MIT、2次元素材による次世代トランジスタ実現につながる手法

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 マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology、MIT)は18日(米国時間)、2次元材料を用いた次世代トランジスタの実現につながる手法を開発したと発表した。

 シリコンに代わる次世代のトランジスタ素材として、原子1個分ほどの薄さの完全結晶のシートである2次元材料が注目されている。nmスケールでシリコンよりもはるかに電子を伝導しやすい点が特徴だが、完全結晶の構造を維持したままシリコンウェハ上に2次元材料を成形する手法が求められてきた。

 研究チームでは、シリコンやほかの材料を用いた既存のウェハ上に、2次元材料でこれまで以上に小さいトランジスタを作り出す手法を開発。非エピタキシャル単結晶成長と呼ばれるものの1つで、結晶の種が収まる小さなポケットのパターンをウェハ全体に二酸化ケイ素で設ける「マスク」を施すことで、原子のガスを流した際にポケット内に結晶の種が収まる。ポケットで周囲を囲うことで、同一シリコンウェハ上に同じ単結晶方位で原子が集まるように仕向けている。

 この手法を利用し、シリコンより電気を通しやすい遷移金属カルコゲナイド(TMD)と呼ばれる2次元材料を使って、単純な機能を持つトランジスタを製作。電気的性能は同じくTMDを用いたフレークと同等だったという。

 また、シリコンウェハにパターンマスクを施した上で、半分に1種類目の2次元材料、2種類目の2次元材料を残り半分に適用。各領域で極薄の単結晶2層構造を実現した。今回の結果により、次世代トランジスタの開発や、極数で柔軟な多機能フィルムの開発につながるとしている。

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