ウェブはスイスではなくフランスで発明された

GIGAZINE
2023年01月01日 20時00分
メモ



ウェブの開発にはさまざまな人々が携わっていますが、最もよく知られているのが、CERNに勤務していティム・バーナーズ=リー氏がハイパーテキストシステム「WorldWideWeb」を開発したことによる貢献です。CERNの所在地から「ウェブはスイス発祥」と言われることがありますが、実は厳密にはフランスだったとデザイナーのデビッド・ガルブレイス氏がブログで指摘しています。

Tim Berners-Lee: Confirming The Exact Location of the Invention of the Web | david galbraith
https://davidgalbraith.org/uncategorized/the-exact-location-where-the-web-was-invented/2343/

ウェブの誕生は技術史にとって重大な出来事であり、後世の人のためにもどこで生まれたのかをはっきりさせたいと思ったガルブレイス氏は、バーナーズ=リー氏に連絡をとって、1989年にウェブを開発していた当時どこにいたのかを聞いてみました。すると、バーナーズ=リー氏から「CERNの31号館にいました」との回答が返ってきたとのこと。

CERNはスイスとフランス国境にまたがって立地しており、スイスにある建物もあればフランスにある建物もありますが、31号館はフランス側にあります。

とはいえ、ウェブ発祥の地がスイスかフランスかは難しい問題です。CERNの敷地内に明確な国境線があるわけではなく、31号館の入り口はスイスにあります。また、ウェブの構想を練っていた当時、バーナーズ=リー氏の自宅はフランスにありましたが、ウェブが開発されていた時はスイスにある賃貸住宅に住んでいました。

こうした点を踏まえた上でガルブレイス氏は、「ウェブ誕生はCERNの31号館で起きたものであって特定の国ではありませんが、技術的にはフランスです」と結論付けました。

さらに、バーナーズ=リー氏は自分がウェブを開発した部屋まで覚えていました。そこで、ガルブレイス氏がその部屋を訪問してみると、部屋はポーランド出身の技術者が使っていたとのこと。まさかウェブが開発された部屋だとは知らなかったという技術者は、そのことを聞かされて大いに喜んだそうです。


ガルブレイス氏とのやりとりがきっかけなのかは分かりませんが、バーナーズ=リー氏はフランスのメディアからのインタビューにも「地図を見ると、31号館はフランスにあるので、確かにウェブはフランスで生まれたと言えますね」と答えています。

Tim Berners-Lee: “Oui, le Web est né en France….” – Challenges
https://www.challenges.fr/high-tech/tim-berners-lee-oui-le-web-est-ne-en-france_151444


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