クラウド型教育プラットフォーム「まなびポケット」申し込みIDが500万を突破した背景

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 NTTコミュニケーションズは、クラウド型教育プラットフォーム「まなびポケット」の申し込みID数が500万IDを突破したと発表した。全国1,000以上の自治体、1万2,000校以上の学校で採用している。

 NTTコミュニケーションズ スマートワールドビジネス部スマートエデュケーション推進室 担当課長の田原聡士氏は、「2022年10月に400万IDを突破してから、4カ月間という短い期間で100万IDも増加した背景には、先生に寄り添い、エンパワーする学習eポータルとして、多くの教育委員会や学校に選ばれていることに加え、出欠連絡や学校から保護者への連絡など、無償で使える保護者向け機能が評価され、保護者IDが増加したことも大きな要因となっている」と自己分析した。

 「まなびポケット」は、児童生徒、教職員が1人1つのアカウントを持ち、さまざまな学習コンテンツを利用できるプラットフォームで、授業支援ツールや協働学習支援ツール、個別学習支援教材、英語やプログラミングの学習教材などを提供。政府が推進しているGIGAスクール構想を実現するプラットフォームとして教育現場で活用されているほか、学習eポータルとして自治体での採用が増加。

NTTコミュニケーションズ スマートワールドビジネス部スマートエデュケーション推進室 担当課長の田原聡士氏

 同社の調査によると、学習eポータル分野では、40%以上のシェアを持ち、ナンバーワンシェアになっているという。さらに、文部科学省が推進している、問題用紙やマークシートなどの紙を使わずコンピュータを利用した試験ができる「MEXCBT(メクビット)」と連携した学習マネジメントシステムとしても注目されている。

 「児童生徒向けのコンテンツ提供プラットフォーム機能、教職員と保護者向けのコミュニケーション機能、教育委員会や教職員が活用するデータ分析・可視化機能で構成している。学習者は、まなびポケットのポータルサイトにアクセスし、ドリル教材であるeboardを使って、苦手なところや興味があるところの学習を進められるほか、共同学習ツールであるスクールタクトにより、ほかの児童生徒の意見や考えを可視化し、主体的で深い学びが実現できるようになっている」という。

 同社では、教職員は事務的作業の増加や保護者への対応に多くの時間を取られており、これが、先生の「働きすぎ問題」の根幹になっていると指摘する。ICTを活用することで、こうした課題を解決することができると提案。また、データを可視化して、複数の先生によって、学級の状況をチームとして把握し、適切なサポートを行うことができる点が、まなびポケットの特徴であり、それがID数の急激な増加につながっていると述べた。

 さらに、「まなびポケット」の保護者ID数は60万IDとなり、前年度比300%増となっており、保護者IDの導入学校数は1,500校を突破したことも、「まなびポケット」のID数が増加している要因にあげている。

 「保護者機能では、保護者からの欠席連絡を、スマホから行なうことで自動化し、朝の時間帯における教職員の電話対応業務を削減。2022年12月には、新たに『出欠連絡の自動集計・Excel出力機能』を追加したことで、出欠連絡情報を自動集計して、統合型校務支援システムにデータを移行することができるようになっている。

 また、連絡帳機能により、紙で配布していた通知をデジタル化。通知を閲覧していない保護者に対して再度通知をすることなどができる。これらの機能を無償で提供しており、保護者とのコミュニケーションの強化、保護者対応の効率化を図っている。これがID数の増加につながっている」と述べた。

 さらに、「今後も、学習eポータルとしての機能向上に加え、保護者向け機能を拡充し、より多くの利活用を目指す」としている。2023年度には、児童生徒、先生、保護者を含めて、600万IDへの到達を目指す考えだ。

統合認証サービスで多要素認証対応へ

 一方、「まなびポケット」では、2023年2月から、統合認証サービスの提供を開始した。

 「まなびポケット」のIDやパスワードで、統合型校務支援システムにもシングルサインオンして利用ができるもので、文部科学省の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」で定めたほかのセキュリティソリューションとの組み合わせによって、教職員は校務用端末と学習用端末を1台に集約した利用が可能になる。

