アマゾンの「バーコード廃止」に向けた取り組み ほか【中島由弘の「いま知っておくべき5つのニュース」2022/12/8~12/15】

INTERNET Watch

1. 急上昇した検索キーワード、グーグルが発表

 グーグルが昨年と比べて急上昇した検索キーワードのランキングを発表している(Markezine)。調査期間は2022年1月1日から11月24日まで。

 それによると、「安倍晋三」「上島竜兵」など、亡くなられたことが大きく報じられた方のお名前が上位にランキングされるなか、3位には「au通信障害」が入っていて、その影響が甚大だったことを物語っている。また、単語の意味を調べるのに使われる「○○ とは」という検索や何かの方法を調べる「○○ 方法」という検索のランキングもある。「月を綺麗に撮る 方法」は皆既月食を撮影したいという人が多かったということだろう。単に検索単語だけではないこうしたランキングをながめると、今年の1年を振り返るのにより適しているように感じる。

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  • 2022年、よくググられた言葉は?平野歩夢氏やAdoの楽曲、チェンソーマンが上位[Markezine

2. iPhoneの「衝突事故検出」で2人が救助される

 先週、iPhoneの衛星通信機能を使って北米大陸で遭難者が救助されたニュースについて触れたが、今週は、iPhoneの「衝突事故検出」と衛星通信による「緊急SOS」機能で、救急隊が事故車に乗っていた2人を救助したという話題が報じられている(CNET Japan)。もちろん、こうした事故が起きないことが望ましいわけだが、まさに想定されていたシナリオ通りの救出劇といえるのではないだろうか。

 記事によれば「携帯電話サービスが利用できない地域だったため、(iPhoneは)衛星回線を利用して通報し、テキストメッセージ経由で被害者を中継センターにつないだ。その後、センターが被害者の代わりに救助を要請した」とされていて、救助に向かう側もこうした通報に戸惑うことなく、現場へ向かえるという体制が必要だろう。

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  • 「iPhone 14」が車の事故を検出、衛星経由で通報–カリフォルニア州で2人を救出[CNET Japan

3. アマゾンの「バーコード廃止」に向けた取り組み

 アマゾンの物流倉庫はロボットなどによって自動化されていることが折に触れて報じられているところだ。しかし、物流ラインで商品の識別をするためには「バーコード」は扱いにくいもののようだ。確かに、スーパーのレジでも読み取りに苦労している場面をよく見る。

 アマゾンはこのバーコードに頼らずに商品の識別をしようという取り組みをしていることが報じられている(CNET Japan)。記事によれば「商品画像を使用してコンピューターモデルをトレーニングすることにより、ベルトコンベヤーを次々と流れる商品を監視して、それらが画像と一致していることを確認できる、カメラシステムを開発した」とされている。

 技術的には可能なことは分かっていただろうが、問題はその精度をどこまで上げることができるかということだ。記事では「精度はおよそ99%」としていて、ほぼ間違いなく識別ができるところまでたどりついたようだ。

 こうした技術進歩は他の物流分野でも求められているところだろう。物流経路での効率化は消費者には見えないところで競争と進歩を続けている。

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  • アマゾン、バーコード廃止に向けた取り組みを公開[CNET Japan

4. チャットできるAI「ChatGPT」とは

 「ChatGPT」とは、AIに取り組む米国サンフランシスコベースの企業OpenAIによって開発された自然言語処理ツールだ。このツールに関する記事が増えつつある(ZDnet JapanCNET Japan)。

 ChatGPTは「人間を相手にしているときと同じような会話を可能にするなどの機能」がある。現在、研究開発のために無料で一般公開されており、テキストで質問をすると回答を返してくる。また、「簡単な質問に答えること以外にも、さまざまな機能を備えている。例えば、エッセイを作成したり、アートを詳細に説明したり、AIアートのプロンプトを作成したり、哲学的な会話をしたりできる」ということだ。

 こう説明すると、いよいよキーワードによる検索に終わりを告げ、質問に答えるAIが登場したのかと思われるが、まだまだ課題も多い。質問が複雑だと回答ができないこともあり、平易な質問に分解する必要がある。これはご愛嬌だとしても、「もっともらしく聞こえるが実際には全く意味を成さない回答」もあるようだ。さらに「あいまいな質問をされたときに、ChatGPTは説明を求める代わりに、その質問の意味を推測しようとするので、質問への回答が、全く想定していなかったものになる」ということもあるようだ。この「もっともらしい回答」がややこしい。回答を信じてはいけないのだ。その真偽を見極めるのは質問した人自身という矛盾が生じる。これを解決するにはいましばらくかかるかもしれないが、この分野の技術進歩は侮れない。2022年はAIによる画像生成が話題となったが、2023年はこうしたチャットボットに大きな進化が見られそうだ。

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  • 「ChatGPT」とはどんなものなのか–OpenAIの対話AIを知る[ZDnet Japan
  • チャットできるAI「ChatGPT」は人の仕事を奪うか?[CNET Japan

5. Twitterの休眠アカウント削除で故人アカウトはどうなるか

 ツイッターのイーロン・マスクCEOは「“何年もの間”ツイートもログインもしていない休眠アカウント」約15億個を削除すると予告している(INTERNET Watch)。“何年もの間”がどのくらいの期間かは明らかではない。そもそもアカウントを作ったことやパスワードを失念するなどで使用しなくなったもの、イベント用などで一時的に作ったものもあるだろう。だが、最も扱いが難しそうなのは、故人のアカウントだ。この新たな運用ルールで故人のアカウントがどうなるのかということに懸念の声がある。これを残したいという人も当然いるが、あくまでも「ツイート」とは一過性のものという観点からこだわらない人もいるようだ。また、アカウトを削除したのち、そのアカウント文字列が再利用されるのかどうかも明らかではない。ドメイン名でも起きた問題だが、無効化したのちに、別の人がその文字列を使用すると、誤解を生じることになるのは想像に難くない。

 イーロン・マスク氏はこうした使用されていないアカウントの存在について、買収前から「水増し」であるという指摘してきたこともあり、今後、何らかの手を打つのは間違いないとみられる。ユーザーとしては、とりあえず維持したいアカウントにはログインをしておくという対処方法しかなさそうだ。

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  • Twitterのイーロン・マスクCEO、何年もアクティブでない休眠アカウント約15億個の削除を予告[INTERNET Watch

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