「メタバース」の生みの親ニール・スティーブンスン氏、展望を語る

CNET Japan

 「メタバース」という言葉は、作家のNeal Stephenson氏が1992年に、「スノウ・クラッシュ」という小説の中で創り出したものだ。Stephenson氏が米ZDNetのJason Hiner編集長に語ったところによると、同氏は2021年に「メタバースから離れて人生を歩むか、メタバースで何かを成し遂げるか」、選択を迫られたという。

 同氏はラスベガスで開催されたCESでHiner編集長に、スタートアップ企業Lamina1を立ち上げることで、メタバース構築に関わる計画について語った。Lamina1は、他の人がオープンなメタバースを構築するための基盤を提供するために、レイヤー1のブロックチェーンを構築しているという。

 「何百万人もの人々が利用するメタバースを実現するには、人々が楽しめる体験が必要だという考えに基づいている」(同氏)

 現在、メタバースで期待されるような没入型体験を作り出すことに最も長けているのは、ゲーム業界の開発者だろう。Lamina1は現在、そうした開発者に助言を求めている。

 同氏によると、「そうした業界に身を置き、そのようなツールチェーンを毎日使用している人々に、どのようなことを実現したいか尋ねている」という。「人々の生活を快適なものにしたり、ビジネスの収益性を高めたりできる」ブロックチェーンサービスについて、相談している。

 Lamina1が、オープンなメタバースの基盤を築くことに尽力しているのはなぜだろうか。

 「インターネットの仕組みについて考えてみると、ワールドワイドウェブ(WWW)は本質的なオープンな標準の上に成り立っている。公開されているオープンなプロトコルがある。もちろん、インターネットにはクローズドソースなものも存在し、それによって多くの収入を得た者もいる。しかし、インターネットが急成長を遂げ、多くの人が導入した根本的な理由は、コンテンツを作成するために誰もが利用できる、一連のオープン標準があったからだ」と、同氏は説明する。

 「そのため、インターネットとWWWで成功したことが、オープンなメタバースでも成功するかもしれないと考えている」(同氏)

 ブロックチェーンは、オープンなメタバースを構築する上で必要な機能と、大きく重なる部分があるという。例えば、支払いの規模を拡大する機能や、誰が自分のIPを使用しているかを追跡する機能などだ。

 「Web2ではクリエイターの権限の一部が失われてしまったが、個々のクリエイターの要求をより意識した仕組みを作れば、Web3で取り戻すことができるかもしれない」と、同氏は語っている。

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この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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