年末年始の当サイトでは、狂ったように日本中の福袋を開けまくっている。現時点(2023年1月4日夜)で、その数なんと170。福袋に関して一分の隙も無いように見える。
がしかし、ここに来て未だ紹介されていないタイプの福袋があるという噂が、耳に入って来た。なんでも自販機で購入できる、どこかの社長の福袋なのだとか。意味がよくわからないが、詳細を確かめるべく記者は現場へ飛んだ。
・社長発見
自販機で福袋が買える、というところまでは良いだろう。理解できる。しかし、社長がよくわからん。社長が作ったのか、それとも社長は隠語で何か別のことを意味するのか。謎過ぎる。
話によれば、その自販機は奈良県の香芝市に設置されているらしい。香芝市は奈良市から車で1時間ほどかかる場所にあり、大阪都市圏のベッドタウンとしても知られる。
住みよさそうな街ではあるが、県外からわざわざ来るような場所ではない。つまりその自販機は、地元民向けに作られたのだろうと考えられる。社長も奈良の人なのだろうか。
色いろ考えながら車を走らせ、ようやっと到着だ。なるほど、ソレっぽい水色の自販機が見える。側面に「うまいもん北海道」と書かれているので、恐らく北海道の食品を取り扱っているのだろう。
つまり社長はこの自販機を設置した会社の社長のことか。なんとなく納得しながら自販機に近づき、その表示を見ると……。
いた。社長、いた。葉巻をふかしニヤついた、ちょっと昭和な感じの社長いた。説明書きによれば、自販機設置の1周年を記念して作られたものらしい。
「迷っているあなたは間違いなくコレ」と推しているくせに、いざ購入すると取り出し口で詰まる恐れがあるという。何度か自ら試してみて、詰まっちゃったんだろうな。
何故作った、そして結局社長が何なのかがよくわからない。福袋が詰まった時用の連絡先がその場に書いてあったので、よほど電話して聞いてみようかと思ったほどだ。
・とりあえず買ってみた
悩んでいても仕方がないので、とりあえず買ってみることにしよう。2000円ぽっきりとのことなので、1000円札を2枚入れようとするも、なぜか1枚しか受け付けてくれない。
もしかして自販機が機能していないのかと、適当にボタンを押すと、ほかの商品・北海道レアチーズケーキが出てきた。ふむ、動いてはいるようだ。
気を取り直して1000円札と小銭を駆使して、ようやく購入。社長レベルとお近づきになるには、やはりそれなりの段階を踏まねばならないようである。
ただし散々脅してきた詰まりについは、難なくクリアできた。良かった。そんなこんなで手にした袋を見ると、そこには北海道のものがパンパンに詰まっていた。
ありがとう、どこの誰だかわからない社長……あなたの気持ちだけはシカと、受け取りました。そんな社長の福袋、気になる中身は以下の通り。とくとご覧あれ!
・自動販売機 うまいもん北海道「社長の福袋」税込2000円
・北海道どんぶり屋十勝豚丼
・藤原製麺 札幌銀波露濃厚とんこつ醤油
・北海道真っ赤なビーツのポタージュ
・北海道秋鮭・とろろ昆布茶漬け
・北海道野菜ふりかけ
・じゃがポックル 1袋
・純正バタークッキー 4つ
・白いブラックサンダー 2つ
・社長はきっと奥ゆかしい
きっとここの社長は、ガハハな見た目に反して控え目なんだな。大箱に入っていたであろう、じゃがポックルをわざわざバラして1袋だけ入れてくれるところに、奥ゆかしさを感じる。
純正バタークッキーなんかも、こちらの負担にならないようにとの、ささやかな気持ちなのだろう。きっとそうだ。
正直、思っていた社長像とは違うが、ありがたく頂戴する。はじめて見る商品が多数で、この商品の奥にまだ見ぬ社長の笑顔が見える気がする。知らんけどな。
とにもかくにも、社長には楽しませていただいた。感謝の気持ちでいっぱいだ。いつの日か、社長にお会いできるのを楽しみに、まずはじっくりこちらの袋の中身を楽しむことにしたい。ありがとな! 社長っ!!
・今回紹介したお自動販売機の情報
店名 自動販売機「うまいもん北海道」
住所 奈良県香芝市瓦口2306
参考リンク:Twitter@mutsuboshi_club
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.