新宿駅東口の広場には「馬水槽」なる珍しい水飲み場がある。ロンドンから寄贈された大理石製の “水飲み場” で、上部は馬用、下部は犬猫用、そして裏側には人間用の蛇口も残っている。世界で3つしかない貴重なもので、現在は新宿区の文化財に指定されているらしい。
そんな馬水槽のすぐ隣に “金色に輝くライオン像” が立っているのは有名だ。なんなら「募金箱」になっていて、お金を投入すると吠えることも多くの方が知っているだろう。しかし、実際にお金を投入して鳴き声を聞いたことはあるだろうか……というわけで、聞いてみた。
・みらいおん
金色のライオンは「みらいおん」と言う。ピラミッドからライオンが出てくる姿は「エジプトのスフィンクス」のようであり「栃木のピラミッド元氣温泉」のようでもある。なんとなく存在は知っていたものの、間近で見るのははじめてだ。けっこうな迫力ですな。
みらいおんは東京新宿ライオンズクラブが設置したモニュメントで、看板には「被災者・青少年健全育成支援 募金のお願い」と書いてある。口に紙幣や硬貨を投入すると「吠えて御礼申し上げます」とのこと。
……過去に「吠えて御礼」をされたことがないので、いまいち心の準備ができていない。「吠える」と言ってもどのくらいの音量なのだろうか。新宿駅前だから人が多いし大音量で吠えられるのは恥ずかしい。かと言って、控えめに吠えられるのも違う気がする。
背後から視線を感じる。「みらいおんに募金をしようとしている人がいる」という空気を察したのか、吠えるところを見たい連中がチラチラこちらを見ているのだ。やはりみんな気になっているのだろう。てか今さらだけど、本当に吠えてくれるのだろうか。
それでは実際に硬貨を投入してみよう。なんとなく紙幣を口に入れる勇気は出ない。果たして、みらいおんは吠えるのか……！
チャリン……
…………
みらいおん「ガオォォォ〜ありがとうございます」
吠えた。正確にはライオンが吠えた直後に、女性が「ありがとうございます」と御礼を言った。私の背後にいた人も「女の人の声……」と呟いていたので少し意外だったのだろう。ちなみに音量は、募金をした人に届くくらい。さすがに駅前広場に響くほどではなかった。
私に続いて、後ろのグループも募金を試みていたので「吠える仕組み」はいいのかもしれない。誰かが募金をしたら流れができるのだろう。人が多いしビミョーに注目されてしまうが、みらいおんの鳴き声を生で聞きたい方はぜひお金を投入してみてほしい。
執筆：砂子間正貫
Photo：RocketNews24.
