パリス・ヒルトン のY2Kスタイルがデジタルファッションに登場:Web3で自称「メタバースの女王」活躍中

DIGIDAY

パリス・ヒルトン氏が所有する11:11メディア(11:11 Media)は、12月13日(火曜日)にアバタープラットフォームのジニーズ(Genies)で「Y2Kスタイルへのラブレター」としてアバターファッションコレクションをローンチした。この動きはセレブリティの定評あるパワーを活用してデジタルウェアラブルの価値を推進するものだ。

定番トラックスーツのデジタルコレクション

ヒルトン氏は9月に自分のレーベルでアイコニックトラックスーツ(Iconic Tracksuit)
コレクションを発表した。それに続いて、自称「メタバースの女王」は、いまデジタル分野の自分のコミュニティとおなじみのY2Kスタイルのファンに応えている。ベロア製トラックスーツは2000年代初頭のヒルトン氏の定番スタイルだった。キム・カーダシアン氏のブランド、スキムズ(Skims)は、2020年10月にベロア製トラックスーツの新コレクションの広告キャンペーンでヒルトン氏を起用した。

ピンクがテーマのこのアバターコレクションは、サングラス、ヘッドフォン、プラットフォームシューズ、メタリックのトラックスーツという未来的なウェアラブル4点からなる。トラックスーツには「スリヴィング(Sliving)」や「ザッツ・ホット(That’s Hot)」などヒルトン氏の定番キャッチフレーズがラインストーンで施されている。

「私はファッションを通じて自分を表現するのが大好きだ。クリエイターがファッションセンスやクリエイティビティを表現する機会がWeb3で与えられているのを見るのはとても楽しい」とヒルトン氏。「(ファンは)私のウェアラブルをカスタマイズして友人たちと共有できるので、皆に楽しんでもらえる懐かしいコレクションをデザインした」。

Web3でのヒルトン氏の活動

ヒルトン氏はWeb3で早くから活動し始めたセレブのひとりだ。2015年にゲーム会社のアニモカ(Animoca)と協働してデジタルウェアラブルを発表、2021年4月にはニフティゲートウェイ(Nifty Gateway)NFTプラットフォームを通じてNFTコレクションを販売した。また、デジタル世界にその象徴的な感性の専用スペースを設置してもいる。パリスワールド(Paris World)は2021年12月以来ゲームプラットフォームのRoblox(ロブロックス)にプレゼンスがあり、そして8月にはメタバースプラットフォームのザ・サンドボックス(The Sandbox)への進出も発表された。RobloxのデータによるとRobloxのパリスワールドには150万回のアクセスがあったという。

ヒルトン氏はWeb3に熱心に注力している数少ないセレブのひとりであり、ほかにはマドンナ氏ジャスティン・ビーバー氏スヌープ・ドッグ氏らが挙げられる。Web3でのヒルトン氏のアクティベーションとプロジェクトはすべて11:11メディアから生まれている。11:11メディアは、2021年10月にヒルトン氏のグローバルブランドを管理するために設立された次世代エンターテイメント企業である。エンターテイメント業界のベテランで、11:11メディアを共同設立して社長兼COOを務めているブルース・ガーシュ氏は次のように述べている。「11:11メディアは、我々の主要なビジネス分野で活躍する先見の明のある企業に投資している。ジニーズの場合は、テクノロジーとファッションとクリエイターエコノミーを結びつける真のパイオニアだ。ポートフォリオ企業との協働はエキサイティングだった」。

セレブアバター市場を独占するジニーズ

ジニーズはシリーズC投資ラウンドで1億5000万ドル(約207億円)を集めたあと、4月に10億ドル(約1378億円)の評価を受けた。同社はデジタルのファッションやホーム、体験を販売しており、アバターと専用製品作成のリーダーとしての地位の確立を目指している。また、デジタル製品の共同作成と所有を促進してクリエイターの収益源を生み出している。1月にはユーザーに所有権と商品化権利を完全に付与することを発表、タレントとクリエイターに対してジニーズアバターの作成による金銭的収入の100%を提供している。ユニバーサル ミュージック グループ(Universal Music Group)とワーナー・ミュージック・グループ(Warner Music Group)がパートナーであるジニーズは、セレブリティのアバター作成で99%の市場シェアを誇っている。

ジニーズのウェアラブルは、ジニーズスタジオ(Genies Studio)アプリ内でファンのアバターが着用できるようにデザインされている。ジニーズのユーザーはコレクションをデジタルでカスタマイズして、その結果をソーシャルメディアで共有することもできる。ファンは最終的にヒルトン氏の作品をアップデートしてそれをマーケットプレイスで販売できるようになる。アバターはジニーだけではなくジフィー(Giphy)やiMessage、インスタグラムでも使うことが可能だ。

ジニーズのクリエイター担当ディレクターであるジェイク・ベッカー氏によると、ヒルトン氏には、特にファッションという媒体を通じて世界中の人々をつなぐ文化の決定的瞬間を生み出せる優れた能力があるという。Web3のクリエイタープラットフォームはまだ比較的小規模だが、ジニーズは共同制作の機会を提供してその状況を変えようとしている。ほかのクリエイタープラットフォームにはレディ プレイヤー ミー(Ready Player Me)やディセントラランド(Decentraland)などがある。

「結局のところ、我々がフォーカスしているのはすべての人々が自分に忠実なものを作成するためのツールを提供することだ。まだ語られていないストーリーが多くあり、自分の作品を通じて自己表現して他人とつながる機会をまだ持っていない人々が大勢いる」とベッカー氏。「我々の考えでは、次のビッグなファッションブランドやデザイナー、インフルエンサーはアバターエコシステムビルダーという形で我々のツールから誕生すると思う」。

[原文:Paris Hilton’s Y2K style is coming to digital fashion

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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