韓国の人気アレンジ!?混ぜておいしい袋やきそば ✕ 袋ラーメンをさがす

デイリーポータルZ

韓国には、市販の袋やきそばとラーメンを混ぜあわせた「チャパグリ」という人気レシピがあるそうだ。

日本にも、おいしい袋やきそば・ラーメンはたくさんある。もしかしたらこの中にも、混ぜたらおいしい組み合わせがあるのかもしれない。

さがしてみよう、日本のチャパグリを!

韓国で流行りのカップ麺「チャパグリ」

妻が韓国にはまっている。

最近のわが家はBTSの曲がループで流れ、昨日の晩ごはんはサムギョプサルと、ブームを凝縮したような暮らしだ。

そんな妻が、このあいだ「チャパグリ」という聞きなじみのないカップ麺を食べていた。

海外らしさを感じるキャラクター
焼きそばのような見た目だが、日本のカップ焼きそばと比べると麺が太め。

しばらく前から韓国ですごく流行っていて、ぜんぜん知らなかったが最近日本でも売っているという。 

言われて気にしてみると、たしかにコンビニでも売っていた。

そしてこのチャパグリ、ただの人気カップ麺ではなく、ちょっとした誕生秘話があるそうだ。どういうことだろう?

チャパグリは「チャパゲティ」と「ノグリ」を混ぜたもの 

韓国では、昔からある定番商品として、「チャパゲティ」という袋やきそばと「ノグリ」という袋ラーメンが売られている。

どちらもメーカーは農心(ノンシン)。韓国のインスタント麺の代表格「辛ラーメン」も出している会社だ。

(左)チャパゲティ (右)ノグリ
どちらも近所のドン・キホーテで売っていた。韓国の麺だけで1コーナーつくられていて圧巻。
こちらがチャパゲティ。醤油をつけてよく焼いたお餅のような甘じょっぱい香ばしさが、太くてモチモチの麺にからむ。
そしてノグリ。辛さにくわえて、海鮮だしの味がこれでもかというぐらいに深くておいしい。すごくいい海鮮チゲ鍋の〆ラーメンのよう。

チャパグリは、あるとき誰かがこの2つを混ぜて食べたことから生まれ、人気のアレンジレシピとして広まったのだそうだ。

焼きそば とラーメン。それぞれで十分おいしいし、汁のありなしも違うが、混ぜてみようと思ったのが面白い。まるでデイリーポータルZの企画のようだ。

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思いついてくれた人ありがとう

そんなチャパグリ、実際につくって食べてみよう。

2つの麺とかやくを一緒にゆでて、
フライパンにうつしてゆで汁を大さじ3杯
そして両方の粉末ソースを全部かける。「こんなことしちゃっていいの?」という背徳感がすごい。
あとは炒めるだけで、
「チャパゲティです」「ノグリです」
「2人あわせて ”チャパグリ” で~す!」

麺を炒めていると、もうおいしそうなにおいがしてきて必死でつまみ食いを我慢する。

ただ、先にそれぞれで食べたチャパゲティとノグリは、音楽ユニットだったら解散しちゃいそうなぐらい味の方向性が違っていた。

それを混ぜあわせたチャパグリ。本当に合うのだろうか。そう思いながら食べてみると、 

うんまい!!

これがもう信じられないぐらいおいしい。

まずこがし醤油系の甘い香ばしさがきた後、海鮮のすごいうま味が追いかけてきて見事にまざりあう。

そこに辛さもアクセントとして加わり、どの味も消えずに支えあっている。誰1人取り残さない。味のSDGsだ。

これ混ぜたらおいしそうと思った人は天才だと思う。心より厚く御礼申し上げたくなるおいしさだ。

『パラサイト』をきっかけにカップ誕生

そんな、韓国の中ではもともと人気の食べ方だったチャパグリだが、2020年にその名は世界に知れわたることになる。

アカデミー賞映画『パラサイト 半地下の家族』の中で食べられていたことからブームとなり、メーカー側がカップ麺を発売するまでになったのだそうだ。

家系図で表すとこういうことです。
そして今、わが家の食卓へ。

一般人のアレンジレシピが公式で商品化されるなんてなかなかないことだろう。いろんなところから「あれ最初にやったの俺」という声が聞こえてきそうだ。 

カップのチャパグリはチャパゲティの味がだいぶ強い。手軽だしもちろんおいしいけど、袋麺を混ぜた方がよりおすすめです。
※あと、チャパゲティは厳密には焼きそばではなくジャージャー麺でしたのでお見知りおきください。
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さがそう!日本のチャパグリ

