タグビュー回数5億強。「 スラッギング 」がコンセプトの新しいスキンケアブランド

DIGIDAY

ニキビ用パッチやスキンケアを扱うスターフェイス(Starface)や、水溶性のパッケージに入ったシートタイプのボディウォッシュで知られるプラス(Plus)、緊急避妊薬を販売するジュリー(Julie)を設立してきたジュリー・ショット氏とブライアン・ボーダイニック氏が、新たなスキンケアブランドを立ち上げた。新ブランド「フューチャーワイズ(Futurewise)」は、サイト(https://futurewise.world/)を通じて消費者に直接販売する。11月上旬にはインスタグラムのアカウントや、ニューヨーク市とロサンゼルスのOOHポスターにて、ブランド立ち上げのティーザーを実施した。TikTokでも施策を行うが、両氏とも詳細を明らかにしなかった。

同ブランドは、3つの製品で構成され、顔に覆いかぶさるように塗る「スラッギング」から着想を得ている。肌にワセリンなどを塗り込むというケア自体は目新しいものではなく、両氏ともそれを熟知している。だが、スラッギングというキャッチーな名称(スラッグという言葉には「ナメクジ」の意味もある)や、TikTokでこのタグのビュー数が5億1,100万回に到達するなど、トレンドは昨年から大きな盛り上がりを見せている。

想定ターゲットは、年齢が少し上でニキビができにくい人たち

両氏が立ち上げてきたブランドはどれも独自の世界観があるが、フューチャーワイズはある意味でスターフェイスを拡張したものだとショット氏はとらえている。「スターフェイスの精神から成長と進化を遂げた、ほぼ延長線にあるものだ」。

とはいえ、オーディエンスにはZ世代にそれほど焦点を当てておらず、ニキビが多少落ち着いてきた少し上の年齢層が対象だ。両氏が念頭に置くのは「もう少し年齢を重ね、子どもではなくなり、大人と子どもの中間にいると思っている人たち」だとボーダイニック氏は語る。

「これら2つの世界のあいだには、とても興味深いものがある。そして、本当に面白いことができるのではと考えた」と同氏は付け加える。

ナメクジキャラクターの存在意義

それでもこのブランドには、「喜び、楽観主義、自己認識、ユーモア、遊び心を重んじる点がスターフェイスと共通する点」があるとショット氏。たとえばフューチャーワイズのチームはナメクジのマスコットが、スターフェイスを象徴するキャラクター(目が星型のスマイルフェイス)のように人々の心をとらえられればと望んでいる。ナメクジのキャラクターは「ゆっくり動くことの喜び、急ぐことを拒否する部分など、ナメクジが体現するあらゆることを形にした」とショット氏は説明する。

両ブランドのマスコットについては、ハローキティやけろけろけろっぴなどサンリオのキャラクターの世界に触発されたという。「このようなキャラクターは、世代間の絆を生み出す」とショット氏。「そしていきいきとしたキャラクターがもたらす喜びを、人間がもたらすことはほとんどない」。

ボーダイニック氏は「私たちは常に、人間としての自分たちから離れて構築したいと思ってきた」と、自身やショット氏、そして彼らのチームが築いてきたブランドを、創業者を前面に押し出してきたほかの多くの「ミレニアル世代が設立したブランド」と対比させながら説明する。

「私たちの、人間としてのアイデンティティーによって包まれたものではなく、新しい世界や新しい領域へ進出していくようなものを持つことが重要だった」。

愛情を込めて自身の肌をケアすることが軸

フューチャーワイズのイメージは自然界から着想を得ている。これは両氏が「テクノロジーに圧倒されたときに、いつでも行くことができる場所は自然」という事実から触発されたのだと、ショット氏は述べる。

このようにさまざまな側面からインスピレーションを得ることができるのは、同ブランドの製品が「愛情を込めて自身の肌をケアする」ということを中心に考えられているからだと同氏は語る。「潤いを閉じ込める、肌に刺激を与えない優しいケアだ」。

スラッギングは現在流行中だが、ショット氏もボーダイニック氏も、フューチャーワイズの未来が限定的であるかどうかを心配はしていない。「閉塞剤の使用は、効果が証明されている」と述べるショット氏は、この方法が何世紀も前から実践されてきたこと、そして皮膚科医が推奨していることにも触れる。

それでも美容業界にいる人や、BeautyTokというタグをフォローしている人にとって、スラッギングは古い情報のように感じられるかもしれない。だが、視点とはひとりひとりのバブルのなかにあるというのがショット氏の考えだ。「圧倒的大多数の一般人はこの名称を知らず、実践するための仕組みが無く、必然的にそのような習慣も持っていないもの。私たちは(スラッギングを)高く評価し、価格設定とシステムの両方を通じて人々がアクセスしやすいようにした」。

同ブランドが提唱する3ステップで、まず使うのはヒアルロン酸やグリセリンなどスキンケアのヒーロー成分を含んだ保湿成分が豊富なミスト「スラッグ・ブースト・ハイドレーティング・ミスト(Slug Boost Hydrating Mist)」で、価格は22ドル(約3,120円)。次に塗る「スラッグ・クリーム・バリア・リペア・モイスチャライザー(Slug Cream Barrier Repair Moisturizer)」は、脂肪酸やセラミドなど3種類の脂質複合体を含むもので、価格は24ドル(約3,400円)だ。そして最後に使うのが、石油由来ではないジェルを用いた「スラグ・バーム・モイスチャー・ロッキング・オクルーシブ(Slug Balm Moisture Locking Occlusive、24ドル)」で、これには水分を閉じ込める働きがある。

[原文:Meet Futurewise, Julie Schott & Brian Bordainick’s new skin-care brand based on slugging

SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:田崎亮子/編集:山岸祐加子)

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