 また、統合型校務支援システムをインターネット経由で利用する場合に、ガイドラインに対応した多要素認証を活用できるようになるほか、リスクが高いアクセスと判断した場合には、追加で多要素認証を求めることで、より厳重なセキュリティ対策ができるようになる。

 これにより、端末費用や運用コストを削減することができるほか、よりセキュアな環境を実現することで、自宅をはじめたとした校外からも統合型校務支援システムにアクセスでき、場所を選ばない働き方を支援できるいう。

NTTコミュニケーションズ スマートワールドビジネス部スマートエデュケーション推進室の高頭実花氏

 NTTコミュニケーションズ スマートワールドビジネス部スマートエデュケーション推進室の高頭実花氏は、「現時点では、校務用端末と学習用端末のネットワークが分離されて構築されているケースが多く、先生は2~4台のPCを使いわけて業務を行なっている。また、校務支援システムは自前のサーバーに設置して閉域網で稼働しており、校務用端末も職員室に固定されているケースが多い。だが、これは、クラウド活用を核とするGIGAスクール時代の教育DXや働き方改革の流れに適合しない。校務系と学習系のデータ連携の視点や、大規模災害におけるレジリエンスの観点でも課題になる」とした。

 その上で、「まなびポケットの統合認証サービスにより、校務系システムで必須のセキュリティ対策となる多要素認証やシングルサインオン、任意で求められているリスクベース認証を実現できる。校務支援システムへのシングルサインオンを実現するのは、まなびポケットだけである」と説明した。

 なお、「まなびポケット」の今後の進化の方向性についても言及。保護者の利便性向上や、学校現場の業務負担の軽減、ペーパーレス化に寄与する機能をリリースする予定であるほか、ダッシュボード機能やクロス分析機能、名簿情報連携機能などを追加する予定だという。

 「分析系の機能を強化したい。例えば、MEXCBTの結果と、学級満足度の高いクラスとの相関関係などのクロス分析などを通じて、学級経営状況のさらなる向上にも貢献したい」(NTTコミュニケーションズの田原氏)とした。

英語トレーニングから学校DXのトータルソリューション提供も

 NTTコミュニケーションズは、スマートエデュケーション事業を推進しており、「誰もが意思と特性に応じて、自分らしく学ぶ社会」の実現に貢献する「Smart Education Vision 2030」を打ち出している。

 NTTコミュニケーションズの田原氏は、「スマートエデュケーション事業は、小中学校分野をベースに、高校、大学教育のほか、企業教育や生涯教育分野にもサービスを展開しており、回線、端末のほか、VRなどの先端ソリューションなどを提供し、教育現場のDX化をトータルで推進している」とする。

 「まなびポケット」のほか、話す、書く、読む、聞くの4つの英語トレーニングをオンラインサービスで提供する「English 4skills」を提供。また、企業向けには、自律型キャリア形成のための風土や文化を醸成し、社員個人の自己成長と顧客企業の企業価値向上を実現する「BoostPark」や、一般教養やビジネス基礎スキル、企業に必要される個別スキル、応用スキルなどを月額で学習できる法人向けeラーニングサービス「gacco for Biz」を提供している。

 「小中学校から生涯学習まで、自分らしい学びの実現に貢献している」と述べた。

 また、学校DXの分野においては、学習系システムと校務系システムにおいて、インフラからソフトウェア、コンテンツまでをトータルソリューションとして提供。学習系システムでは、2019年度から、学習用PCと「まなびポケット」を組み合わせた「GIGAスクールパック」を提供。まなびポケットから利用できる約40種類の学習コンテンツも用意している。校務系システムでは、校務用PCとセキュリティ対策ソリューションを組み合わせた「校務向けゼロトラパック(仮称)」を準備しているほか、統合型校務支援システム連携や統合認証サービスにより、セキュアな環境で運用できるようにしている。

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