5Gスマホで急成長のMediaTek。幅広い技術でメタバース分野にも参入

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左から、Yenchi Lee氏、Mike Chang氏、Jerry Yu氏、栫啓介氏

 MediaTekは25日、メディア向けカンファレンスを開催した。メディアテックジャパン株式会社 社長の栫啓介氏に加え、MediaTek本社からコーポレートシニアバイスプレジデントのJerry Yu氏、コーポレートバイスプレジデントのMike Chang氏、スマートフォンビジネス部門 副ジェネラルマネージャーのYenchi Lee氏が登壇し、説明を行なった。

 MediaTekは1997年に光学ディスクドライブのICデザインを行なう会社として設立。TV向けSoC事業などに参入し、2007年にはモデム事業の買収、2011年にはスマートフォンSoCへの転換なども図ってきた。

 2021年はグループ全体の売上が前年比61%増の170億6千万ドルを記録。現在では売上の半分以上にあたる54%をスマートフォン/フィーチャーフォンが占める。売上ベースでは世界第4位のファブレスICデザイン会社だという。

2021年のグループ全体の売上は前年比61%増

MediaTekは1997年に設立。以降事業を拡大してきた

スマートフォン/フィーチャーフォンが売上の半分以上を占める

5Gとともにスマホ部門が急成長

2019年からスマートフォン部門は売上が4倍に

 主要分野においては、2019年から2022年にかけて堅実に成長。4Gでは遅れをとっていたスマートフォン分野だが、5Gの拡大にともなって3年で約4倍の売上増を達成しており、エントリーからフラグシップまで幅広くカバーすることで、継続的な成長につなげたいとした。

 スマートエッジ部門では、Wi-Fiソリューションにおいてシェア1位を獲得。次世代のWi-Fi 7に対しても、ルーター製品だけでなくスマートフォン向けSoCにも搭載するなど、2023年からの本格始動に向けて取り組んでいる。また、Power Management IC(PMIC)については、今後オートモーティブや産業向けの開発も進めていくという。

 同社は中長期的な拡大を見込む半導体市場において、分野間の相乗効果や高い技術力などを活かしつつ、さらなる成長を図っていきたいとした。

幅広い製品ポートフォリオと高い技術力でさらなる成長を

フラグシップスマホ向けSoCも積極的に開発

8四半期連続でスマートフォンSoC市場で1位を獲得

 グローバルのスマートフォン市場においては、8四半期連続の出荷台数1位を獲得。5Gスマートフォン市場においてもシェアは25%を超え、着実に拡大しているという。なかでも中国におけるAndroidスマートフォンでは、2021年第1四半期から2022年第2四半期で12.1%から33.9%までシェアを伸ばした。

 スマートフォン向けSoCとしては、メインストリーム向けだけでなく、「Dimensity 9000+」などのフラグシップ製品も投入。ゲーミングスマートフォンなど高い性能が求められる製品でも採用され、ベンチマークでも圧倒的なスコアを実現しているとする。

 加えて、11月初旬には第2世代フラグシップSoCとなる「Dimensity 9200」を発表。TSMCの第2世代4nmプロセスで製造され、従来のDimensity 9000と比べてシングルコアで12%、マルチコアで10%の性能向上を謳う。

 GPUにはImmortalis-G715を内蔵。こちらもDimensity 9000と比べて32%性能が向上した一方で、41%の省電力化を図っており、電力効率を改善している。ハードウェアベースのレイトレーシングに対応した点が大きな特徴で、没入感の高いゲーム体験を実現する。

 さらに、通信面では最大7.9Gbpsのスループットやスマートビームフォーミングによる25%の高速化を図るなど、最先端の技術を詰め込んだ製品だとしている。今後も継続してフラグシップ市場を狙っていくほか、スマートフォン以外の製品も含めた5G領域での事業拡大も進めていくという。

フラグシップへの注力とともに5G領域での事業拡大を進める

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