学生たちとラッパーの晋平太さんによる応援ソング「Satelite.AMBITIOUS」の披露も行なわれた。高校生たちによる想像以上の激しいパフォーマンスに、記者たちもやや驚いた様子だった。

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