決算発表から好調な1年が見込まれる フレグランス 業界

DIGIDAY

フレグランスカテゴリーは今年、力強い成長を遂げる態勢が整っているようだ。インター・パヒュームズは、1月25日(月曜日)に第4四半期と年度末の収益を報告、好調なフレグランス市場の基盤で売上高の記録を打ち立てた。インター・パヒュームズはこの分野でフレグランス専門の最大の企業の1社である。

フレグランスカテゴリーは今年、力強い成長を遂げる態勢が整っているようだ。

記録的な2022年だったインター・パヒュームズ

インター・パヒュームズ(Inter Parfums)は、1月25日(月曜日)に第4四半期と年度末の収益を報告、好調なフレグランス市場の基盤で売上高の記録を打ち立てた。インター・パヒュームズはこの分野でフレグランス専門の最大の企業の1社である。だが、フレグランスとほかの美容カテゴリーを所有しているコティ(Coty Inc.)やLVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(以下LVMH)、ロレアル(L’Oréal)などと比較するとはるかに小規模だ。インター・パヒュームズが所有またはライセンスを持っているフレグランスブランドには、ダナ・キャラン(Donna Karan)、モンクレール(Moncler)、ジミー チュウ(Jimmy Choo)、MCM、オスカー・デ・ラ・レンタ(Oscar de la Renta)などがある。2022年の純売上高は約10億ドル(約1304億円)で、2021年から24%の増加。第4四半期の純売上高は過去最高の3億1100万ドル(約406億円)を記録し、前年比で47%増だった。同社によると、8月に契約を結んだダナ・キャランとDKNYにより米国での売上が58%増加し、この2ブランドは売上高の14%に貢献したという。また、既存ブランドの継続的な売上も収益に貢献したとインター・パヒュームズは述べている。

インター・パヒュームズのCEO、ジーン・マダール氏は同社の既存ラインナップの新作に言及して、「フランカーとエクステンションが当社の新製品パイプラインを占めていたことを考えると、ユーロとドル双方において前年比で成長していることは実に素晴らしい」と述べている。

好調なプレステージブランド

決算発表によると、モンブラン(Mont Blanc)はインター・パヒュームズの最大ブランドであり、2021年の売上高は 1億6830万ドル(約219億円)。それに続くのは、ジミー チュウで売上高は1億5490万ドル(約202億円)、そして、売上高が1億3680万ドル(約178億円)のコーチ(Coach)だ。LVMHやコティなどの主要な他社フレグランスコングロマリットは年度末と第4四半期の業績をまだ発表していない。LVMHは、2021年、同社の香水・化粧品事業グループが2020年と比較して27%増加、70億ドル(約9124億円)を超えるオーガニック収益を達成したと報告している。ディオール(Dior)の決算プレスリリースによると、2021年、ディオールソヴァージュ(Dior Sauvage)が世界でもっとも売れたフレグランスになり、これは男性用フレグランスとしては世界初だという。コティは2022年度に23のブランドライセンスを保持しており、同社の2022会計年度の純売上高53億ドル(約6908億円)の約53%はプレステージフレグランスによるものだった。そのうちの約82%がヒューゴボス(Hugo Boss)、バーバリー(Burberry)、グッチビューティ(Gucci Beauty)などのプレステージフレグランスのトップの6ブランドによるものだった。

全体的にフレグランス市場は強力で、ますます勢いを増している。NPDグループ(NPD Group)の2022年第3四半期のプレステージビューティの売上データによると、フレグランスの同四半期の純売上高は13億ドル(約1697億円)で、前年比で11%の成長である。NPDグループの美容業界アドバイザーであるラリッサ・ジェンセン氏は、この成長の理由の一部には、高い価格設定を可能にするフレグランスとラグジュアリーブランドの高い集中があると述べている。

TikTokでも注目されている香り

対面イベントやホリデーセールなどの一般的なテーマがフレグランスの売上の大きな推進力であるが、フレグランスの回復ぶりを理解するためにはデジタルキャンペーンの役割も見逃せない。2022年2月の時点で、TikTokハッシュタグ #PerfumeTokの再生回数は5億600万回、#PerfumeTikTokは17億回を超えている。そして、コンテンツも様々だ。Glossyの以前のレポートによると、クリエイターにはカテゴリー別(たとえば、官能的なフローラル)の香りについて語る人々や、フレグランスブランドの概要にフォーカスする人々などがいる。路上で思わず立ち止まってしまうような香りも共通の話題であり、TikTokの既存トレンドに香りについてのコンテンツを加えるのが人気となっている。

Glossyのレポートでは人々に香りの楽しさと喜びを思い出させるフレグランスマーケティングキャンペーンの人気が示されている。2022年12月、プラダキャンディー(Prada Candy)はアプリ内でキャンディークラッシュ(Candy Crush)ミニゲームをローンチ、ゲームの完了者は無料サンプルを獲得できた。このキャンペーンでプラダビューティのウェブトラフィックは1800%以上増加し、ゲームのウェブサイトへのクリック率は7%近くになった。Glossyとローンチメトリックス(Launchmetrics)のデータによると、グロシエ(Glossier)は、香水のストーリーテリングを強調する能力のおかげで、コングロマリットではない企業が所有するフレグランスのトップランクに位置している。ローンチメトリックスは、インフルエンサーは関心とエンゲージメントを促進する「いまのお気に入り(My Current Favorites)」や「TikTokのバイラル製品(Viral TikTok products)」などの動画コンテンツフォーマットを使っているため、フレグランスに関してセレブの40倍以上のメディアインパクト値を生み出していることを発見している。YouTubeがフレグランスマーケティングのトッププラットフォームであり、メディアインパクト値においてほかのあらゆるソーシャルメディアチャネルを上回っている。

ローンチメトリックスのCMO、アリソン・ブリンゲ氏は次のように述べている。「個人の表現の必要性が高まり、ピアツーピアのレコメンデーションに対する信頼が高まっているため、ブランドはインフルエンサーにフォーカスして特定の目的を持つ明確なオーディエンスを対象にして、最終的に売上につなげている」。

[原文:Earnings signal a strong year for fragrance sales

EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)


Source

タイトルとURLをコピーしました