公共の宿はあなどれない! 実は有名建築家が建てた「フォレストイン益子」が良すぎる【税金で遊ぶシリーズ 第1回】

ロケットニュース24

税金が高すぎる!!

いきなり「ハズキルーペ」の渡辺謙か「楽天モバイル」の米倉涼子みたいなテンションで始めてしまったが、喜んで税金を払っている人なんてほとんどいないと思うのだ。さらに、ここの来て円安で値上げラッシュもあって、キビシーことこの上ない。

で、ここからが本題なんだけど、実は公共の文化施設とか公共の宿は、穴場が多いのだ。

しかし、そうした施設は民間じゃないため大々的なアピールをしておらず、知られてない場所も多い。さらに、税金を投じているため利用者がいないとあっさり無くなってしまうこともある。

人はパンのために生きるのではない。せっかく税金を払ってるなら、こういうのは活用して遊ばないと損だぜ……ってことで、「税金で遊ぶシリーズ」と題して実はすごい宿や図書館を紹介したいと思う。

第1回は栃木県・益子町にある宿泊施設「フォレストイン益子」である。

・焼き物の里・益子

「フォレストイン益子」を知ったのは本当に偶然だった。私は食器集めが好きで、おしゃれな器店や窯元が集まる益子に友人たちと定期的に旅行している。

しかし益子はお店が閉まるのが早い。せっかくなので泊まりでじっくり窯元めぐりをしたくなり、宿泊施設を探していて、友人が見つけたのが「フォレストイン益子」だったのだ。

宿の公式サイトはなく、益子町ホームページに簡単な情報があるだけ……。1泊6000円ほどとずいぶん安いので、ベッドと風呂がついてるだけだろうな……と思っていた。

宿は「益子国民休養地 益子の森」という、大きな市民の森に併設されている。

まず驚いたのが、建物が新しくておしゃれなこと。

アーチを描く廊下に日差しが入り込んで、石畳と木材のコントラストがキレイだなあと思っていたら、実は内藤廣さんという有名な建築家の方が設計したデザイナーズ建築らしい。建築の賞もとっていた。

全体的にロッジのような造りになっていて、部屋が広くて天井が高い! 

どの部屋も大きな窓のあるロフトがついていて、夜にはここから星空が見えるし、朝は明るくて気持ちいい。

ちなみに、壁のドアを開けると、隣の部屋と行き来できるようになっていて、家族やグループで泊まるのも楽しい。

お風呂は温泉付きなどではないけれど、広くて使いやすい感じ。ちなみに、インターネット、Wi-Fiがないのと、ドライヤーの風力が弱いことだけ注意。


・朝食が美味

基本的に素泊まりになっているのだが、併設されている「レストラン暁」で、プラス1100円で朝食を注文できる。

この朝食がまた、地のものを使ったヘルシーなメニューでとても美味しいのである……!

益子で採れた野菜をたっぷり使った鍋に……

栃木らしい藁入りの納豆とご飯、お味噌汁……

卵焼き、魚にお漬物……。

シンプルな日本の朝食なのだが、しみじみと美味しいのだ。そうそう、こういうのがいいんだよ……。


・昼は自然散策、夜は天体観測

フォレストイン益子はいわゆる市民の森のような場所に併設されていることもあって、自然を楽しめるようになっている。

近くに民家や大きな建物が少ないこともあって、夜は星がよく見える。宿のとなりに「天体観測施設スペース250」という施設があって、中には北関東最大級の天体望遠鏡があるらしい。

こちらは流星群の時期や、皆既月食のときなど、定期的に鑑賞会も開催している。天体観測が好きな人にとっても、なかなか良い施設なのではなかろうか。流星群のときなんかに狙って泊まると、流れ星がたくさん観測できそう。

となりの「県立益子の森」は4kmほどの散歩道がある広大な土地。

森の中に吊り橋があったり、展望台があったりする。

なかなかアップダウンもあって、ちょっと歩くだけでもいい運動になった。

早起きして散策すると、山の冷たい空気が清々しくて気持ちいい。私が行ったのは冬だったけれど、春の桜の時期や、秋の紅葉の時期はもっとキレイだと思う。


・シンプルだけどいい場所

公共の宿なので、リゾートホテルや旅館のような豪華なサービスはない。だけど、ビジネスホテルのような風呂に入って寝るだけの場所……という味気なさもない。

その土地の自然を楽しみつつ、のんびり過ごせる……なんとも絶妙な塩梅の場所なのである

都心から益子へは車で片道2時間ほど。益子はハイセンスな店が多いので、器や暮らしのアイテムに関心がある人、シンプルライフに憧れる人は楽しめると思う。ちょっとした旅行先にオススメですぞ!


【今回訪れた場所】
フォレストイン益子
住所 栃木県芳賀郡益子町大字益子4231番地

参考リンク:益子町ホームページ
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.

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