LVMHのCEO、 ジョニー・デップ 氏がディオールのソヴァージュの売上に大きく牽引と発言

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この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy」の記事です。 2022年の俳優ジョニー・デップ氏をめぐる論争にもかかわらず、LVMHのCEOは、デ […]

2022年の俳優ジョニー・デップ氏をめぐる論争にもかかわらず、LVMHのCEOは、デップ氏がディオール(Dior)のフレグランス部門の売上を大きく牽引したと述べた。

1月26日に行われた同ラグジュアリーコングロマリットの2022年財務報告のプレゼンテーションでLVMHのCEOベルナール・アルノー氏が語ったことによれば、ディオールのソヴァージュ(Sauvage)は、年間を通して「香水の売上をリードする存在」であり、「ジョニー・デップのイメージに牽引」されて「目覚ましい成功を収め」ている。

「広告をご覧になったことがあるかと思うが、非常にうまく機能している」と彼は述べた。

裁判後も引き続きデップ氏を広告に起用

LVMHの財務報告書の「2022年のハイライト」のセクションで、ディオール・ソバージュは「香水における力強い成長」の下に記載されている唯一のフレグランスだ。これを達成した主なポイントには、「2022年に再び世界のリーダーとなったディオール・ソバージュの継続的なグローバルな成功」を挙げている。そのほか美容関連のハイライトとして、「美容製品の流通における世界的リーダーとしての地位を確立した、セフォラ(Sephora)の並外れた回復」にも触れている。

ディオール・ビューティは、2015年の発売時からディオール・ソバージュの顔としてデップ氏を起用しており、彼が元妻のアンバー・ハード氏による虐待疑惑裁判をめぐる論争でディズニー(Disney)とワーナー・ブラザーズ(Warner Brothers)の双方からメジャー映画シリーズへの出演を外されたあとも、彼の起用を継続している。

デップ氏が名誉毀損でハード氏を訴え、大々的に報道された裁判が2022年4月に開始したあと、デップ氏はこのフレグランスの一連の広告でひときわ目立つ存在感を放っていた。そこには2022年6月に放映された「恐れず、自分らしく(Fearless yet human)」というキャッチフレーズのテレビCMや、5月のセフォラのインスタグラム広告も含まれる。また、デップ氏のイメージはフレグランスの店頭ディスプレイにも引き続き掲載された。一方ディオール・ビューティが彼を最後に取り上げたのは、同社のインスタグラムのアカウントでCMの映像を紹介した9月の投稿だ。インスタグラムでは、8月にパリで行われたコンサートに出演したデップ氏の動画を複数投稿している。

成長の原動力となったフレグランス

LVMHの香水および化粧品部門全体では、2022年は17%の収益成長率を達成した。成長の原動力として名前が挙がった主なフレグランスはディオール・ソヴァージュだったが、決算のプレゼンテーションでは、セラムのプレステージ(Prestige)やTikTokで話題になったリップオイル、ディオール・アディクト(Dior Addict)などと並んで、ミス・ディオール(Miss Dior)やジャドール(J’adore)など他の主力フレグランスも強調されている。売上を牽引する存在としては、ゲラン(Guerlain)、パルファムジバンシイ(Parfums Givenchy)、フェンティビューティ(Fenty Beauty)も記載されていた。

アクシオス(Axios)によると、デップ対ハード裁判のセンセーショナルな内容は、当時、ほかのどのニュースよりも多くのソーシャルエンゲージメントを獲得していた。ハード氏の弁護団が裁判で提示した虐待の証拠にもかかわらず、この裁判に関するバイラル投稿はデップ氏に好意的な方向に傾いた。また、デップ氏への支持は極右のインフルエンサーによってオンラインで増幅され、右派メディアのザ・デイリーワイヤー(The Daily Wire)はデップをサポートする広告に何万ドルも費やしている。

デップ氏は現在もディオール・ビューティのホームページで紹介されており、2022年にディオールとの契約を更新したと報じられている。ディオール・ビューティの担当者からは、この記事の公開までに詳細な説明を提供してはもらえなかった。同ブランドのディオール・ソヴァージュに関する最新のソーシャル投稿では、2021年に同フレグランスのグローバルアンバサダーに任命されたサッカー選手のキリアン・エムバペ氏が起用された広告が紹介されている。

[原文:LVMH CEO says Johnny Depp ‘working very well’ for Dior Sauvage sales]

LIZ FLORA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)


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