いわゆる「防衛三文書」発表:反撃能力明記は評価も中国へ配慮は残念

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こんにちは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。

防衛省・自衛隊:「国家安全保障戦略」・「国家防衛戦略」・「防衛力整備計画」
https://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/guideline/index.html#

我が国の安全保障戦略の根幹を形作る、いわゆる「防衛三文書」の改訂版がついに発表されました。膨大な文量ですが、こちらについて簡単にブログでもコメントをしておきたいと思います。

全体として、我が党が提言した内容も多く取り入れられており、一定程度、評価できる内容になっています。

特に報道等にある通り、「反撃能力」が明確に打ち出されており、抑止力としての位置づけや専守防衛との関係性の整理などは維新の提言に近いものです。反撃能力についての記載はかなり力を割いている印象です。

一方で、反撃力の行使のための手続きは緊急事態に即応できるとは思えず、現実的に機能するか疑問が残ります。

また、必要最小限の定義は変化するのですから、反撃能力の具体的手段はスタンドオフミサイル等に限る必要はなく、使用可能な武器の範囲に制約を設けるべきではありません。

反撃力行使のための手続きが現実的に運用できるのかという懸念も残っており、このあたりは引き続き、具体的なシナリオ策定に向けて議論を深めていく必要があります。

また、我が国の明確な脅威となっている中国については「深刻な懸念」などの書きぶりに留まっていますが、軍事的脅威と位置づけて腰を据えた対応の強化を打ち出すべきでした。

いずれにしても防衛三文書は前回改訂から大きくトーンが変わり、ウクライナ危機や北朝鮮の暴発などを背景に国際社会の現実を見据えたものになっていることは大きな前進です。

来年以降は一層の安全保障の強化とともに、憲法などの議論も時代に即して進めていかなければなりません。

次期通常国会の中でも、維新はリアリズムの見地からしっかりと政府与党を動かす提言を続けてまいります。

それでは、また明日。

岸田首相 Rawpixel/iStock


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2022年12月15日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。

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