DIGIDAYリサーチ:エージェンシーやパブリッシャーの注目を集めるテクノロジー、ダントツで AI

DIGIDAY

エージェンシーやパブリッシャーたちは、次に大きな変化をもたらす新しいテクノロジーが何か、常に目を光らせなければならない。今年はAIがもたらす変化に、備えることになりそうだ。

DIGIDAYリサーチが約200人のエージェンシーとパブリッシャー勤務のプロフェッショナルを対象に行った調査によると、AIは今後数年のうちに買い側と売り側の両方に大きな影響を与えると予想されている。

回答者の4分の3以上が、今後数年間でAIがビジネスに最大の影響を与えると述べており、両方の業界で注目すべき新興テクノロジーの第1位となっている。具体的には、広告代理店勤務者の76%が自分に最も大きな影響を与える技術としてAIを選択し、パブリッシャー勤務者は79%が同じ選択をした。

とくにオープンAI(OpenAI)のChatGPTツールが勢いを増し続けており、パブリッシャーとマーケターの両方にとってAIを活用する試みが大きなトピックとなっていることを考えると、DIGIDAYの調査結果は非常に理にかなっている。

買い手側では、マーケティング担当者や代理店の幹部は、ブレインストーミングのプロセスにChatGPTを組み込む方法や、ライターズ・ブロックを解消する方法を模索している。今のところ、この技術が人間のコピーライターに取って代わる兆候はないが、ChatGPTの無料版のさらに先について考えているマーケターたちは増えている。このツールのサブスクリプション版が自分たちのクリエイティブプロセスにどう適合するかを考えているのだ。

また、メディア企業の幹部たちは、ChatGPTを試してその仕組みに慣れるよう編集チームに促している。編集者はChatGPTの活用方法について考え始めており、たとえばSEO主導のコンテンツフリーランスなど、ChatGPTがビジネスのさまざまな部分に及ぼす影響について考え始めている。ただし、ニュースルームが実際にこの技術をワークフローに組み込む段階には至っていないようだ。

ChatGPTは検索分野にも入り込んでおり、マイクロソフト(Microsoft)のBing検索エンジンに搭載されているほか、同社のエッジ(Edge)ブラウザにも搭載されている。エージェンシーにとってもパブリッシャーにとっても、AIが最重要視されている理由は明らかだ。

期待値はAIが圧倒的

DIGIDAYはこの点を明確にするために、AIの影響に対してエージェンシーやパブリッシャーが持っている期待をほかの新興テクノロジーと比較した。そして、AI以外のテクノロジーが持つと予想される影響は、AIに対するものと比較すると全く見劣りすることが判明した。

たとえば、エージェンシー勤務者の76%が今後数年でAIがビジネスに最大の影響を与えると考えている一方で、次に大きな割合を占めたテクノロジーはメタバースであったが、メタバースが最大の影響を与えると答えたのはわずか9%だった。また、非常に興味深いことに、このメタバースが獲得した9%という数字は、「(挙げられた)どのテクノロジーも事業に最大の影響を与えないだろう」という回答と同じになっている。代理店勤務のプロフェッショナルの9%がこの回答を選択している。

「どのテクノロジーも事業に最大の影響を与えないだろう」という回答は、パブリッシャーの回答者のなかでは15%がこの回答を選んでおり、AIに次いで2番目にランクされた。また、パブリッシャーが選んだ3位は「ブロックチェーン、暗号通貨、NFT」で、これが最も大きな影響を与える新興技術になると答えたのはわずか3%だった。


[原文:Digiday+ Research: When it comes to emerging tech, agencies and publishers only have eyes for AI

Julia Tabisz(翻訳:塚本 紺、編集:島田涼平)

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