ValveはSteam Deckの開発時に100人以上のオープンソースデベロッパーに開発費を支払っていたことが明らかに

GIGAZINE


by Tamahikari Tammas

ゲーム配信プラットフォーム「Steam」の開発元であるValveはモバイルゲーミングPC「Steam Deck」の開発にあたってProtonMesaなどの開発に取り組む100人以上のオープンソース開発者に開発費を支払っているとSteam DeckのデザイナーであるPierre-Loup Griffais氏が明かしています。

Valve answers our burning Steam Deck questions — including a possible Steam Controller 2 – The Verge
https://www.theverge.com/23499215/valve-steam-deck-interview-late-2022

The Vergeのインタビューの中で、「何名でSteam Deckは開発されましたか」という質問に対しGriffais氏は「Steam DeckはValveの20~30人のハードウェアチームで設計に2年間を費やし、社内の他の部門も一体となることで開発されたデバイスです」と述べています。また、Griffais氏はValveがLinuxやChromebook向けのSteamを開発しているほか、ProtonやMesa、Vulkanの開発に取り組む100人以上のオープンソースデベロッパーに直接開発費を支払う分散型の取り組みを行っていると説明しました。


Valveが開発するSteam DeckはLinuxベースのSteamOSを搭載したモバイルゲーミングPCですが、一般的なPCゲームはWindows上での動作をサポートしているのみです。そこで鍵を握るのがWindows向けに開発されたゲームをLinux上でも実行できるようにする互換レイヤーの「Proton」です。ProtonによりほとんどのWindows向けゲームがLinuxでそのまま動作できるようになっていることが明らかになっていますが、Valveはこの互換性をさらに高め、可能な限りすべてのWindows対応タイトルをLinuxでもプレイできるようにすることを目標としているそうです。

Valveの支援により、Linuxでプレイできるゲームへの投資は年間数億円規模にまで拡大しています。

また、Griffais氏は「ValveとRed Hatがなかったら、LinuxデスクトップとLinuxゲームは現状から何十年も遅れていたことでしょう」と述べ、「本来すべてのゲームのターゲットプラットフォームではないLinuxベースの環境でPCゲーム技術が成功するためのさらなる戦略があります」と明かしています。


Griffais氏のこの発言に対し、海外掲示板のRedditのあるユーザーは、「ValveがProtonに取り組み始めるまでにはLinuxマシンをゲームマシンとして使用することは現実的ではありませんでした。過去3~4年間のLinuxでのゲームの改善には驚かされます」と述べ、ValveによってLinuxのエコシステム全体が改善されたことを称賛しています。

一方であるユーザーは、Valveについて称賛しつつも「Valveは何もないところから何かを作成したわけではなく、すでに存在していたものに資金を提供することでValve独自のブランドとして作成・公開しています」と反論しています。

Griffais氏と同じくSteam Deckのデザイナーである Lawrence Yang氏らは、「私たちはSteam Deckのソフトウェアを無期限に更新することを計画しているだけでなく、Steam Deck本体は開発段階であり、Steam Deckは今後多世代にわたる販売が行われる予定です」と述べています。
なお、Steam Deckは2022年12月17日(土)から日本での販売がスタートしており、GIGAZINEでも実際にレビューしているので気になる人はチェックしてみてください。

エルデンリングや塊魂をいつでもどこでも遊べる「Steam Deck」でいろんなゲームをプレイしてみた – GIGAZINE


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