さて、韓国では一大ムーブメントとなった「袋やきそば ✕ 袋ラーメン」だが、日本にもたくさんの袋麺がある。

その中にもきっと、混ぜるとおいしい組み合わせがあるのではないだろうか。

古来よりたくさんのことを大陸から教えてもらってきた日本。ここでもそれにあやかり、日本版チャパグリを見つけたい。

焼きそばは味のバリエーションがなかったので日清焼そばに固定し、7種類のラーメンとあわせてみることにした。

ここからは、その中でおいしかったトップ3をご紹介します。 

たまたまテレビでやっていた競馬の予想。すごく似ている。

3位:日清焼そば ✕ サッポロいちばん(みそ) 

まず第3位はこちらのペア。
ソースとみそという濃い味どうしの組み合わせなので、正直な感想としてはけっこうしょっぱい。

ただ、そのしょっぱさと焼き味噌の香ばしさが意外とクセになり、ビールが飲みたくなる味だ。

チャパグリ_21.JPG
ちょっと焦がすぐらいによく炒めると、味噌の香ばしさが引き立つ。

きっと居酒屋で出てきたら、なんだかんだでチビチビずっと食べちゃうんだろうなと思う。あの揚げたパスタみたいな存在だ。

記事の途中ですが、ビール買いにいってもいいでしょうか?
いいよー!

おいしさ:★★★☆☆
クセになる:★★★★★
ビールがほしくなる:★★★★★

※この後のものも含めて、日本の袋麺の場合は粉末ソースをぜんぶ入れるとしょっぱすぎるので、半分ぐらいずつで調整するとよいです。

2位:日清焼そば ✕ ラ王 ちゃんぽん 

つづいて第2位はこちらのペア。
まず、焼きそばとちゃんぽん、太さのちがう麺が混ざることによってフワッとした食感になるのが面白い。

チャパグリ_26.jpg

口の中がやさしい世界

そして味はというと、ソースのあとにちゃんぽんらしい魚介のうまみが加わる、魚介風味の塩やきそばという感じでおいしい。

海の家でこれが出てきたらすごくうれしい。そしてどうしても加山雄三の歌声が頭のなかで響いてしまう、そんな海感のつよい味だ。

チャパグリ_28.jpg
海よ!

おいしさ:★★★★★
クセになる:★★★☆☆
海の家感:★★★★★

1位:日清焼そば ✕ 元祖 ニュータンタンメン

さていよいよ第1位。この日は天気がよかったので、最後は外で食べることにした。

チャパグリ_30.jpg

これが俺の、
半地下だ!
第1位は 日清焼そば ✕ 元祖ニュータンタンメンです。
半地下からの食レポをどうぞ

口にいれた瞬間、ニンニクのきいた肉のエキスという感じのジャンキーなうまさが広がる。

そして口の中がちょっとしびれるような辛さもあり、まさに旨辛だ。

穴の中で食べてもうまい!

クセになる味で、食べ終わってもまた食べたくなるおいしさ。

この組みあわせを、日本版のチャパグリとして認定したい。

半地下からのいい景色。この組みあわせが1位になったのは、天気のいい日に外で食べた気持ちよさもあったかもしれない。
けっこうくつろげてしまった

おいしさ:★★★★★
クセになる:★★★★★
意外と深く掘れて満足:★★★★★

ソース+魚介だし+辛みが最強

今回はじめて食べたチャパグリ。そのおいしさは、しょうゆ系の甘香ばしさ、海鮮だし、そして辛さのベストバランスによるものだった。

そして日本の袋麺の場合も、2位はソース+魚介、1位はソース+辛さと、チャパグリと同じような要素の組みあわせがおいしかった。

どうやら、ソース+魚介+辛みというおいしさのパターンがあるようだ。もしかしたら、焼そば・ちゃんぽん・タンタンメンの3つを混ぜるのが最強の組みあわせなのかもしれない。

今度やってみよう。

チャパグリ_38.jpg
麺をつくりにいったん家にもどるとき、誰もいなくてでかい穴だけあったら不審かなと思って用意した張り紙。穴のなかで暮らす人からのメッセージみたいになってしまった。

 

 

チャパグリ 4人前 チャパゲティ2袋+ノグリ2袋 짜파구리

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