CNETがAIで記事を書いていることを問題視されて記事の公開を停止へ

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テクノロジーニュースメディアのCNETがスタッフ向けの電話会議で、AIを使って作成した記事の公開を当面停止すると説明したことが報じられています。また、CNETと同じ系列のメディアでも、AIを使って書かれた記事の公開が停止されるとのことです。

CNET pauses publishing AI-written stories after disclosure controversy – The Verge
https://www.theverge.com/2023/1/20/23564311/cnet-pausing-ai-articles-bot-red-ventures


2023年1月にウェブマーケターのガエル・ブレトン氏が「2022年11月からCNETの金融解説記事がAIによって作成されている」と指摘。記事の著者は「CNET Money」となっており、記事内をクリックするとAIが書いたことが小さく表示される仕組みとなっていました。また、BankrateやCreditCard.comなど、CNETの親会社であるRed Venturesが所有するCNET以外のサイトでもAIを使った記事が公開されていました。

ニュースメディアのCNETが2022年11月から「CNET Money」という署名を付けて密かにAIで記事を作成していると報じられる – GIGAZINE


CNETの編集長であるコニー・グリエルモ氏は、「私たちはAIを秘密裏に導入していたわけではなく、ただ静かに導入しただけです。これは記者をAIに置き換えるためのものではなく、人間の仕事を支援することを目的とした『実験』です」と述べています。

AIによる記事作成が報じられた後、CNETではAIの関与した記事の著者欄直下に「この記事はAIエンジンが手伝い、編集スタッフがレビュー、事実確認、編集を行ったものです」と表示されるようになっています。しかし、これらの記事は人間の編集者によってファクトチェックを経てもなお誤りが含まれていたことが報じられていました。

ニュースサイト「CNET」に掲載されたAI製記事は人間のファクトチェックを経てもなお重大な誤りが含まれていた – GIGAZINE


The Vergeによれば、2023年1月20日にCNETのスタッフ向け電話会議の中で、CNETの首脳陣がスタッフに対して「AIが生成するすべてのコンテンツの公開を当面停止する」「BankrateやCreditCards.comなどでもAIが関与した記事の公開を停止することも決まっている」と説明したとのこと。さらにThe Vergeによると、CNETのスタッフのほとんどは記事作成にAIを使っていたという事実を知らず、Red Venturesのコンテンツ担当ヴァイスプレジデントであるランス・デイヴィス氏が今回の報道をきっかけに電話会議で説明したのが初耳だという人も多かったそうです。

CNETの記事作成に使われたAIはRed Venturesが構築した独自のツールで、データを取得するドメインやセクションを選択することで記事を生成することができるとのこと。IT関連ニュースサイトのThe Vergeは、CNETの親会社であるRed VenturesがAIによる記事執筆を行ったのは、「収益性の高いアフィリエイトリンクを埋め込んだコンテンツを、SEO(検索エンジン最適化)によってGoogle検索上位に表示されるようにする」というビジネスモデルを効率良く行うためだと主張しています。

AIの学習に使われたデータセットは記事作成時点で不明ですが、CNETのコンテンツ・読者担当エグゼクティブヴァイスプレジデント(EVP)であるリンゼイ・タレンタイン氏は「近いうちに、一部のスタッフにAIツールをプレビューしてもらう予定です」と述べたそうです。The Vergeは使用したツールや開示方針に関してCNETとRed Venturesに質問したそうですが、一切答えない方針を示されたと報告しています。

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