FTCが指摘するAI製品広告の落とし穴とは?

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対話型AIのChatGPTや画像生成AIのStable Diffusionなどの登場により、「人工知能(AI)」という言葉はあたかも何でもできるような万能な存在を指すかのように使われ始めています。しかし、実際にAIを搭載した製品の中には、期待したほどの効果が得られないものも少なくありません。そんな状況に対して、連邦取引委員会(FTC)広告慣行部門のマイケル・アトレソン弁護士が意見を投げかけました。

Keep your AI claims in check | Federal Trade Commission
https://www.ftc.gov/business-guidance/blog/2023/02/keep-your-ai-claims-check

アトレソン氏は「AIとは一体何なのでしょうか?」という問いかけから始めました。通常、AIとは人間に代わって予測や判断、推論などのタスクを実行するさまざまな技術やツールを指しますが、多くの定義を持つ曖昧な用語です。アトレソン氏は「ひとつだけ確かなことは、この言葉がマーケティング用語であるということです。今最もホットな言葉として注目されています。しかしながら、FTCはこのマーケティング用語の流行について、一部の広告主がその乱用に歯止めがかからなくなっているという認識でいます」と意見を述べました。


FTCはこれまでに、偏見や差別的な影響を与える自動化ツールの使用を避けるよう企業に警告してきました。しかし、AIをうたう製品の中には、そもそも宣伝通りの効果を発揮しない問題外の製品もあるのが実情だそうです。FTCは製品の効能に関する虚偽または根拠のない主張を管理・統制する仕事も担っているため、宣伝の内容によってはFTCが動く場合もあるとアトレソン氏は指摘し、以下の事柄に注意を払うよう呼びかけました。

◆AI製品にできることを誇張していないか
アトレソン氏は、製品・サービスでできることを誇張し、現在のAIや自動化技術の能力を超えることができると主張していないかどうかについてFTCが問題視する可能性があると指摘しています。例えば、製品アピールポイントに科学的な裏付けがない場合や、アピールされた性能が特定のタイプのユーザーや特定の条件下でのみ適用される場合が該当します。

◆自社のAI製品が非AI製品よりも優れていることを約束していないか
広告主が高い価格を正当化するなどの目的で、ある最新の技術によって製品がより良くなると言うのは珍しいことではありませんが、そのような比較の主張には十分な証拠が必要です。アトレソン氏は「もし証拠を示せないのであれば、そのような主張をするのはやめましょう」と指摘しました。

◆リスクを認識しているか
AIを利用して失敗したり、偏った結果が出たりした場合、その技術を開発した第三者のせいにすることはできません。また、その技術が理解できない、あるいはAIが「ブラックボックス」なのでテスト方法を知らないという理由では、企業に責任がないとはいえません。

◆その製品は実際にAIを使っているのか
開発プロセスでAIツールを使用するだけでは、製品にAIが搭載されているとはいえません。アトレソン氏は「FTCの調査では、資料を分析し、製品の中身が企業の主張と一致しているかどうかを確認できます」と念を押し、根拠のない主張をしていた場合は考え直すよう警告しました。

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2023年03月01日 07時00分00秒 in ネットサービス, Posted by log1p_kr

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