【CP+2023】OM SYSTEM「90mm F3.5 Macro IS PRO」が超コンパクト・軽量・シャープで神! / ブースで聞いた「たぶんあまり知られてない」設定の話

ロケットニュース24

カメラと写真関連の国内最大級のイベント「CP+2023」が、パシフィコ横浜にて2月23日から始まった。リアル開催は2019年以来の4年ぶり。

これまでの間も中止となった2020年を除いてオンラインでの開催はされていたが、やはり撮影機材は実際に見て触れないと分からないもの。ということで、私(江川)が現地で気になったものをお伝えしていこうと思う。

・OM SYSTEM

まずは入口からすぐのところにあるOM SYSTEMのブースから。この4年間でもっとも激動の展開があったブランドのうちの一つではなかろうか。


2019年のCP+を報じた記事を見返すと、当時はまだOLYMPUSブース。目玉は「OM-D E-M1X」の体験で、私がブースの方から乗り物に注力したAFシステムについての熱い解説を受けていた旨が記されている。

ブランドの未来をファンに危ぶまれた時期もあったように感じるが、「CP+2023」ではOM SYSTEMとしてしっかり存在感をアピール。私が見て回った時には、会場全体でもっとも賑わっているブースの一つであるように感じた。


・90㎜マクロ

さて、OM SYSTEMで今もっとも注目されているものといえば、間違いなく「M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」。


2023年2月24日からの販売開始だが、ブースの方によると「有難いことに多数のご予約を頂いており、今からだと恐らくお届けまでに少しお時間が……」とのこと。好調なようで何よりだ。

すでに各種レビュー系サイトやカメラ専門店、YouTuberなどによる先行レビューが公開されており、その描写の素晴らしさについては周知のことだと思う。

ブースには被写体としてチョウチョや毛鉤(けばり)などが用意されており、レンズの実力をその目で確かめることができる。


もちろん、本製品の強みである「MC-20」「MC-14」という2種類のテレコンバーター使用時の写りも試せる。


レンズの外見は高級感があり、各スイッチの感触や、握って伝わる剛性には信頼を抱ける。そして何より軽い! 金属っぽさが滲み出ているので重そうに思っていた。


本格的にマクロで撮影する際に必ず用いられるであろう三脚や照明は無いため、ベストは引き出せないかもしれない。しかし逆に「こんな環境でもここまでやれる」という驚きを得られると思う。

参考までに、手持ちで2倍テレコンを使ってISO感度をあげて撮ったのがこちら。7段の手ぶれ補正なので、今思えばSSをもっと遅くしたら良かったと思う。


体験したデータは持ち帰りOKだ。OM-1を使ったのは初めてだったが、高感度性能の高さに驚いた。レンズ共々素晴らしい組み合わせだと思う。


・もっと知ってほしいもよう

本レンズにはフォーカスリングを手前に引くと、AFから瞬時にMFに切り替えられるマニュアルフォーカスクラッチ(MFクラッチ)機能が搭載されており、素早くMFに切り替えたい場合にも便利だ。


この機能をカチャカチャやって試していたら、ブースの方から「実は……」と、設定関連の話が飛び出した。


ブースの方「MFについて、あまり知られていない気がするのですが……」

ブースの方「実は本体でMFにした時とMFクラッチでMFにした時の、レンズの挙動がけっこう違うんですよ」

江川「どこかに書いてあるんじゃないですか?」

ブースの方「たぶん細かくは書いてなかった気がするんですよね」


ぶっちゃけこれはオリンパス時代のMFクラッチ搭載のレンズでもあった仕様なので、ご存じの方はご存じだと思う。しかし、ブースの方的には十分な認知度に達していないように感じているもよう。

レビュー等で詳しく触れられている感じがしないのも確かなので、OM SYSTEMになってから参入した新規ユーザーや、このマクロに魅力を感じて手に取った他社をメインに使用しているユーザーだと知らなくても不思議はない。

このマクロはかなり神なので、これだけ買うという人もいると思う。せっかくなので、この記事で具体的にお伝えしようと思う。

まず、本体側の設定がAF(今回はC-AFだが、AFならどれでも同じ)の状態で


AFでの撮影中にフォーカスクラッチを使用してMFに切り替え、ピントを追い込もうとした場合、リングの回転量に対するピントの移動量はわりと多い

対して本体側の設定をMFにして使用(本体の設定が優先されるため、この場合はフォーカスクラッチがどうであろうと関係ないそう)すると、ピントの移動量がかなり少なくなり、発揮できる精密さが違ってくる。


かなりアバウトな感覚で申し訳ないが、本体でMFにしてフォーカスリング側面のギザギザ6個分程度リングを回したの際ピントの移動量が、フォーカスクラッチでMFにした状態のギザギザ2個分程度じゃないかというくらい違う。

ブースの方「フォーカスクラッチは急いでいる時などに向いていて、じっくり追い込むには最初から本体側でMFにして頂くと良いと思います」

とのことだった。知らなかった方や、このマクロのためだけに手頃なボディとセットで買おうという方は、覚えておいてほしい。


・ノベルティもある

ブースではその他の製品の試用の他、OM SYSTEM MEMBERSへの会員登録、アプリのインストールとアンケートへの回答で、クールなロゴの入ったノベルティも貰えるぞ!(色は黒かグレー)


参考リンク:CP+2023OM SYSTEM
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.

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