Google のプライバシーサンドボックス、Androidに進出:「プライバシーポリシーの遵守に関してまったく新しい時代に突入しつつある」

DIGIDAY

プライバシー保護義務が、マーケティング業界を根本から変えつつある。その変化の波に大きくさらされているのがアドテクだ。

最初にスタートの合図を鳴らしたのはAppleだった。そしてAppleが行くところ、Googleもあとをついていかなければならない。

AppleがiOSに課した制約によってモバイルマーケティングの従来の常識は通用しなくなり、かのFacebookもSnapchatも、その巻き添えを食らった。そして今、同様の変化がAndroidに迫りつつある。

世界の全携帯電話の約7割は、Googleが管理するOSであるAndroidだ。そのGoogleが、2023年早々にもプライバシーサンドボックスのベータテストをAndroidで始めることを、11月第3週に改めて表明した。以下に、メディア業務関係者が知っておくべき主な点についてまとめる。

MAID(モバイル広告ID)

Googleの場合、MAIDへのアクセスはAppleと比べてどう変わるのだろうか。

これは、IDFA(広告識別子)として知られるAppleのMAIDを枯渇させ、iOSデバイス上のモバイル広告をいかに妨げてきたかを考えると、誰もが口にしている疑問だ。

IDFAのおかげで、アドテク界のほぼ誰もが、iPhoneユーザーに対する広告(およびiPhoneユーザーのトラッキング)で利益を上げることができていた。だが、Appleは2020年にユーザーに明示的な許可を求めるというコンセプトを導入し、以来収益化が阻まれている。

「Google広告ID」という名のGoogleのMAIDも廃止に向かって進んでいるが、(予想されるとおり)廃止は段階的に行われるようだ。情報筋が米DIGIDAYに語ったところによると、GoogleはすでにAndroidデバイスにおけるオーディエンスターゲティングの今後の計画についてアドテク企業とのミーティングを開始しているそうだ。Appleの一方的なアプローチとはかなり対照的である。

アドテク企業バーブ・グループ(Verve Group)のCOOを務めるマイク・ブルックス氏は、AppleとGoogleのアプローチが対照的であることを指摘しながら、Googleのより協調的なプロセスを称賛し、「採用されなければうまくいかないことを彼らも承知している」と付け加えた。

モバイル広告業界にとって朗報なのは、Googleが「少なくとも今後2年間」はGoogle広告IDの現状維持を約束したことである。メディア取引の一次関係者たちに対しては、2023年のベータテストが始まる前に広告配信・効果測定パートナーと連絡を取ることを推奨している。

APIのテスト

新しいソリューション(つまりAPI)のテストを希望する場合のアカウント登録プロセスでは、TopicsFLEDGEAttribution ReportingといったGoogle Chromeのプライバシーサンドボックスのいつもの顔ぶれが並ぶ。

Android固有のものとしてはSDKランタイムがある。クローズドベータテストの参加者募集がすでに開始されているSDKランタイムは、メディアオーナーとパートナー企業(効果測定プロバイダーなど)とのあいだでの承諾の共有をさらに制限する手段だ。

Googleの現ポリシーでは、アプリ内効果測定を行う企業などのサードパーティのSDK開発者に対し、実質的にAndroidアプリの提供元と同じ許可が与えられる。

このポリシーによって、サードパーティのサービス開発者が自社SDKとクライアントのアプリのコードを統合しやすくなっている。パッケージングされたアプリはホストアプリの開発者がアプリストアに提出し、流通される。だが最新案では、アプリ提供者のパートナーも各自のSDKを提出し、Googleがその中身を精査して承認または却下する。

11月第3週、Googleのプロダクトマネージャーであるライアン・フィッツギボン氏は「来年早々にプライバシーサンドボックスのベータをAndroid 13搭載のモバイルデバイスに展開していき、開発者が新しいソリューションに対するテストの次の段階に進めるようにする」と書いている

コンサルティング企業BLP101の創業者でCEOを務めるベン・フィリップス氏によれば、Googleがユーザーの承諾を得ずに位置情報をトラッキングしていたとして3億9200万ドル(約549億円)の罰金を課せられていたという事実が、Google(と業界全体)が今後の変化にいかに真剣に取り組まなければならないかを痛感させるという。

フィリップス氏は「プライバシーポリシーの遵守に関してまったく新しい時代に突入しつつある。法的なガイドラインの多くはしばらく前から提供されているため、DPOやCMOが今さら驚く内容はないはず」といいながら、サンドボックスのテスト結果についてはすべてに政府当局の承認が求められることを指摘する。

「これまでは規則で引かれた線を外れても『有罪対象』となる危険性は少なかった。だがそれも過去の話だ」。

[原文:Google’s Privacy Sandbox is coming to Android

Ronan Shields(翻訳:SI Japan、編集:黒田千聖)

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