サッカー森保代表監督続投!!日本人の驚異の身体能力とは?

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さて、2023年、はじまりましたね。昨年、サッカー日本代表はFIFAワールドカップ2022カタール大会で優勝候補のドイツ代表、スペイン代表を破り大いに盛り上げてくれました。長友佑都の魂の叫びとも言える「ブラボー」も流行語になり、この先が大いに注目される中で一年を閉じました。一定の収穫があった1年と言っても良いでしょう。

森保代表監督と岸田首相 岸田首相SNSより

森保一監督の続投決定!!海外からのブラボー!!

その中で、年末に次のW杯までの森保監督の続投が報じられました。

このニュースには国内外のサッカーメディアから「ブラボー!」の声が上がっています。私が見た限りですが、主に海外のブラボーの中身は2つあるようです。一つは礼儀正しさなど人柄面です。サポーターに深々とお辞儀をして、ここまではっきりと感謝を伝えられる監督が他にいるでしょうか。海外メディアはこの姿勢をもって代表監督に足りる品格を見て取ったようです。

そして、これは些か寂しい話ですが、サッカー小国と思われていた日本代表を率いての優勝候補のサッカー大国2カ国への勝利、これも評価されていたようです。予選リーグ敗退が予想されていた小国を率いての世界9位という実績、海外メディアから見るとブラボーの声に値するようです。

森保監督の続投がベストだったのか?

しかし、目標の達成という意味ではどうでしょうか。カタール大会では試合巧者のクロアチア代表に敗れ、目標に掲げたベスト8には届きませんでした。

目標を達成できなかった監督は交代するのが常です。実際、続投に反対する声もありました。

例えばW杯フランス大会で日本代表のエースだった城彰二などが反対意見を示していました。「日本人監督ではW杯を勝ち抜けない、世界を知るワールドクラスの監督を!」という長年言われ続けてきた言葉も今回の反対意見になっています。

代表監督に求められるスキルとは?

ですが、代表監督に求められるスキルは勝敗に直結するゲームマネジメントだけではありません。チームの意識や雰囲気を整えるチームマネジメント、サッカー協会や協賛企業、関連団体との円滑なコミュニケーションを維持するメンテナンススキルなど、「(ゲーム以外の)その他の部分」の能力も求められます。

最後の外国人監督になったハリルホジッチ監督は実績豊かでとてもゲームマネジメントに長けた監督でした。ただ、「その他の部分」はあまりいい声が聞こえてきませんでした。

一方で「その他の部分」が整わなければ監督も選手もゲームに集中できるはずがありません。森保監督は、これまでの4年余りを通して「その他の部分」で保証書のようなものがあると考えられます。次のW杯は約3年半ごと比較的準備期間が短いこともあり、ゲームに集中できるという意味で、まずは良い選択だったように思われます。

8年の長期政権の意味

次のW杯まで無事に指揮を執れば日本代表監督としては異例の8年という長期政権となります。まず、この長期政権のメリットについて考えてみましょう。

実は8年というと日本代表監督としては長いのですが、W杯常連国の中では決してそうではありません。たとえば、2021年に15年務めて退いたドイツ代表のレーブ監督、2010年にスペイン代表をW杯優勝に導いたデル・ボスケ監督の8年など、必ずしも「異例の長期政権!!」と驚かれるようなものではありません。

逆に日本代表の場合はこれまでが短かったと言うべきでしょう。W杯の各大会を目標とした4年政権が基本だったように見えます。その間、良くも悪くも「新陳代謝」が繰り返されてきました。

例えば2002年W杯日韓大会を率いたトルシエ監督が徹底した規律を導入した一方で、次のジーコ監督は選手を信頼する自主性を重視する方針でした。つまり、前向きな新陳代謝ではなく、日本代表サッカーの「試行錯誤」を繰り返していたようなものです。当然のことながら、一貫した「日本らしいサッカー」の追求ができていませんでした。

もちろん、森保監督の目指すサッカーが「日本人に最適なサッカー」かは未知数ですが、2022年カタール大会で披露したサッカーの発展形が生まれることは期待できそうです。まずは日本サッカー協会の決断を「ブラボー!」と考えて応援したいですね。

森保監督以外は引き出せなかった日本人の驚異の身体能力とは?

では、ゲームマネジメント、特にサッカーのあり方(サッカーフィロソフィー)についてはどうでしょうか。ドイツ代表、スペイン代表を破った闘い方、この闘い方を貫くべきなのでしょうか?

ここからは私の所感になりますが、この2戦の闘い方ではなく、この2戦で確信を持てた日本人の「驚異の身体能力」を活かしたサッカーを展開してほしいと思います。日本人の驚異の身体能力…などというと「何を馬鹿な?」と思われるでしょうか。

もちろん、日本ではフランス代表FWエムバペのようなウサイン・ボルトなみの走力と技術を兼ね備えた選手はなかなか出てこないでしょう。ドイツ代表のようにプロレスラー並みにパワフルな大男を揃えることも難しいでしょう。

ですが、実は外国人の多くは日本人の3つの身体能力に驚くのだそうです。それは、アジリティ(俊敏性)、足腰の強さ、そして持久力です。さらにこれらの身体能力を組織の中で献身的に活かせるのです。ドイツ代表、スペイン代表を破れたのも、この外国人から見たときの驚異の身体能力が活かされたからこそ、圧倒的にボールを持たれても粘り強く戦えたと言えるでしょう。

この日本人選手のストロングポイントを活かしたまま、クロアチア代表のような試合巧者ぶり、すなわち局面に応じたプレースタイルの変化を組織的に行う力を身につけることができたら…。こんな日本代表のサッカーを夢見ることが出来るのは、日本人の「驚異の身体能力」を引き出せた森保監督が続投するからこそと言えるでしょう。

さあ、2023年、森保“新生”ジャパンのブラボーな出発を楽しみに応援しましょう。

杉山 崇(脳心理科学者・神奈川大学教授)
「心理学でみんなを幸せに」を目指した心理学研究が専門。企業や個人の心理コンサルティングや心理支援の開発、NHKニュース、ホンマでっかテレビ、などTV出演も多数。厚労省などの公共事業にも協力。サッカー日本代表の「ドーハの悲劇」以来、日本サッカーの発展を応援。大人のゼミナール「幸せになる心の使い方」を主催、メンバー募集中。
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