米司法省、グーグルを再び提訴–デジタル広告市場の支配を問題視

CNET Japan

 米司法省と8つの州が米国時間1月24日、広告事業をめぐってGoogleを提訴した。同社は独占的な行為に関与していると訴えている。

Googleの社屋
提供:James Martin/CNET

 バージニア州の連邦裁判所に提出された訴状には、Googleは、各種ツールの制御を掌握して「デジタル広告市場のあらゆる側面に自らが」介入する仕組みによって、「アドテク業界の合法的な競争を腐敗」させていると記されている。同社は、買収を通して競争を排除することによってこれを行い、自社の支配力を利用して、広告主らが他社製品ではなく自社製品を使用するように仕向けたという。

 司法省は、Googleは、「競合するアドテク製品をあえて利用する」ウェブサイトに不利益を与え、アドテクへの支配力を利用して「より多くの取引が同社独自のアドテク製品を介する状態を築き上げ、そこから高い手数料を搾り取り自社の懐に入れている。それと引き換えに、サービスを提供すると見せかけて、広告主やメディア企業を犠牲にしている」とも述べた。

 Googleは、それらの主張に反論した。

 「司法省の24日の訴訟は、競争の激しいアドテク業界の勝者と敗者を選ぼうとするものだ」と、Googleのグローバル広告担当バイスプレジデントDan Taylor氏はブログで述べた。さらに、この訴訟は、連邦裁判所によって大部分が棄却されたテキサス州のKen Paxton司法長官による「根拠のない訴訟」をほぼ複製したものだと記されている。Googleは、司法省の主張には不備があり、「イノベーションを遅らせ、広告料金を引き上げ、何千もの小規模企業やメディア企業の成長を難しく」するものだと述べている。

 司法省の訴訟は、大企業の分割を求めるという異例なものだ。同様の事例として、同省は1969年にIBM、1974年にAT&T、1998年に「Windows」を開発するMicrosoftと対立している。今回の訴訟の背景には、世界中の政府がビッグテックを規制しようとしていることがある。米議会では2022年に、デジタル市場におけるAmazon、Apple、Googleの影響を抑制するために、「American Innovation and Choice Online Act」(米国のイノベーションと選択のためのオンライン法)が検討されていた。Googleは2022年に、ユーザー追跡をめぐってフランスで制裁金を科され、位置追跡の慣行をめぐって3億9150万ドル(当時のレートで約550億円)を支払うことで米40州の司法長官と和解している。

 Googleの広告事業が反トラスト法に違反しているとして、司法省が提訴するのは今回が2度目で、Biden政権下では初めて。2020年10月にTrump政権下で提訴された最初の訴訟は、GoogleがAppleとの間で、端末上のデフォルトの検索エンジンをGoogleとする契約を結ぶことにより、競合他社を締め出しているとして訴えるものだった。同社は、テキサス州をはじめとする16の州と地域によっても、Facebook(現Meta)との間で、オンライン広告オークションでFacebookが有利になるようにする契約を締結したとして、提訴されている。

 Googleは2022年に、司法省の提訴を回避するために、同社のアドテク事業の分割を提案したと報じられていた。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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