この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy」の記事です。 アパレル・材料科学企業のパンガイア(Pangaia)は、2022年12月19日、環境 […]
アパレル・材料科学企業のパンガイア(Pangaia)は、2022年12月19日、環境と倫理への配慮に対する認証に必要な厳格なプロセスを経てB Corp認証を取得したと発表した。パンガイアはB Corp認証を受けた世界でわずか6000社ほどの企業の1社となった。ファッション業界でその認証を受けている企業にはオールバーズ(Allbirds)やヴェジャ(Veja)、クロエ(Chloé)などがある。
現在はグリーンウォッシングが蔓延し、多くのブランドがエシカルやサステナブル、リサイクル可能、環境に配慮していると主張しているが、消費者はブランドの持続可能性の主張に懐疑的になっている。B Corpのような厳格な認証、クライメイト・ニュートラル(Climate Neutral)や1%フォー・ザ・プラネット(1% for the Planet)のような団体が提供する認定は、持続可能性に真剣に取り組んでいるブランドと顧客の善意を利用しようとしているブランドを区別するのに役立つ。
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パンガイアの最高影響責任者であるマリア・スリヴァサバ氏が、B Corp認証を取得するプロセスや同社のミッションを証明することの重要性についてGlossyに語ってくれた。
ーーB Corpの認証を受けるのは難しいと言われているが、そうなのか。
「そのとおり、信じられないほど複雑だ。(認証プロセスの最初のステップである)Bインパクトアセスメント(B Impact Assessment)はひとつの社会問題や環境問題にフォーカスしているわけではないので、認証を取得して維持するのは厳格で進化し続けていくプロセスになる。複数のチームの関与が必要になり、ガバナンス、従業員、コミュニティ、環境、顧客の5カテゴリーにわたる約300の多肢選択問題で構成されている。
当社の場合は、フォームの記入やあらゆる証拠の提出、確認されるまでの待ち時間、その後の実際の認証プロセスを経るというプロセス全体に約1年半かかり、事業全体で20人近くが関与した。認証を完了するために利益を超えた目標への取り組みを法的に組み込む必要もあった。
B Corpから求められているこのような方法ゆえに、この認証は非常に高い評価を受けているのだと思う。認証を達成しようとした人々はそれを実現するのがいかに難しいかを知っている」。
ーーサステナビリティ関連のほかの認証の取得を検討したことはあるか。それともB Corpだけを目指していたのか。
「当社の究極の目標は、最初から環境に優しいビジネスを設計することだった。最終的に、当社と当社の製品すべてが存在することによって環境を向上させるという大きな夢がある。設立1年目でB Corp認証を申請しており、人々と環境のために最高の社会的・環境的基準に応えられるように日々尽力している。
(B Corp認証を受けた会社の)コミュニティに加われたことを謙虚に受け止め、また誇りに感じている。だが、道のりはまだ長いので、この新しいマイルストーンを基に当社のミッションを進めていく」。
ーーグリーンウォッシングが蔓延するアパレル業界において、パンガイアの持続可能性への取り組みをどのように伝えようとしているのか。
「2019年末の創業以来、幸運にも、既存のビジネスモデルを改造するのではなく、目標と革新を通してパンガイアを構築することができた。我々はデータの優先順位付けに注力してきた。それには、当社製品の大部分(2021年には83%)に対して行っているライフサイクル評価が含まれるが、これに限定されてはいない。また、結果をウェブサイトで公開している。
当社チームには、イノベーションや研究開発、インパクト(チーム)などがあり、全チームが協力して、我々が知る限り当社の主張が正確で透明であることを保証している。また、製品の影響について問い合わせてくる熱心で好奇心旺盛なコミュニティに対して当社の道のりがまだ終わりではないことを伝え続けている。イノベーションの改善には時間がかかり、また、現時点で存在するあらゆる社会的・環境的問題に対して特効薬となる材料科学ソリューションはない」。
[原文:How Pangaia is communicating its values in a heavily greenwashed industry]
DANNY PARISI(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)
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